ルーキー2人が初の全国の舞台 結果は残せずも有意義な大会に/全日本学生選手権

空手
2014.07.08
ルーキー2人が初の全国の舞台 結果は残せずも有意義な大会に/全日本学生選手権

大阪で行われた全日本学生選手権の個人戦に、古川かれん(政経1=日本航空)と中野力斗(法1=花咲徳栄)のルーキー2人が出場した。女子形の部に出場した古川は、予選を3位で突破したが、決勝トーナメント1回戦で敗れベスト8となった。男子組手の部に出場した中野は、初戦で快勝したが、次の試合で1―2と逆転負け。2回戦敗退となった。大学生となって初めて挑んだ全国の舞台は、結果は出せなかったものの、貴重な経験を得られた場となった。

 次につながる敗戦となった。古川は予選でクルルンファを演武し、17人中3位で予選突破を決める。続く決勝トーナメント1回戦で対戦した国士大の川崎は、高校1年生の時にも負けていた相手であった。「どこまで通用するか分からなかったけど、勝ちたかった」と最も得意とする形であるスーパーリンペイで挑んだ。関東学生選手権後に1から組み直したという形はまだ完成には至っておらず、結果は旗判定で5本すべてが相手に上がる完敗。それでも古川はポジティブに振り返る。「悔しいけど次につながる試合ができた。(相手は)キメの部分がしっかり決まっていたからそこを見習っていこうと思う」と改善点も見えたようだ。「JAPAN選考を目標にがんばっていきたい」と今後の目標も口にした。

 悔しい逆転負けだった。男子組手に出場した中野は、開始39秒からわずか8秒間の間に7ポイントを奪う快勝で初戦を突破し、2回戦を迎えた。序盤から互いに出方をうかがう静かな試合となる。開始から1分41秒、ついに均衡が破れる。中野の上段逆突きがきれいに決まり、有効で1ポイントを獲得。しかしその直後、突きが相手に当たりすぎてしまい警告を受ける。すでに1度忠告(警告より軽度の懲罰)を受けていたために、この警告が相手の技ありとなり1―2と逆転される。その後は攻めにかかるも及ばず敗戦。中野は試合後「反則の取られ方が高校とは全然違う。相手が強かったというより、ルールに適応できなかった自分に敗因があった」と振り返った。相手の攻撃をまともに受けることは1度も無かっただけに、悔いの残る敗戦となった。

 優勝や入賞は果たせなかったが、2人のルーキーは他大学の全国レベルの上級生を相手に堂々たる戦いを見せた。今大会の結果を受け「来年以降の全国の個人戦ではもっと勝てるようにしたい」(中野)とすでに先を見据えている。2人にはあと3度、全日本選手権に出場するチャンスがある。次は全国の舞台で優勝を争う2人の姿が見られることを期待したい。

[尾藤泰平]

試合後のコメント
ベスト8入りした古川
「調子は悪くなかった。いつも通り。予選は満足のいく内容ではなかった。今自分がやってきている形が自己流のままだったのでこれからの課題が見つかった。基本通りの形をしているから、その内のまだ自己流でやってしまっているところをこれから直していきたい。(決勝トーナメント1戦目で)スーパーリンペイを使ったのは相手が強敵だったから。いつも可愛がってくれる先輩で、高1のときの関東も負けていた。どこまで通用するかわからなかったけど、勝ちたかったからスーパーリンペイでいった。自分の形がまだ未完成で負けちゃうのも仕方がないという感じがあった。悔しいけど次につながる試合ができたから良かった。(決勝トーナメントの相手は)キメの部分がしっかり決まっていたからもっとそこを見習っていこうと思う。自分のスピードとキレは他の人に負けたくない技だから、これからも磨いていきたい。さらにパワーも付けていこうと思う。大阪の先生に練習を付いてもらって、気持ちに変化があった。自分がどうやったら勝てるのかというのがわからなくて、それを大阪の先生に教わりに行った。そしたらこういう形をすればいいというのが分かって1から組み直す気になった。インカレは先輩たちばかりだから挑戦者の気持ちでいけるから結構楽しくやれた。今後もJAPAN選考を目標に頑張っていきたい」

2回戦敗退となった中野
「インカレの感想は、とにかく高校と違ったということ。相手の強さとかではなく、まずルールが違う。反則の取られ方などが、高校と全然違うので、それに適応できなかった。相手が強かったというより、ルールに適応できなかった自分に敗因があった。負けた試合では、相手の出方をうかがいながら戦おうとは思っていたが、反則を取られたことで、余計に攻めづらくなってしまった。うまくポイントを取れなかったことを反省点しなければならない。来年以降の全国の個人戦では、もっと勝てるようにしたい」