昨年の屈辱を晴らし23大会ぶりの準優勝!/関東剣道優勝大会

剣道
1999.01.01
 全日本学生剣道優勝大会を前に松井主将(法4)「昨年は悔しい思いをした。二の舞にはならないように気持ちで勝つ」と語気を強めた。一昨年の同大会では3位に入賞するという輝かしい結果を残したにもかかわらず、昨年はまさかの2回戦敗退。栄光から一転して挫折を経験した剣道部。捲土重来、本学は再び過去の栄光を取り戻すための戦いが始まった。

 「4年生が意地を見せた」(仁部・商4)。その言葉とおり昨年の屈辱を晴らすかのように破竹の勢いで本学は一昨年同様にベスト8まで勝ち残る。「主力が今まで以上に頑張っていた」(竹下・政経4)と振り返るように4年生、三雲(政経3)、足達(政経2)など主力選手が奮闘したのもここまで勝ち残れた勝因だ。しかしそれだけではなく、中本(商1)や遅野井(法1)といった1年生ながら負けなしという伏兵の活躍も勝因の1つだろう。

 日体大戦、東海大戦にも難なく勝利し12大会ぶり決勝戦に出場する。対戦相手は昨年の同大会で連覇が途絶えた国士舘大。共に昨年の悔しさをバネにここまで勝ち残ってきたのだ。まず、先鋒の寺田が小手を取られ一本負け。嫌な空気が流れるも、仁部が面を連続で取り、さらに続く足達も面を連続で取り試合の主導権は明治が握った。松井主将の引き分けを挟み迎えた大将対決。引き分けでも12大会ぶりの優勝が目前に迫った。しかしここで三雲は面を連続で取られまさかの敗北。同点に追いつかれ、試合は2-2の引き分けで決勝戦は代表戦にもつれ込んだ。

 「夏に行われた合宿はエアコンの設備など環境がいつもより悪く、練習も厳しく病院に行く者もいて精神的にきつかった。しかし去年と同じことをしたくなかった。今年は勝ちにこだわって優勝したい」(足達)。昨年の悔しさから血もにじむような努力を積み重ねた。それは優勝という目標のためであり、その優勝がこの代表戦で決まる。代表に選ばれたのは5回戦で昨年の覇者・日体大戦の勝利を決定づけるなどチームを引っ張ってきた足達。約10分にも渡る試合に会場全体が緊迫した空気に包まれた。会場の静寂を破ったのは、石田(国士大)の一振りだった。面を取られて明治はあと一歩、いや、あと半歩のところで優勝を逃した。

 試合後、「少し差があるから負けた。全日本までに差を埋めてリベンジしたい」(竹下)と23大会ぶりに準優勝した選手たちはすでに、次の戦いの展望を語った。この悔しさから全日本学生剣道優勝大会は今大会以上の飛躍が期待されるだろう。そう、昨年の2回戦敗退という挫折から準優勝という栄光をつかんだ今大会のように。