14戦連勝達成!さよなら2部、最高の形で終える/関東大学2部リーグ戦

バスケットボール(男子)
1999.01.01
 9月から始まり、7週間にわたる2部リーグ戦14試合が終了した。最終戦は、ホーム・明大和泉体育館での対国士大戦2戦目。明大は昨年の借りを返し、見事勝利を収めた。これで14連勝を達成し、最高の形で今リーグ戦を締めくくった。

 満員の観客が見守る中、試合は始まった。スターターは金丸(英)主将(商4)、岩澤(政経4)、金丸(晃・政経3)、田村(政経2)、岸本(政経2)。先に国士大にシュートチャンスが訪れるも外れ、岩澤のディフェンスリバウンドから明治の攻撃が始まった。金丸(晃)がシュートを放つも決まらない。金丸(英)主将のアシストで岩澤がターンシュート、ディフェンスファウルをもらい、フリースローでやっと得点した。その後馬(国士大)が外したイージーシュートを拾い金丸(晃)につなげるも得点には結びつかず、8分20秒で1―5。点を稼ごうと田村がカットインで攻め込むがリングに嫌われてしまう。
 しかし7分には、金丸(晃)が活躍を見せる。岸本からパスを受け、得意の1対1で得点。その後も金丸(英)主将のアシストで3Pシュート。さらにバスケットカウントで一気に9―7に盛り返した。再び岸本のアシストで今度は金丸(英)主将が右0度から3Pシュート。5分、金丸(英)主将と交代で駒水(政経3)が出場し、イン・アウト両サイドからゴールを狙った。国士大が3Pシュートを決めてくる中、明治はなかなか点差をつけることができない。一進一退の攻防で点差は常に2点差。そして2分40秒、岩澤のディフェンスファウルによる相手のフリースローで19―19と追い付かれてしまう。だが途中出場の若林(商3)のシュート、岩澤のフリースローで23―19に。金丸(英)主将の強固なディフェンスなどインサイド陣のカバーにより得点を許さず4点リードで第1クォーターを終える。
 古瀬(政経4)、飯沼(文4)、若林、金丸(晃)、岸本で臨んだ第2クォーター。まず岸本のアシストで古瀬が得点する。だが国士大も譲らずシーソーゲームに。若林が3Pシュート、金丸(晃)がリバウンドシュートを打つが惜しくも入らずもどかしい場面が見られた。この日、誰もが目を疑うほど金丸(晃)のシュートは不調だった。一方、ディフェンス面では明治の足腰の強さがはっきり出た。古瀬がファウルを取られながらも、好防を見せる。インサイドでは飯沼が当たり負けしない守り。全員でカバーする思いがあった。その後欲しいところで若林が3Pシュートを沈め、チームを盛り上げる。飯沼がリバウンドの際連続ファウルを犯すが、オフェンスリバウンドをもぎ取るとゴール下を決めた。

 気付けば32―25と徐々に引き離しにかかる。6分には若林のディフェンスリバウンドからの速攻で金丸(晃)が得点。ところが、国士大も馬の連続得点で点差は3点差に。そこから差を広げることは難しかった。金丸(英)主将がリバウンドからゴール下をねじ込む一方で、相手も一本決めてくる。明治は3Pシュートを狙うが、エース・金丸(晃)のシュートが開花しない。それでもフリースローを2本きっちり決め、同点は許さなかった。最後に金丸(晃)の3Pシュートが落ち、40―38で前半終了。

 金丸(英)主将、岩澤、川崎、金丸(晃)、田村で臨んだ第3クォーター。序盤から金丸(英)主将が2本の3Pシュートとレイアップで連続得点を挙げる。その後金丸(晃)と川崎が稼ぎ、勢いあるプレーで約5分には53―42と力の差を見せ付けた。タイムアウトを経てすぐ田村が得点。相手に1本返されるが金丸(英)主将のインサイド、川崎の3Pシュートで巻き返す。ラストは駒水が決め、10点差をつけ第3クォーター終了。

 金丸(晃)、若林、駒水、田村、岸本の来年を見据えたメンバーでスタートした最終クォーター。田村が積極的にゴールに向かい、3Pシュートを決める。また、「人生ベスト3に入るくらいシュートが入らなかった」金丸(晃)。1本の3Pシュートを収めるとエースはベンチに下がった。この3点で金丸(晃)の今リーグ総得点は500点ちょうど。「去年490点だったので今年はそれを上回ることが自分の中で目標だった。今日はシュートが決まらなかったけど、目標達成できてよかった」と、不調の中でも自己の記録を更新した。

 そして迎えた7分、金丸(英)主将、川崎、岩澤、古瀬、柴田(商4)の4年生メンバーのみで戦った。「自分が出ると思ってなかったので、びっくりした。ちょっとの間だったけど、サプライズだった」(金丸(英)主将)と楽しんだ様子。柴田のボールキープは頼もしく、6分には川崎が3Pシュートを沈める。

 3分50秒、近井(情コミ3)、池内(政経3)、秋(商2)、佐藤(卓・法2)が投入される。金丸(英)主将がディフェンスをかわし得点を決めると仲間からため息が出た。「あいつうまいわ」。ラスト1分には秋、23秒には佐藤がそれぞれ得点を収め、97―73で国士大を制した。

 この結果明治はリーグ14戦すべてを制覇、完全優勝となった。10年ぶり1部昇格を果たした後でも勝ち続ける。もはや2部に敵なし。誰もが待ち望んだ1部の明治はこれから始まる。

試合後のコメ
ント
塚本ヘッドコーチ

「ほっとしています。4年生が本当にしっかりしている。4年生に感謝の気持ちを込める。今日のゲームプランは一番いい終わり方だった。10年ぶりについては、僕らが現役だったときは1部は当たり前だった。長い間我慢してきて、今回1部に上がった。1年で落ちるのではなく1部上位に食い込めるようにする。強い明治を取り戻す。それが僕の役目だと思っています。そのためには意志をしっかりして導くこと。試合後選手たちには両親に感謝しろ、ベースに感謝しろと伝えました。本当に良いチームで、素直で。我慢してつかみ取ったものこそ自分の力。そういったことを3、2、1年生に伝えられたと思う。学生の人生は、英悟や紘史みたいに直線だったり、岡や柴田、回り道して曲線の者もいる。その面でも4年生を見習って意志を貫き通してほしい。どんな局面になってもあきらめないで自分で打開する。本当に今日は最高の終わり方ができた。もう一つ上へ、突き進む」

池田S&Cコーチ
「去年と比べて確実にレベルアップしている。前まで4クォーター後半で体力がなくなって落ちてしまうところがあったが、逆に3クォーターからもう一つギアチェンジ上げる力が付いた。チームはまとまりがよく、一体感がある。夏過ぎてから徐々にそれは増していった。夏以降、チームの目的意識は強くなった。リーグ14連勝、インカレ優勝という目標は春先から言っていたが、リーグやりながら週重ねるごとにその気持ちは強くなった。インカレまであと数週間。回復させるところは回復させて、伸びしろがあるところは伸ばして、インカレに臨む」

金丸(英)主将
「ほっとした。全員でバスケができて、後輩も経験できてよかった。自分たちの代で昇格できたことはうれしい。これまで10年間、先輩たちも苦しんできたと思うから、一緒に喜びたい。やっぱり昇格できたので達成感はあります。自分たちの代は、確かに引っ張っていけた部分もあるけど、悩みやすい部分もあった。堅い部分が練習とかであったり、試合中ミスしたら引きずったり。でもそんな中で、岡とか柴田とか、盛り上げてくれる人がいて、後輩を引っ張ってくれた。そういう存在があったから、4年生はしっかりしているって言われるのだと思う。4年がしっかりしていると思われるのはうれしいです。俺、紘史、岩澤は試合に出てるけど、その3人だけじゃできなかった。みんなの存在があったから14連勝できた。やっぱりみんなが喜んでくれてる、そういう顔を見るとうれしい。後輩をもっと試合に出してあげたかった。もっと経験して、来年はもっと上に行ってほしい。自分たちのいいところ、悪いところを見てるだろうから、全員でもっと一丸となって、1部で優勝してもらいたい。次につながってくれるのが一番うれしい」

岩澤
「3年間1部に上がれなくて、ラストチャンスだった。形として残せた14連勝。応援、ベースのメンバーに感謝したい。4年で最後のリーグだったので、仲間と楽しむようなつもりでと、塚本さんが計らってくれて、やりやすかった。これから順位決定戦でも気を緩めずにこだわり過ぎずにいきたい。これをインカレにもつなげるようにする。これまでで得たものはかけがえのない仲間。仲間がいなかったらできなかった。時には怒り合いながらやってきた。元々フォワードで、2年からガードになって、188㎝の身長で何とかやってこれました」

川崎
「14連勝できて一番よかった。インカレに向けて自信がついた。4年生だけで出たときは楽しかった。4年の中でいっしょにプレーできる機会がなかったので。4年は苦楽を共にした。つらいときも、“シュート打て”と言ってくれるから打てる。大きな支え。これからよくないところをなくして、もっともっとミスの少ないように、自分たちのバスケを確立する」

飯沼
「昨日よりアグレッシブに行けた。リーグ最終戦に対して、いい意味で目立つようなアピールをした。チーム的には夏の成果が出たと思う。4年生は優しくて、まとまりがあって、ベースも盛り上げてくれる。これから、順位決定戦はインカレに向け1部との対戦を確かめる。インカレでは悔いの残らないプレーをする」

古瀬
「周りの人たちに恵まれたので、感謝したい。塚本さんにも感謝。これまでみんなとやってきて、スタメンのみんなとプレーできてうれしかった。一つでもこのメンバーで長く試合できるようにしたい。後悔はしないように、4年間のバスケ人生を締めくくりたい」

金丸(晃)
「インカレ優勝が最大の目標なので、今回の14連勝は第一歩の目標達成。まだすべての目標を達成していないので。やっぱり来年1部でプレーできるのはうれしいですね。4年生はまじめだけど、自分がモチベーション低いときとか分かってくれて、陰でいろいろしてくれる。こんな性格なんで(笑)。自分のことすごい分かってくれて、めちゃくちゃお世話になりました。来年1部でやって、すぐ降格では申し訳ない。先輩たちより上行くようなプレーをして、頑張っていく」 

田村
「全勝優勝できてうれしいです。自分のできることをやって、リーグを戦った。4年生が主体となってチームづくりをしてくれた。自分は2年生なので”思い切りやってけよ”といつも言ってくれて、すごく心強い。そのおかげでよくできたと思います。自信持ってインカレへ臨みたい。昇格が決まってからは後半は内容に意識がいって、うまくいかず、難しくて大変でした。順位決定戦は、1部と対戦できるから、14連勝を自信にして、できるだけ上にいけたらと思う」

若林
「長かったな、と思います。リーグ通してチームが一丸となれた。インカレでも順位決定戦でも勝ちにこだわる。去年、国士とやったときは自分は応援側にいたので悔しさはそれほど体感してないけど、今年は責任持って頑張れた。来年出るメンバーはサイズが小さくで、リバウンドが弱くなると思うけど、ルーズボール追うとか、ディフェンスでカバーしていく。4年生は引っ張っていける代。4年生を見習っていきたい。勝ちにこだわっていく姿勢は、練習の態度にも出る。そういった面から、自分はとにかく勝ちにこだわります。新チームでも全力尽くして勢い乗せたい」

佐藤(卓)
「全勝優勝はうれしかった。4年生はそれぞれ優しくて、恐い人はいないですね。順位決定戦とインカレはとにかく勝ちにいきます」


「メンバー入りして初のリーグ戦を経験した。来年は3年生が主力になる。ディフェンスが細かい部分よく動けるようにしたい。これからももっと頑張っていきます」

[山浦江梨子]

◆大会個人成績◆
金丸(晃)が2冠
▼得点
①金丸晃輔(政経3)――500点
▼3ポイント
①金丸晃輔――71本
⑤川崎紘史(政経4)――42本
▼リバウンド
⑦金丸晃輔――106
⑪金丸英悟(商4)――91
⑫岩澤裕也(政経4)――85
▼アシスト
③岩澤裕也――65本
▼ブロックショット
⑤田村晋(政経2)――9本
⑨金丸英悟――6本
⑩金丸晃輔――6本
⑫駒水豪(政経3)――5本
日時 試合 対戦相手 場所 結果
◆第85回関東大学バスケットボール2部リーグ戦日程◆
(結果をクリックするとその試合の記事をご覧になれます)
9月12日(土) 13:00~ 第1試合 早大 駒沢屋内球技場 ○99―65
9月13日(日) 12:00~ 第1試合 早大 明大和泉体育館 ○110―68
9月19日(土) 13:00~ 第1試合 白鴎大 大東大東松山キャンパス体育館 ○108―96
9月20日(日) 12:00~ 第1試合 白鴎大 大東大東松山キャンパス体育館 ○93―71
9月26日(土) 14:00~ 第1試合 拓大 明大和泉体育館 ○80―76
9月27日(日) 12:00~ 第1試合 拓大 明大和泉体育館 ○107―90
10月3日(土) 13:00~ 第1試合 順大 国士大多摩キャンパス体育館 ○94―70
10月4日(日) 12:00~ 第1試合 順大 国士大多摩キャンパス体育館 ○81―67
10月10日(土) 18:00~ 第4試合 日体大 大東大東松山キャンパス体育館 ○128―94
10月11日(日) 17:00~ 第4試合 日体大 大東大東松山キャンパス体育館 ○112―89
10月17日(土) 16:20~ 第3試合 大東大 国士大多摩キャンパス体育館 ○91―74
10月18日(日) 15:20~ 第3試合 大東大 国士大多摩キャンパス体育館 ○75―58
10月24日(土) 17:20~ 第3試合 国士大 明大和泉体育館 ○91―67
10月25日(日) 15:20~ 第3試合 国士大 明大和泉体育館 ○97―73

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◆順位決定戦◆
11月10日(火) 17:20~ 対専大(1部8位) 会場/代々木第二体育館

★会場アクセス★
JR山手線「原宿」駅より徒歩5分

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