(10)古澤純哉

体操
 いつでも明るく、ムードメーカー的存在だった一人の本学体操部の選手が4年間の戦いを終えようとしている。古澤純哉(商4)だ。古澤は高校時代、ハンドボール部に所属していたという異色の経歴の持ち主。自身の最終戦を迎えるにあたって、一般入部ながら主務というチームを支える役職にまで就いた彼の思いに迫る。


体操部に入部

 「(体操部に)入部して良かった」と笑顔で現在の心境を語る古澤。だが大学入学当初は、3年後体操部の4年生としてこんな気持ちになっているとは想像もしていなかったことだろう。

 古澤は、大学に入学してからしばらくは部活などをせず友人らと遊び、大学生ライフを満喫していた。しかし1年生の秋、そんな生活に虚無感を覚え「何か残さないともったいない」と部活に打ち込むことを決意。高校時代はハンドボール部に所属していたが、「小さいころ通っていた体操教室の楽しい記憶があった」と体操部に入部を決めた。

 入部したてのころは、久しぶりの体操に楽しさを感じると同時に、演技への恐さも感じていた。また「ハンドボールは1週間やらなくても衰えなかったけど、体操は違う。そういう意味でシビアだと思った」。このようなさまざまな気持ちを抱きながら、古澤の4年間の競技人生が始まったのである。

試合初出場、そして主務へ

 入部後古澤は、2年時の明立定期戦で初めての試合出場を果たす。演技が、観客の注目を浴びながら静かな中で行われる体操独特の雰囲気に「楽しかったし、めちゃくちゃ緊張した」。その後もインカレに出場するなど、古澤は着実に力を伸ばしていく。また実力だけではなく、「チームの雰囲気を盛り上げてくれる」(織田主将・文2)と周囲も慕う人柄を持っていた古澤は、3年の後期に主務となった。

 主務には「縁の下の力持ちとして、チームを動かす役割になりたかった」と、大きなやる気を持ち自薦によって就任する。だが「最初は大変だった」。主務という立場上、自宅での仕事が多く、その大変さを皆が理解してくれない。また『仕事やっているの?』と厳しい言葉をかけられることもあった。しかし仕事に慣れるに連れ「自分が部を動かしているということが実感できるようになり、楽しくなってきた」。徐々に感じられるようになってきた主務としての実感が、古澤の残り1年を支えてきたのだった。

そして迎える最終戦

 今後体操はやらないという古澤の最終戦は、11月23日のしもつき杯だ。大会前の練習では「終わっちゃうって感じ。部活をやる毎日だったから……」と、いつもは陽気な古澤もうつむきかげんに語り、部活が終わることに対する解放感と寂しさを感じていた。だがそんな中でも「特に不安は感じてないけど、とにかく来年は2部優勝で1部に上がってほしい」と、この先1・2年生だけになる体操部を気にかける姿もあった。

 「一生で部活をやるのも最後。悔いの残らないように、一生分の体操をやれるよう頑張りたい」。これまではチームを支えてきた古澤が、チームの中心となり強い決意を胸についに最終戦を迎える。

◆古澤純哉 ふるさわじゅんや 商4 竜ヶ崎一高出 169cm・58kg






大会案内

11・23(日) 第25回十六大学対抗体操競技交歓大会しもつき杯(首都大学東京南大沢校舎)
体操部門・女子
11:15~13:45
体操部門・男子
14:00~16:15

アクセス:京王相模原線南大沢駅下車徒歩10分



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