成蹊大に111―0!!17トライの猛攻で完封勝利を挙げる/関東大学対抗戦

ラグビー
1999.01.01
 圧巻だった。前日の予報を大きくはずし晴天となった10日。「運動量を落とさずに臨機応変なプレーができた」(榎・政経2)と強い日差しにも怯むことなく、攻守ともに成蹊大を圧倒した明治は“フルワークアウト”で17トライを猛攻、111―0と完封勝利を挙げて、開幕3連勝を飾った。

 ラックを重ね地道だが確実に「前へ」と進み、開始から6、9、13分とトライを奪う明治。ここまでSO田村(文4)のキックも全て決まり、21―0と序盤から点差を広げていった。19分には相手の反則で敵陣ゴールラインから5メートル地点のスクラムとなったのをそのまま押し込んでトライ、さらに25分には敵陣22メートルラインでのラインアウトからモールを形成し、前へ、前へ、前へと成蹊大のFWを相手ともせず、ゴールラインまでを一気に突破し追加点を獲得した。圧倒的な実力を、相手にも、そして観客にも見せつけた明治。観客席からはスクラムトライなど、“明治らしいラグビー”に歓声と拍手がわいた。そのあともひたすら攻め続け、ほぼ5分間隔でトライを奪取。52―0という大差で前半を折り返した。

 「今日はフルワークアウト(22人全員が最後まで走りきること)がしっかりとできていた」(郷・文3)と後半。前半での大差がついていても明治に一切の緩みは見えない。ここまで来れば、あとはどれだけ点を伸ばすか――。運動量落ちることなく同様に攻め続ける明治は後半31分、FB小泉(営3)のトライによって99―0といよいよ100点ゲームに近づく。盛り上がりは最高潮に達した。そして34分、SH山口(政経1)からSO染山(政経2)、染山からパスを受けたPR榎がついに右中に100点越えのトライ。力の差が大きかった相手とはいえ、100点ゲームは2003年の青学大戦以来のことだ。
 40分にはFL千布(政経4)が3人ものタックルを持ち前の突破力でしのぎ、パスを受けたWTB居迫(法4)がダメ押しのトライを決めてスコアは111―0に。
ロスタイムもぎりぎりまで攻め上げあと一歩のところでノーサイドだったものの、圧巻の数字を叩き出し、大量得点・無失点とまさに“完封勝利”を挙げた。

 「今日はペナルティが筑波戦などに比べても多くなってしまった。軽いプレーがなければもっと取り切れたと思う。いいようで良くない試合だった」(友永・政経2)と、完封勝利とはいえ反省点が多いのも事実。しかし、それは「自分たちはまだまだいけるんだ」ということ。
 明治はまだまだいける。「日々成長しているということを選手一人一人が感じている」(杉本主将・商4)今。次の立教大戦ではどのような成長を見せてくれるのか、再来週まで待ちきれない。

~試合後のコメント~

「今日は雨という話だったが晴れて暑くなり、向こうはバテていた。試合を通じてこちらは運動量を落とさずにいけたし、臨機応変なプレーができた。(ジュニアの活躍に関しては)Bの選手が今勢いがあり、自分もレギュラーで定着できるか分からない。チームとして考えればめちゃくちゃ層が厚いということだと思う。(これからの試合に関して)集中して一日一日を大切にし、目の前の壁に向かっていきたい」。


「最初はスクラムが合っていなかったが、後半につれて修正していけた。このスクラムの修正が今回の試合の収穫だと思う。チームで決めていたフルワークアウト(22人全員が80分間集中して走り切ること)が今日はしっかりとできていた。個人的にはもっとボールを持ちたかったという気持ちがある。対抗戦でここまで上り調子なのは、Aチームだけでなく下のチームも今みんな一緒に練習をしていて、だから全員で勝とうという気持ちが強いからだと思う」。

城(政経4)
「早稲田とのジュニア選手権のときから、チームでやらなくてはいけないこと(基本FWで相手を崩す)ができている。Bチームの流れをつなぐことができ、勝てた。100点ゲームで完封だが、ミスが多い。もっと固くしっかりとプレーしなくてはいけない。(次の立教戦について)基本的にやらなくてはいけないことは変わらない。いつも通りプレーする」。

友永
「今日はペナルティが筑波戦などに比べても多くなってしまった。軽いプレーがなければもっと取り切れたと思う。いいようで良くない試合だった。スクラムも安定していなかったし、ラインアウトも大事なところでクリーンキャッチできなかった。こういった点を修正して立大戦に臨みたい」。

杉本主将
「今日はFWで攻め切れた。練習を最初から最後まで厳しくやっている成果だと思う。試合中もFWでどんどん攻めようと(選手同士で)話し合っていて、いい意味で明治らしいラグビーになってきた。(FWの完成度に関しては)完成というものはないと思うし、もしあるならば優勝したときが完成。ただ、日々成長しているということを選手一人一人が感じているし、威圧感みたいなものが出てきていると思う。(ジュニアの選手の活躍に関しては)ジュニアだけでなくC、Dの選手まで素晴らしい活躍をしてくれて、チームでバトンをつなぎあっている。(次の立大戦に関しては)これからビデオミーティングなどで研究するが、次はとにかくジュニアの関東学大戦。チームで一つ一つの試合を勝つ」。

秦(法3)
「今日はフルワークアウトができていて自分たちに負けないラグビーができたと思うが、反省点もあると思う。相手が詰めてきたときの対応だとか、そういうところがしっかりできていれば今日もまだまだいけた。反省点はこれから練習で改善していきたい」。

田村
「(今日は完封で勝てて)良かった。トライを取ったあとに集中を切らさないように、点を取られないようにしていた。明治はもっと上を目指しているチーム。だからミスがないようしっかりやる。(次の立教大戦に向けて)頑張ります」。

木村(商2)
「今日は楽しくプレーできた。接点を練習から厳しくやっているから、その成果が試合でも出ていると思う。みんな前に行く気持ちが出ていた。次も気を抜かずにやっていく」。

溝口(政経3)
「今日は22人全員で最後まで走り切る、フルワークアウトをすることができた。(前半で50点差ついたが後半を迎えるにあたって)ハーフタイムに点差の話は出なかった。フルワークアウトをしようと話した。個人としては試合中にコミュニケーションを取ることができたのが良かったが、詰めるディフェンスに対して深くするスキルが甘いのでそこが課題。チームとしては入りが悪かった点と前半にペナルティを多く与えてしまった点が課題。今、チームでは「バトンをつなごう」と言っている。Dが勝って、Cが勝って、Bが勝って、Aが勝ち、またDが勝って…とみんなでつないでいこうとしている。立教戦に向けてはディフェンスで出して刈り取るということをできるように頑張りたい」。

猿楽(政経2)
「相手はBKのDFがうまい部分があったので勉強になった。自分は何もしていない。チーム全体では今日は課題はないと思う。得点についても特に何も思わない。個人的にはもっとパスをうまく出して、周りを生かすプレーがしたい」。

居迫
「今日はやりたいことが全部できた試合だった。トライを取ったがみんながつなげてくれたもの。完封勝ちはチームの目標だったので達成できてよかった。立教戦は、B・C・Dチームも頑張ってくれているので、出られるかわからないが準備して臨みたい」。

小泉
「今日は相手のことや得点は考えずに明治のプレーをしようとチームで決めていた。 FWのセットプレーが安定していたからBKもしっかりディフェンスできた。接点へのこだわりとタテへの意識を持ってやれたことがいい結果につながったと思う」。

山口
「(Aチームの試合は)緊張した。それでも今日の試合は周りを見ることができた。先輩方が声を出してくれていたので、それに反応しプレーした。これから相手が強くなればなるほど、DFも厳しくなるし、試合自体のプレッシャーも重くなってくると思う。でもそんな中でも、自分のプレーができるように、普段から意識をもって練習していきたい」。

衛藤(営4)
「最後まで集中してプレーすることができた。取り切れなきゃいけないところも集中できた。ジュニアでもAチームでも頑張っていきます」。