まさかの入賞者なし…インカレに不安残す/全日本距離別選手権

スピードスケート
1999.01.01
まさかの入賞者なし…インカレに不安残す/全日本距離別選手権
 ついに今年もスピードスケートのシーズンがやってきた。1998年長野五輪の会場で知られる世界有数の高速リンク、エムウェーブ。今年もこの地に日本中のスピードスケーターたちが集結した。本学からは8人が出場。来年1月のインカレ向けて、オフシーズンの成果を試す絶好の機会となった。

 大会初日の男子500m。加藤条治(日本電産サンキョ―)の大会新記録に沸いたが、明治からは富岡スケート部総合主将・沼崎が出場。富岡総合主将は大会1週間前にスケート靴の歯が壊れるという、アクシデントに見舞われた。しかしその中でも、去年より1つ順位を上げて13位。本人は「悪くはないが良くもない。あれがすべてではない」と語った。

 大会2日目。男子5000mに長距離エース・黒岩(信)部門主将が登場した。黒岩(信)部門主将にとって3年ぶりのインカレ王座奪還はもちろんのことだが、もう1つ目指すものがある。それは来年開催されるバンクーバー五輪出場だ。昨年はこの大会同種目で6位。今大会で表彰台に入れば、ワールドカップ前半戦への出場が濃厚となる。そしてその先にはオリンピック。周囲の期待は高まっていた。最終組の1つ前、本学OBの平子佑基氏(平17商卒・現開西病院)とのレース。スタートの号砲がリンクに響き、1コーナーに向かっていく。200m計測、タイムは良くない。一方の平子氏はこの種目の日本記録保持者で五輪の舞台を知る強敵。周回を重ねるたびにタイムを伸ばす。それとは対照的に、黒岩(信)部門主将はみるみるうちに離されていく。挽回したいところであったが、その後もペースは上がらず。結局11位でレースを終えた。また同じ日に行われた1000mも明治勢は不発。入賞者なしのまま最終日を迎えることになった。

 大会3日目の男子1500m。中距離を苦手とする本学にとっては、厳しい結果が予想された。いい意味で期待を裏切ってほしい。しかしそんな思いもむなしく、大会3日間を通して入賞者ゼロとなってしまった。

 「大失敗」(黒岩(信)部門主将)。試合後に苦笑いしながら語ったが、これは黒岩(信)部門主将だけに当てはまるものでないだろう。インフルエンザの影響もあったが、滑り込み不足は明らか。「スピードを出しても安定しない」(小林(友))、「コーナーの調子が悪かった。体重が乗っていかない」(沼崎)と技術的な面での力不足が響いた。一方の他大は500mでワールドカップ日本代表に選ばれた羽賀(日大)や在家(日大)をはじめ仕上がりは順調。現時点では本学のインカレ王座への道は極めて厳しい。それでも黒岩(信)部門主将は落胆していない。「夏(合宿)でしっかりやったから」。今は結果が出ていないが、夏の経験は冬に活きてくるはずだ。チームとしての目標はあくまでインカレ。ほしいものは、形ばかりのスケート部総合優勝ではなく、3年ぶりのスピード部門での勝利。もう留まっている時間はない。

<選手のコメント>
黒岩(信)部門主将

 こんなもん。もっとフォームを良くしていかないと。体力だけでは駄目だと痛感した。(チーム全体について)仕上がりが低い。それにバタバタしていて練習の質が落ち、選手の士気も下がってしまった。(チーム立て直しに向けて)キャプテンとして成績を出して、チームを引っ張っていくのも自分の役割。上の順位で(結果を出し)チーム全体の士気を高めていきたい。

吉本
 今年は就職活動で練習ができず、体力面が落ちていて、技術がついてこない。体力面をつけていって、インカレでは皆と戦えるようにしたい。

黒岩(泰)
 ふがいなかった。他大は完成している人が結構いるが、(明治は)体ができていないし、滑り込みが足りない。かなり調整が遅れている。(今後に向けて)一戦一戦やっていく内に課題を見つけたい。目標はインカレ。インカレ王座へは個人の力がまず大切。やるしかない。

沼崎
 (結果について)納得いかない。今年はインフルエンザもあって明治の練習は少ない。(インカレへ向けて)今のままだと厳しい。皆で練習するしかない。