団体5位も確かな手応え さらなる高みを目指す/東京六大学対抗グライダー競技会

航空
2015.09.07
 今季最初の大会となる東京六大学対抗グライダー競技会が埼玉県の妻沼滑空場で行われ、明大からは和田のどか主将(農4=大宮)、鈴木貴大(理4=明大中野)の2人が出場した。恵まれない天候に苦しむも、大会7日目には鈴木が305点を獲得。しかしその後得点を決めることはできず物足りない結果に終わった。今大会、初出場ながら十分な経験を重ね成長した2人。次の関東大会での活躍を誓った。

 航空部が扱うグライダーは、機体にエンジンを載せていない。凧のような原理で空へ飛ばし、上昇気流に乗せることで長時間の飛行が可能になる。パイロットとなり選手として出場するには国家資格の免許が必要なため、大会に出るまでにもたくさんの時間と努力を有する。競技会では、着陸地点を含めた4地点を回ることでポイントを獲得し順位を競った。

 確かな成長を見せた。雨で天気が恵まれない日が続いた今大会。迎えた7日目、他大が得点を重ねていくが、明大はなかなか得点につなげられず苦しんでいた。そこで鈴木は、フライト・ログというフライト中に記録される細かな数字を他大の選手比べることで自分自身を研究。弧を描く際の機体の角度の違いを見つけ出すと、その研究に2時間費やしながらも努力が実を結び、見事ポイント獲得に成功した。「上手い人との差を解析できるチャンス」(鈴木)と、大会に出ることで初めて分かったことは多かった。今後の課題は「フライトの軌跡の差とメンタル面」(鈴木)だ。同時旋回(ガグル)の経験が少ない明大は「(他大の機体を)少し避けてしまっていた」と上昇気流への飛び込みが遅れた。度胸と経験は場数を踏めば自然と付いてくる。経験を糧に1つでも高い順位を目指し、鈴木は今日も大空へ飛び込んでいく。

 高まる胸とともに大空へと舞った。和田主将は念願だった大会に出場することができ「結果にこだわるより大会に出たい」と気持ちを抑えきれなかった。得点はならなかったがついに3年越しの悲願を達成し「やっぱり嬉しかった」と笑顔で大会を振り返った。和田は鈴木を「張り合いの持てるいい同期」と話し、鈴木にとっても和田主将は「もう一人の自分」(鈴木)と言うほど欠かせない存在だ。今大会の得点も互いのフライトを反映し合った結果。負けん気が強い和田は、鈴木が得点した時「私が回りたかったな」とぽつり。1回も周回できなかったことを悔やんだがこの悔しさがさらなる高みを目指させる。同期の好敵手と切磋琢磨し、進化を遂げる。

 苦難の代だった。「普通に飛べるのが幸せと感じられた」(和田)。ウィンチと呼ばれるグライダーを引っ張る機械の故障で、練習がほとんどできなかった。それでも2人が免許を取るためにと部員たちがやっとの思いで修理し、飛び始めることができた。次の関東、全国大会と公式大会は4年間の集大成になる。関東大会へ向けて和田は「他大より飛行時間が短いので練習しまくる」と気合十分。風が強い冬に対応したフライトに加え、GPSなどの機械を活用した減点されないフライトを目指す。「成果を見せつけたい」(鈴木)。4年間の努力を実らせる。

[木村亮]