しかしこの冬を乗り越え、今春のオープン戦では毎試合スタメン出場を続けている。ただ、苦しい時期があったのも事実。アメリカキャンプから戻り疲れも見え始めたころ、体が重く感じ、打てない試合が続いた。そんな時善波監督から掛けられた言葉が「失敗を恐れるな、今いろいろ経験しろ」。自分にとって大事なのは「向かっていく姿勢」（中村）だということに気が付いた。

　そしてその姿勢は結果につながり始める。社会人対抗戦では６番センターでスタメン出場。チームが７安打に抑えられている中で２安打を放った。その後のオープン戦でもコンスタントにヒットを放ち、好調を維持している。

　しかし中村が目指しているのはもっと上だ。「守備の一歩目が遅い」（中村）と課題を挙げる。克服のために、バッティング練習のときから一球ごとに一歩目を意識して動き、その感覚を磨いている。

　春の目標は「レギュラーになり、自分の役割を果たすこと」（中村）。今春は野手転向後２度目のリーグ戦。昨秋から一回りも二回りも成長した中村に注目だ。

◆中村将貴　なかむらまさたか　法３　関西高出　178㎝・68㎏　右／左　外野手