全国の舞台へ向けて拳士たちの声/練習取材

少林寺拳法 2011.11.05
~男子三段以上の部 宮嶋・金森組~
宮嶋
「(関東学生大会について)入賞できなかったという結果だけみれば、確かに納得できないがそこまで気にしていない。技の完成度がまだまだで正確さが足りていない。三段以上の部は一つのミスが結果に出る最高峰の舞台。ミスをカバーできれば良かったが、あまりできなかった。少林寺を始めたきっかけは武道が好きだったし、自分を変えたかったから。二人で一つの演武をやっていくということはその後の人生にも影響していく。一人では生きていけないということに気付かされるところが少林寺の魅力だと思う。全日本学生大会では、自分のプライドにこだわらないで演武をして、それが結果に繋がっていけばいい。結果にこだわっていくが、どんな結果でも満足できる演武をしたいと思う。来年になって金森と組むかわからないので、この組み合わせでできることも含めてとにかく全国の舞台を楽しみたい」。

金森
「自分のミスで関東学生大会の入賞を逃したようなものなので、宮嶋先輩には申し訳ない気持ちがある。普段の練習から学びとることが多く、いろいろなことを与えてもらっている。先輩から教えてもらうのではなく、もっと自分から進んで学ばないといけない。少林寺を始めたのは高校が少林寺が強くてやってみたかったという単純な理由だった。少林寺の良さは簡単に言うと仲間。ほかの武道は流派がいろいろ分かれるが、少林寺は一つなので合同練習などで他校でも関係なくお互いを高め合える。全国学生大会は一番重要な大会だと考えている。自分の持っているものをすべて出し切り、観客の目を引き付けたい」。

◆宮嶋 祐貴 みやじまゆうき 商3 桜林高出 173cm・63kg
◆金森 翔吾 かなもりしょうご 商2 中部大一高出 176cm・65kg



~男女二段以上の部 中西・湯木組、村山・小柴組、新井・高橋(育)組~
中西
「(女子と組むことは)たまに気を使う場面もあるが、使いすぎるということはない。同期以外と組むのは初めてだったので最初に組むと聞いたときは驚いた。気合ではほかの組に負けないと思っている。自分は少林寺拳法を始めたきっかけは、自分の身は自分で守ろうと思い最初に声をかけられた武道だったので入部を決めた。強くなりたいと考えていたので途中でやめることは考えていなかった。4年間を振り返ると満足しているとは言えないが、強くなるという目標は達成できたと思う。全国大会は最後の大会になるが、気負いすぎて失敗しないで、悔いの残らない演武をしたい」。

湯木
「先輩なので最初に組むとわかったときは驚いたが、やりやすくていい雰囲気なのでのびのび練習できている。中西先輩は動きが柔らかいので組みやすい。友達に誘われたのが少林寺を始めたきっかけ。やめようと考えたこともあったが後輩が入ってきて、それから頑張ろうという気持ちになった。みんなで作り上げていくということが少林寺の魅力だと思う。明治の良さは、厳しいところもあるが仲が良く練習以外では優しくオンとオフの切り替えがしっかりしていること。全国大会では男子に負けない迫力を出していきたい。上を目指していくがあくまで結果は結果なのであまり考えすぎないようにしたい」。

◆中西 彬 なかにしあきら 農4 太田高 168cm・62kg
◆湯木 遥子 ゆきようこ 商3 国分寺高 157cm



新井
「関東学生大会の前はまだまだだと感じていたが結果として賞が取れた。大会後、正直モチベーションが下がってしまっていたが、合宿に行ってアドバイスを受けた事もあり、今はかなり上がってきている。モチベーションが下がっていた時も育恵(高橋)は練習するタイプなので、付き合っていくうちに調子が上がってきた。周囲からの期待はスポーツ推薦で入部した時から自分の役割というわけではないが確かに感じていたし、それがプレッシャーになることもあった。小さいころから空手をやっていたこともあり、友人に誘われて少林寺拳法を始めた。周りの人におだてられるうちにここまで来た。全国学生大会では一人90点以上の合計270点以上の点数を取りたい。気持ちの入った演武で見ている人を感動させることができたらいい」。

高橋(育)
「構成の技の部分など関東学生大会では課題がたくさんあり、始まる前もまだまだと感じていた。先輩に頼っている部分もあって自分ではあまり自信があるということもないので、周囲の考えとはギャップがある。変わったことがやりたくて興味を持ったのでやってみたのが少林寺拳法を始めたきっかけ。高校のときは先生に言われるままにやっていてやめるということもできなかった。新井先輩のように自分もモチベーションが下がってしまっていたが、逆にここまで下がったら上がるしかないと考えていた。全国の舞台でも1位を取るというのが目標。その上で自分の気持ちで人の気持ちも動かしていきたい」。

◆新井 椋大 あらいりょうた 政経3 川越東高出 170cm・66kg
◆高橋 育恵 たかはしいくえ 政経2 越ヶ谷高出 153cm



小柴
「今までと同じように平塚先輩と組むと思っていたので、組み合わせを聞いて驚いた。突く時のリーチや体の違いなど男女差もそうだが、単純に人が変わったということで練習でやりにくさを感じた。村山のほうが自分よりうまいので注文されたことについいていくという感じ。平塚さんのときは互いに話し合って決めていく感じだったのでそこでも違いを感じる。少林寺の魅力は人によって同じ技でも変わっていくことにある。最初は一つ一つの技の楽しさを感じていたがそれがだんだん面白さに変わっていった。組んでいる期間が短いだけに完璧ではないが全国学生大会では今の実力をしっかり評価してもらいたい。互いに体が小さいのでそれをいかに感じさせずに大きな動きをするかが重要になる。本選に残りたいという気持ちがだんだん入賞できればいいというものに変わっていたが、あまり考えずとにかく一生懸命やっていくだけだと思う」。

◆村山 大介 むらやまだいすけ 政経3 佐賀西高 168cm・60kg
◆小柴絵里香 こしばえりか 商3 札幌東商高 153cm



~男女段外の部 長谷川・丸山組~
長谷川
「関東学生大会で2位をとったが、とにかく緊張していてそもそも予選を通過できるとも思っていなかった。普段通りのことができたのが良かった。先輩方と比べて、一つ一つの突きや蹴りが軽いのが反省点。また緊張感が足りないということもある。父がやっていたのがきっかけで少林寺拳法を始めた。全国学生大会ではとりあえず予選突破が目標」。

丸山
「関東学生大会で2位を取れたことにはとにかくびっくりした。長谷川や先輩たちに助けてもらったからこういう結果になったのだと思う。長谷川も反省点に言っているように表情に真剣味がないと言われた。明治の少林寺拳法部は厳しいところもあるが楽しい。賞を取ることの楽しさを知った。全国の大会となるとより厳しいので、とにかく予選突破して
その上で入賞できたらうれしい」。

◆長谷川俊樹 はせがわとしき 農1 明大中野高 165cm・63kg
◆丸山 俊江 まるやまとしえ 法1 筑陽学園高 160cm



~三人掛けの部 須々木主将・川島・玉村~
須々木主将
「関東学生大会が終わった時点で技の精度などの課題が見つかって今まで直してきた。結果は今のレベルがこれであるということ。自分たちは長所がたくさんあったがそれと同じくらい短所もあった。ほかの組は長所が自分たちより少なくても、短所も少なかった。全日本を逆算しての関東の組み合わせだったので結果は意識していない。少林寺拳法からは多くのことを学べる。1、2年生のときは技など基本的なこと、3、4生になると周りやほかの人から人としての学ぶことができる。少林寺拳法は流派が無いのでどれが間違っているということもなくいろいろな師範の考えを知る。多くの人と影響し合えることができ、それは社会に出ても役立つと思う。後輩には結果を求めるということももちろんだが自己を向上させるということに励み、どん欲に素直に学んでほしい。また少林寺拳法の本来のスキルを身に着けてほしい。全国学生大会はあくまで大会は普段の練習の動機づけでしかなく大きくこだわることはない。それを目指していく課程が結果的に1番重要になると思う。しかし主将という立場から言えば、やはり実力が伴ったうえでのアドバイスは周りへの影響力も大きいのでトップを狙っていきたい」。

玉村
「関東学生大会の結果は本当に僅差でのものであり、やはり精度が足りないと感じた。上位にいる組は慣れているように感じた。全国学生大会は関東学生大会の延長線上にあるものだと思っている。上位陣は関東勢が占めてくると思うので全国という舞台でもあまり変わらない。少林寺拳法を始めたのは武道がやりたかったというだけで特に考えずに決めた。1年間ぐらいすると面白さや人とのつながりができるようになった。わざわざ相手と自分たちの技を教え合ったりすることはほかの競技では考えられず、少林寺拳法は試合の価値観が違うと思う。体育会としては勝利が必要となる。しかし、人を作るという少林寺拳法の要素も忘れないでほしい。そしてそれが学生少林寺拳法の発展に少しでもつながっていくと思う。体育会部員として遊びなどいろいろなことを犠牲にしてきたのだから卒業後も生かしていってほしい。全国学生大会に向けて自分たちのレベルはまだ上がっている。総合優勝をするためにも4年生として1位を取って後輩に背中を見せたい」。

◆川島 祐斗 かわしまゆうと 文4 観音寺一高出 173cm・73kg
◆須々木 龍太 すすきりょうた 情コミ4 東京都立武蔵高出 165cm・61kg
◆玉村 啓貴 たまむらひろき 営4 石神井高出 168cm・64kg


 
 本学少林寺拳法部が目指すのは総合優勝。しかし上級生からは結果だけにこだわらないという声が多く聞かれた。少林寺拳法は日々の鍛錬を通し、人間を成長させるスポーツだ。拳士はそれぞれ、大会という目標に向けた過程の練習を重視している。その延長戦上で結果が残せればという思いが強い。1年の締めくくりとなる大会でできるだけ多くの拳士が自己ベストとなる演武を披露してほしい。

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