秋6連覇逃す 明治時代の終焉/関東学生秋季1部リーグ戦

卓球
1999.01.01
 9月15~28日の2週間にわたって関東学生秋季リーグ戦が行われた。本学は第6戦まで全勝を守ったものの、春同様最終日早大戦で惜敗。結果、秋季リーグ6連覇を逃し、早大が春秋連覇で総合優勝を果たした。

 両校最終日まで全勝を守り迎えた早大戦。秋6連覇の懸かる明大と10年ぶりの春秋総合優勝を目指す早大の意地を懸けた戦いとなった。
 トップで登場したのは先季リーグデビューを果たした遠藤(法4)。対する早大はこれまでリーグ通算40勝を誇る早大のエース笠原。「相手が格上なので思い切ってやるしかない」(遠藤)と言うように出だしから早い攻めでポイントを重ね第2セットをもぎ取るも、第3セットでミスを連発。流れを失い1-4で起戦を落とした。
 続く2番手は、水谷(隼・政経3)不在で“明大エース”の座を預かる軽部(営4)。得意のカットマン相手に際どいコースを打ち分け、序盤から流れを奪う。カットで得点できず途中相手が、積極的に攻めに転じる場面も見られたが、それにも柔軟に対応し切り完勝。3コロで試合をイーブンに戻した。
 
 「ターニングポイントは甲斐(営3)の試合」。(高山監督)春の第2シングルスと同様の対戦カードとなった第3試合は、その後の試合展開を決定付ける大一番となった。早大の3番手板倉は春に0-3で完敗した相手。ミスが少なく、安定感のあるプレーをする相手に後塵を拝した春だが、今試合は出だしから強力なフォアハンドドライブで相手を翻弄(ほんろう)する。波に乗る甲斐はそのまま第1セットを11-3で圧倒。続く第2セットを失うも第3セットを物にし、試合にリーチを掛けた。しかし第4セットでリズムは狂う。「甲斐は今年に入っていわゆるスランプに陥っている状態」。(高山監督)打ち合いになった時に先にミスが出てしまう。甲斐の強打はことごとくネットに掛かった。そこから第4セット5セットを立て続けに取られた甲斐は今季2度目の逆転負け。春のリベンジはならなかった。「負けてしまったのは仕方のないことだけど、残念としか言いようがない」。(高山監督)眠れる天才の夜明けはまだこない。

 相手にリードを許し迎えたダブルス。全日本準優勝の実力をもつ池田主将(法4)・軽部のダブルスでどうにか食らいつきたい明大。しかし2セット先取し、第3セットでマッチポイントを握るもそのセット6-10から逆転を許した。これで完全に勢いを失った本学は簡単に第4セットを奪われると第5セットも根負け。2試合連続で逆転負けに終わった。
 最後は本学の池田主将と足立(早大)の主将対決となったが、一度失った流れは戻らず惜敗。1-4で早大に敗れ、6連覇は夢と消えた。

 やはりエース水谷の存在は大きいのか。言わずも知れた日本のエースであり明大のエース、水谷隼。今大会は中国での大会の兼ね合いもあり埼玉工大戦・日大戦の2試合でのみの出場となった。出た試合はきっちり押さえたものの、やはり“本番”は最終日早大戦。全日本単複4連覇中の実力を考えるとヤマ場に主役が不在ではやや物足りない感は残る。結果、本学は早大に敗れ5連覇中だった秋の王者の座を明け渡したわけだが、結果だけをみると“水谷(隼)がいないと勝てないのか?”
この疑問はどうしてもついてまわる。しかし果たしてそれはどうだろう。
 本学の選手層は厚い。昨年の全日本学生選手権で3位だった軽部(営4)をはじめ、同大会でベスト16入りを果たした選手を5人抱えており(早大は2人)、5人いずれも今大会レギュラー出場している。また池田主将(法4)と軽部のダブルスは昨年の全日本で水谷組に次いで準優勝の成績を残しており、戦力的には早大にも引けをとらない。早大戦のオーダーも本学からしてみれば理想的と言えるものであっただけに1-4という結果はまさかと思わせる内容だった。敗因について高山監督は「6連覇に向けプレッシャーはなかったが、個人個人が焦ってしまった」と語る。春から監督は度々「精神面」を課題に挙げてきたが今季その課題が解消されることはなかった。水谷がフル出場した昨年の春リーグでも優勝は逃しているため一概に水谷不在が理由とは言えないが、勝てる試合を落とした今、戦力面・精神面の双方で“やはりエースの不在は大きかった”と言わざるをえない。
 春季・秋季リーグ戦とインカレ、この3つが大学団体戦3大大会と言えるが、5年ぶりに1つもその頂きを制することなく終わった今季の明大。すべての大会で準優勝と常にトップクラスではあるものの、トップでないだけにもはや王者とは呼べない。
 気になるのは来季以降の明大だが、現状は非常に厳しい。「今年に比べると大幅に戦力は落ちる」(高山監督)ことが予想される。来季の新入生にもよるが1部通算31勝を挙げそろって今季特別賞を受賞した池田主将と軽部が抜ける穴は小さくない。またこの春リーグデビューした遠藤(営4)も今季3勝を挙げレギュラーに定着しつつあったため引退は戦力ダウンの要因となる。「来年は絶対優勝したい」(甲斐・営3)と選手は言うが、“今のままでは”到底難しい。
 残る今季の団体戦は全日本選手権(団体の部)と後期日本リーグの2つ。高山監督は「全日本団体では(レギュラーの枠にとらわれず)いろんな選手を起用して、日本リーグでは3年以下を中心に構成するつもり」だと言う。下級生の場馴れと底上げを図り、来季に備えようという判断だ。明大にはレギュラー以外にも成績を残している選手は多い。これまで明大の厚い選手層に阻まれ日の目を見れずにいたが、次の2戦で真価が問われる。来季のレギュラー入りを狙うとなると確実に成績を残しておきたいところ。全日本団体は今月15日、後期日本リーグは来月4日に開幕する。