初戦から、本学の選手は持ち前の力を発揮できずにいた。６人が初戦で敗退する中、この不安な立ち上がりを断ち切ったのは肥下、神田だった。

　３回戦、両者なかなか技が出ない中、肥下は試合終了30秒前で面突きを決め、意地を見せつけた。この流れで４回戦も突破するかと思われたが、「気持ちで負けていた」（肥下）と立て続けに胴げりを受け、上位進出とはならなかった。

　神田は着々と勝ち進み、迎えた準決勝。押さえ胴ひざで１本を取るも、相手に面突きを２本取り返されてしまい敗北。試合終了直後、決勝に進めなかった神田は納得のできない表情を浮かべ、肩を落としていた。
　「（相手は中大の期待のルーキーだから）年下には負けたくない。絶対に勝つ」（神田）。気を取り直し、そう意気込み臨んだ３位決定戦。試合早々、面突きをたたき込み相手を圧倒する迫力を見せ、余裕の勝利をうかがわせた。しかし「相手の方が動きが早かった」（神田）と面突きを食らうと、続けて押さえ面突きで逆転され敗れてしまう。「１本取った後、集中しろ」（尾川主将・政経４）。１本先取しても逆転負けをする試合を見た、尾川主将からのアドバイスは神田の胸に響いていた。「次の矢野杯では１本取ってからも集中し、上位を目指す」(神田)と意欲をみなぎらせた。

　チームの主柱である尾川主将、後山（営４）も出場し、上位独占が期待される来週の矢野杯争奪戦。今大会で明るみになった課題を克服し、今日よりさらにレベルアップした彼らの活躍に注目したい。