（４）目指す再戦、雪辱の誓いを胸に　池永周平

一年前の夏、神宮球場で立ち尽くし、うなだれるキャッチャーの姿があった。全国高校野球選手権西東京大会、決勝戦。甲子園出場を懸け、早稲田実高と日大三高が激闘を繰り広げた。「あの試合のビデオはまだ見られない。見たくない」と語る池永（営１）は一年たった今なお、悔しさをにじませる。延長の末、結果は早稲田実高のサヨナラ勝ち。主将として日大三高を率いていた池永の、甲子園出場の夢は絶たれた。「早稲田に勝って、優勝する」。明治に進学し、戦いの場を大学野球に移した今も、早稲田に対するライバル心を強く抱いている。

　悔しさをばねに取り組む練習は主に体力づくり。春のキャンプにも参加した池永だが、「スピードについていけなかった」と大学野球の厳しさを語る。チームを率いていた主将という立場から再び一年生へ、初めはそのギャップにも苦しんだという。今はその環境にも慣れ、一番の目標である「力をつける」ため、トレーニングに励んでいる。ひじを痛めて新人戦には出場できなかったが、同じキャッチャーである先輩にアドバイスをもらい、順調に回復。完治させ万全な状態で練習に臨む事も当面の目標だ。

　捕手というポジションについて、「キャッチャーがしっかりしているチームは強いといわれる。その分プレッシャーはあるけど、ピッチャーの力をうまく出して三振をとった時はうれしい」と語る池永。守備の要として、チームの力を引き出して勝利に導こうという闘志がうかがえる。宿敵早稲田を倒すため、雪辱に燃える彼が再び神宮でミットを構える日に、期待が掛かる。

◆池永周平　いけながしゅうへい　営１　日大三高出　176㎝・78㎏　右／右　捕手
　礼儀正しく、元主将らしい落ち着きと真面目さを持つ。熱心に体力づくりに励んでいて、今後の成長、活躍が大いに期待される。