総合Vで全日本学生大会へ弾み/関東学生新人大会事後取材

少林寺拳法
2014.10.15
 育成力で総合優勝をつかみ取った。1、2年生のみ出場できる新人大会が今年、2年ぶりに開催。明大からは6組が出場。男女有段の部で豊田竜大(商2=川越東)・岡本みさと(政経1=富士見丘)組、男女白帯緑帯の部で坂田英作(政経1=明大明治)・横山可奈子(文1=明大明治)組が1位に輝いたほか、3組が2位入賞を果たした。今大会に出場した拳士たちに大会後、今大会の感想や今後の意気込みについて語ってもらった。

 11月の全日本学生大会へ向けた大きな弾みとなった。総合優勝は「どの部門の点数が低くても獲れなかったもの」(中山一哉・理工2=桐蔭学園)。中でも男女白帯緑帯部門で1位には明大の指導を重視する姿勢が表れた。この部門に出場した坂田、横山はともに大学入学と同時に少林寺拳法を始め、経験は半年ほど。しかし、初出場となったこの大会でいきなり1位をつかみ取った。横山は「親身になって練習をしてくださった先輩に応えたいという気持ちだった」と、上級生の指導への感謝を口にする。全日本学生大会での総合優勝には、こうした経験の浅い部員たちの活躍が不可欠。清水遼太主将(商4=川越東)は7月、1年生に対して「自分達で考えて取り組むことも出来ていますし、吸収が早い。自分達がサポートして、9月の新人大会で良い結果を残して欲しい」と話していたが、今大会でその言葉が実現。指導を重視する姿勢が結果となって実った。11月には全国大会、全日本学生大会と大きな大会が続いて控える。2大会に出場する部員は大きな負担を抱えることになるが「何とか乗り切りたい」(岡本)と全力で挑む。

~男女有段の部 豊田・岡本組~

豊田
「男女に出場したかったので、主将に『岡本と組みたい』と伝えていました。1位は狙っていましたが、練習は上手くいかず、演武が作業というか、形だけになってしまい、先輩にアドバイスを頂くなどしました。当日は岡本も緊張していましたが、自分もそれ以上にえづくくらいに緊張していて(笑)高校の後輩もいて、負けられないと。ですが、その分集中できて、2人の中では一番の演武が出来たと思います。最近はなかなか勝てていなかっので、勝ててホッとしました。11月の全日本学生大会では、関東学生大会のリベンジをしたいです。そこに向けて、もう切り替えて練習に取り組んでいます」

岡本
「とにかく(豊田)先輩のスピードについていこうと思っていました。予選では周囲からも『よくない、味が出せていない』と言われていたので、本選では立て直そうと。ですが、せっかく先輩と組んでいるから1位を獲らないと、というプレッシャーで、うまく話せないくらいに緊張しました。その中で1位を獲れてうれしかったですし、ホッとしました。負けたら坊主という話もしていたので(笑)。11月は全国大会と全日本学生大会と2つの大会が連続します。初めてのことなのでどうなるのかと不安ですが、何とか乗り切りたいと思います」

~男女白帯緑帯の部 坂田・横山組~

坂田
「先輩に基本からつきっきりで教えてもらっていて、自分達は恵まれているなと感じました。本当に面倒見がいい先輩だと思います。予選が1位で、そこでいけるんじゃないかと思いました。『自分達には金だけだ』と(笑)。実は、もともと太極拳をやっていたこともあり、1人でやりたかったのですが、今大会に出場して組演武の面白さを感じることが出来ました。まだ練習では同じことを注意されることも多いので、頭で考えるのではなく、体にしみこませたいです」

横山
「親身になって練習をしてくださった先輩に応えたいという気持ちでした。(入賞で)名前が呼ばれれば、と思っていましたが、終わってみれば1位という結果でうれしかったです。練習では何をやっても上手くいかない、先輩に言われたことが出来ない、と落ち込むこともあったのですが、今回こうして結果が出て、もっとうまくなりたいと、前向きになるきっかけに出来ました。他大には礼などが出来ていない拳士もいた中で、自分達は先輩に完璧に教えてもらっていて安心を感じました。ただ、2位とは今回1点差だったので、全日本学生大会へ向けては、おごらず、でもネガティブにならず臨みたいと思います」

~男子有段の部 伊藤・堀井組~

伊藤輝(政経2=中部一)
「演武に柔らかさが無く、迫力はあるけれどガチガチという中で、堀井の柔らかさと合わせてお互い無いところを、と思いました。最初は練習が進みませんでしたが、2週間前くらいになって気持ちが入ってくると身が入ってきました。予選は通るか不安なほどだったのですが、本選で爆発できたと思います。1位とは1点差でしたが、自分達の方が良かったと思うところもあります。(総合1位については)うれしい限りです。今は三人掛けと組演武の両方に取り組んでいて、全然違うものなので混乱してしまいますが、頑張りたいと思います」

堀井颯馬(商1=成田国際)
「これまで男女の部門に出ていて、男らしい迫力が足りていないと感じていたので、伊藤先輩から学ぼうと思いました。2位は正直悔しいですが、大会前の限られた時間の中で迫力を求めてきたそのスタイルは出し切れたと思っています。予選はミスを恐れて勢いを出し切れませんでしたが、最後は勢いよく気持ちで演武できたと思います。1年生の大学から少林寺拳法を始めた部員も今回1位を獲るなど、それぞれ頑張っていて頼もしいです。全国大会、全日本学生大会と続きますが、まずは全国大会で1位を獲って、そして全日本学生大会では全国大会より良いものを、というステップアップをしてさらに上を目指していきたいです」

~単独有段の部~

中山
「約1年ぶりの単独でした。2人ならコミュニケーションを取りながら出来るのですが、1人での戦いなので練習から孤独感を感じました。つらい部分はありましたが、形の追求など1人だから出来ることもあったので、ためになったと思います。大会当日は学連の仕事などもあり忙しさのうちに終わったという印象です。緊張はありましたが、2位は悔しいです。ですが、部としての総合1位はすごくうれしいです。どの部門の点数が低くても獲れなかったものだと思います。1、2年生の力を見せられたと思います」

~単独茶帯の部~

白川大地(政経2=私立市川)
「本選では緊張してしまい、自分でも5、6位だと思っていました。なので、2位と聞いた時には嬉しさよりびっくりのほうが先に来ました。その後、メダルを貰ってようやく嬉しさがこみ上げてきました。去年の自分と比べると明らかに基本ができるようになっていると感じています。先輩は漠然とした質問をしても一緒に考えてくれたりして、丁寧に指導してくれます。初の入賞になったので嬉しいです」

~男子白帯緑帯の部 可兒・中村組~

可兒健太郎(法1=昭和学院秀英)
「以前柔道をしていたことがあり、新歓期間中の最終日に勧誘を受け少林寺拳法を始めました。今大会は緊張しましたが、出し切れました。予選落ちになってしまいましたが、ギリギリのところでしたし、足りないところも見えてきたので、これからだと思います」

中村隆之(政経1=春日部)
「入学前から武道をやってみようという気持ちがあり、少林寺拳法部に入部しました。今大会は、大会前に体調を崩したり、ケガをしてしまうなどして、結果も予選落ちで残念でしたが、練習が無駄ではなかったことを感じましたし、次は出し切りたいと思います」

~単独白帯緑帯の部~

井上由輝(法1=三田)
「新歓期間中に先輩の演武を見て、雰囲気に魅了されて入部しました。入部当初は何かあるたびに『やめたい』と感じることもありましたが、最近は練習に慣れはじめたこともあり、少林寺拳法に骨を埋めてもいいかなと思えてきました。今大会にも出場することは前向きではありませんでしたが、先輩たちからの声援を受けて緊張せずに演武することが出来ました」