ベスト4進出で全日本選手権へ/全日本学生選手権

ホッケー
   10月29日~11月3日まで行われた全日本インカレ。全国の強豪校を次々と破った本学は4位と躍進し、1990年以来となる全日本選手権への出場権を獲得した。


<関大戦>

 関大との初戦は「ホッケーにならなかった」(吉仲主将・法3)という程の豪雨の中行われた。前半6分に若槻(商3)が幸先良く先制点を奪うと、その後も効果的に加点し前半だけで3点をリードした。後半もそのまま明治ペースで進むかと思われたが雨による水たまりで得意のパスをつなぐホッケーができず、関大にゴール前まで攻め込まれる場面も。しかしDF陣が最後まで集中力を切らさず、3-0で勝利した。


<朝日大戦>

 今年の全日本大学王座決定戦の準優勝校・朝日大との2回戦は死闘となった。立ち上がりから「みんなの動きが良かった」(吉仲主将)というように相手ゴール前まで攻め込む本学だったが、なかなかゴールを奪うことができない。前半5分には清水(商4)がドリブル突破を見せたが、あと一歩のところで朝日大のDF陣に阻まれる。さらにその8分後にはPC(ペナルティー・コーナー)からパスをつないでシュートを放つもわずかにゴールの上へ。いい流れの中で得点することができず、「痛かった」(荒川・政経3)というものの、格上の相手の相手と互角以上の展開をすることで「自分たちも負けていない」(荒川)と、ここから本学の集中力が増し始める。後半反撃に転じる朝日大に対しGK荒川が好セーブを連発。「よく粘ってくれた」(小池コーチ)というDF陣も相手に思うようなホッケーをさせない。両者が力を出し切った試合はこのまま決着がつかず、PS(ペナルティー・ストローク)戦へともつれた。
 そして勝利をかけたPS戦。後攻本学の1人目、藤田(営3)のシュートはGKに止められる。その後両校2人ずつ成功し朝日大4人目の選手へ。このシュートを荒川が止め同点にすると4人目と5人目の毛利(法1)、市橋(営1)が落ち着いてゴールを決め4-4。

   先攻後攻を変え、再び藤田へ。今度は確実に決めると次の朝日大のシュートはゴールポストに当たりついに決着。勝利の瞬間、全員が荒川のもとへ駆け寄り笑顔がはじけた。小池コーチも「よくやった」と選手を労った。

<早大戦>

 全日本選手権をかけた早大との準々決勝。前日朝日大に勝利した勢いそのままに序盤から明大ペースで試合は進むが、「決め切れなかった」(小池コーチ)とこの試合もなかなか得点することができない。すると前半21分、早大に一瞬の隙をつかれて先制点を奪われてしまう。しかし直後にギアが入れ替わったかのように素早い攻撃を見せると前半25分、「敵の裏に抜けるのがうまい」(宮田監督)という毛利がゴール前で小桜(商2)からのパスに「角度を変えればいいシュートになると思った」(毛利)とタッチシュートを決め試合は振り出しへと戻った。


 後半は開始早々に早大にPCを決められ、またもリードを許す展開に。ここから流れをつかんだ早大にゴール前まで攻め込まれる苦しい展開となる。このまま早大の前に屈するかと思われたが、「あきらめない気持ちが出ていた」(宮田監督)と本学はラスト10分から決死の反撃へと転じる。すると後半31分、PCから松山(理工3)が押し込み再び同点に追い付き、勝負は2回戦に続くPS戦へともつ。





 PS戦は後攻明治が4人目まで全員成功したのに対し、先攻早大は3人目の選手のシュートがゴールバーに当たり4-3で5人目の選手へ。外せば本学の勝利が決まる緊張感が漂う中、荒川が見事相手のシュートを止め2日連続のPS戦を制した。

<立命大戦>

 準決勝は、7月に行われた全日本大学王座決定戦の覇者・立命大と対戦した。優勝候補を相手に朝日大戦、早大戦の勢いを持続したいところだったが、0―6で敗戦。前半32分までは0―0で「ボールもある程度支配できていた」(宮田監督)が、前半終了間際に2点を決められると、後半には4点を奪われ試合終了。宮田監督は「攻め合いになったが、決め切れなかった。相手を慌てさせることができなかった」と振り返った。

<天理大戦>

 3位決定戦の相手は天理大。序盤は展開の早いホッケーを前に、なかなかボールを奪うことができず、苦戦した。前半6分に先制を許すと、同11分にはパスミスから2点目を献上した。それでも同15分に「今年一番練習してきた形」(宮田監督)というカウンターからの速攻で1点を返し、1―2で前半を終えた。
 後半も序盤は天理大のペース。何度もゴール前に迫る天理大の攻撃を何とかしのぎ、迎えた後半14分、右サイドからのパスを受けた若槻のゴールで同点に追い
ついた。「面白くなってきたな」と観客からの声も聞こえる中、この後は点の奪い合いとなる。同20分に勝ち越しを許し、同21分にはもう1点追加され2―4とされたものの、同23分にゴール前の混戦から濱中(法3)が決め3―4。同26分にPCから得点され3―5とされたが、同28分に再び濱中のゴールで1点差に。最後は同30分、34分にPCからの得点を決められ4―7となったが最後まで粘りを見せ、観衆も大いに沸く試合となった。試合は敗れはしたが、「天理大から4点取れたのは自信になる」と宮田監督。これまでチャンスを作っても決め切れないことが課題だっただけに、少ないチャンスをものにして4点を挙げた攻撃面については手応えを感じていた。

   ベスト4に進出し、久々に全日本選手権(12月8~12日 岡山県赤磐市熊山運動公園多目的広場)への出場権を手にした。「朝日大に勝てたことは自信になる」(荒川)「中盤の組み立てができれば立命大、天理大にも十分通用すると分かった」(宮田監督)と結果だけでなく、大会を通じて多くの収穫を得たようだ。今大会では何度も粘りのホッケーを見せた選手たち。11月7日にリーグ最終戦の法大戦(慶大日吉グラウンド 12時30分開始)を終えると、今年は12月に全日本選手権が待っている。

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