(1)東大戦

硬式野球
1999.01.01
 今季の明治を担うのは水田(文4)、久米(農4)、白石(商4)、古川(理工4)の4年生4投手。「春は投手力のあるチームが勝つ」(川口監督)といわれる神宮において、リーグ戦経験投手が多い明治は優勝候補筆頭といえる。ここではひとつの勝利をつかみにいく4投手に密着し、1カードごとに選手を追っていく。

 春季リーグ戦が開幕し、本学は東大相手に快勝し勝ち点1を得た。1回戦では水田が先発出場。2回戦では先発・白石が5回まで投げ、その後の6・7回を古川がリリーフ、8・9回を久米が抑えた。

水田裕
 明治の初戦となる東大1回戦に先発。8回途中までノーヒットに抑え、東大相手に17奪三振と好投し、8回でマウンドを降りた。「9回まで完投したかった。けど、1年にも経験は必要」と納得。監督からの交代の指示にも従い、ルーキー・西嶋(商1)に最終回を託した。「今後の試合も最小失点に抑えられるよう、そして試合を壊さないようにしたい」。明治のエースは、リーグ優勝に向け自ら好スタートを切った。

久米勇紀
 久米は2回戦の8・9回に抑えとして出場。今季初登板とはいえ、制球の乱れが見られた。だが2回無失点と与えられた仕事はしっかりこなし「まだ2回しか投げていないので何とも言えないが、これで勢いに乗れる」(久米)。今季は希望の先発としてではなく、リリーフとして登板することが濃厚だが、「登板したら絶対に抑える」と優勝に向けてフル回転する準備は整っている。

白石守
 オープン戦終盤で調子を上げてきた白石は、東大2回戦に先発。東大・鈴木に本塁打を打たれたものの、5回を1失点とまずまずの出だしとなった。この試合で白石にフォーム改造が見られた。「球のスピードを上げるために」セットポジションからワインドアップに変えたこと、そしてスリークォーターへの移行だ。フォーム急造のためか「2度も先頭打者にフォアボールを与えるなど制球が乱だれた」と反省点も多い。次の慶應戦でも先発が予想される。

古川祐樹
 古川は2回戦の6回、6-1とリードした場面で、好投した白石の後を受けマウンドへ。「やっと投げられると思うとワクワクした」。左腕から繰り出される直球、変化球ともにキレは抜群で、球速は自己最速の144km/hを記録。東大打線に一本のヒットも許さない。「点差もあり、楽しく投げることができた」。今季に復活を掛ける中継ぎエースは、2回を無安打4奪三振の快投で今年の神宮初登板を終えた。