(5)自慢のバットで打倒・斎藤佑樹 矢島賢人

硬式野球
1999.01.01
(5)自慢のバットで打倒・斎藤佑樹 矢島賢人
 群馬県の名門・桐生一高から明治へと進学した矢島(商1)は50mを6秒2で走り、遠投110mという俊足強肩の外野手。打撃のほうでも高校時代は主にクリーンアップの一角を担い、3年夏の群馬県大会では3割を超える打率をマークし、本塁打も記録している。さらに決勝戦では延長13回にサヨナラヒットを放つなど随所で勝負強い打撃を見せてきた。走攻守三拍子揃っているが、矢島はなかでもこの打撃を「自分のアピールポイント」と語る。
 しかし、大学ではその打撃力をまだ出し切れずにいる。「金属バットから木製バットに変わったことにまだ慣れていない」からだ。それでもリーグ戦後に行われた新人戦では安打を放ち、その非凡な打撃センスを見せるとともに、木製バットにも徐々に対応しつつある。本人も「早く木製バットに慣れて秋はベンチ入りしたい」と課題の克服へ向けて、日々試行錯誤を繰り返している。
 取材中は「こういうのは苦手なんです」と照れくさそうにしていた矢島。だが今後の目標を尋ねると力強く宣言した。「斎藤佑樹(早稲田)からホームランを打ちたい。同じ群馬県出身として負けるわけにはいかない」。本来の打撃力を発揮できるようになれば、打倒・斎藤佑樹は高い壁ではなくなる。矢島が神宮の空にアーチを描く日もそう遠くはないだろう。

◆ 矢島賢人 やじまけんと 商1 桐生一高出177cm・81kg 右/右 外野手
 「野球だけではダメ」と学校の授業にもしっかり出席するなど文武両道を目指す。神宮では彼のバットに注目だ。