チーム一丸となって挑むも5位/東京六大学対抗グライダー競技会

航空
2014.09.18
 今季最初の大会である東京六大学対抗グライダー競技会が妻沼滑空場で行われた。明大からは2人の選手が出場し、優勝を目指し日程をこなしたが結果は団体5位。個人でも野原芳治(理工4=栃木)は17位、信田昌人(理工4=岐阜)は19位と悔しい結果に終わった。それでも貴重な経験を積むことができ、次の大会に向けての糧となった。

 サーマルと呼ばれる上昇気流に乗せて飛ばすグライダー。エンジンは搭載せず「風を感じられる」(和田のどか・農3=大宮)という。大会では各地点を回ることでポイントを得ることができる。その後戻ってくることができれば周回となり、その速さによって高い得点が入る。いかに速く、高度を保って回ることができるかを競っている。

 この大会では、今年度主幹校として明大が大会運営などを行った。昨年度の接触事故などを受け「何度も安全面に対する会議を行った」(田原源騎主将・農4=三田)。機体を上空でばらけさせるために新コースを取り入れたりと、より安全面を考えての実施となった。そして迎えた9月7日。信田の選手宣誓から今大会は始まった。
 
悔しい結果となったが、実践で経験を積んだ。新歓期間の体験フライトで入部を決めた野原はすでに「次に向けての良い起爆剤になった」と関東大会に目を向けている。3日目には周回し健闘を見せたが、最終順位は個人17位。8月にライセンスを取得し臨んだ今大会だったが「上には上がいて、ライセンスをやっと取ったと思ったら、もっと上手い人がいる」と改めて痛感した。しかしそれを糧にして「しっかり自分を見つめ直して練習していきたい」と意気込んだ。
 

 憧れの空に挑み、その難しさを知った。幼い頃にブルーインパルスの航空ショーを見て以来、空に憧れる。しかし遺伝の目の悪さから「パイロットになりたい」という夢を諦めざるを得なかった。そんなときにグライダーと出会い、4年間没頭してきた。野原同様8月にライセンスを取得し、1カ月も経たずに臨むものの、最初は「気持ちが前に出てしまった」。そのせいか1、2日目はポイント獲得ならず「気持ちを切り替えて初心に返った」。その結果、3日目は自身初のポイントを獲得し、6日目には周回に成功した。最終日には、一番速く周回に成功するデイリーの獲得も期待されたが、惜しくも得点ならず。最終的に個人19位となった。
 「みんなの支えがあったから飛ぶことだけに集中できた」と信田。2人しか出場しないからこそ、地上でサポートをするメンバーもよりチーム一丸となって挑んだ。他大相手に大奮闘を見せたが、ライセンスを取りたてという経験の差や人数の差から、昨年度より順位を落とす5位に終わった。

 しかしまだ終わりではない。今年から日本学生航空連盟に加盟し、12月に行われる関東大会への出場も可能になった。今大会は「ゴールではなくスタート」(野原)。さまざまな課題が見つかり、多くの経験を積むことができた。また今回地上でサポートをしたメンバーも「やはり選手として出たい」(田原)と、より一層ライセンス取得への意欲を燃やす。今大会は「悔しいけどばねにしたい」(信田)と、この結果を胸に選手たちの気持ちは前に向いている。