(2)凛々しい女子エース――木村如志/2008主力上級生特集

射撃
1999.01.01
 関東インカレ春秋連覇を成し遂げた本学射撃部女子。連覇の原動力は、当然とも言うべきか、木村如志の存在であろう。大学生最後の大会である全日本学生選手権を前に、彼女の魅力にせまった。

 「高校入学してから、何か変わったことがやってみたかった」。その何気ない考えが、木村(如)を射撃の世界に足を踏み入れさせるきっかけとなった。興味本位で始めた射撃でメキメキと実力を発揮し、高校時代の大会で優秀な成績を収めると、本学にスポーツ推薦で入学した。「正直大学はどこでもよかったのですけど…」。少し笑いながら木村(如)はそう答えたが、下級生の時から大会で安定した成績を収め、今では清水(営4)と並ぶ女子の2大エースとなり各大会で上位に名を連ねる。

 しかし、射撃というスポーツは、得てして練習した結果がそのまま成績に反映されにくいスポーツだ。どれだけ撃つ瞬間に集中力を高められるか、メンタル面も非常に左右されるスポーツである。木村(如)にもそのことは例外ではない。「練習を何度も重ねても結果が出ないことが続いたりしたときもあって、そのときは本当に辛かった」。それでも木村(如)は努力することを決してやめなかった。その結果、冒頭でも述べたように、関東インカレ春秋連覇の原動力となったのだ。

 木村(如)は後輩たちに次のような言葉を伝えている。「必ずどこかで壁にぶつかるときが来る。その時こそ自分を信じて努力を重ねれば、絶対その努力は結果として実るはず」。きっと自分が壁にぶつかったとき、そう言い聞かせていたのだろう。端麗な容姿とは裏腹にそう語る彼女は凛々しく、かっこよく見えた。

◆木村(如)の平成20年度平均成績◆
AR(S‐40)
=エア・ライフル立射40発
404.4
SBR(3P‐60)
=小口径火薬銃3姿勢60発
555.2
SBR(P‐60)
=小口径火薬銃伏射60発
564.0
※関東学生春季選手権・第38回東日本選手権・第4回日本学生選抜選手権・関東学生秋季選手権・第63回国民体育大会・第55回全日本学生選手権での成績の平均

 取材の最後に今回の大会の目標を聞かせてもらった。「最後の大会なので良い結果を出したいという気持ちはもちろんある。けれど、それ以上に楽しんで射撃をプレーしたい」。

 4年間の有終の美を飾るべく、今日も木村(如)はライフルを構える。

◆木村如志 きむらよし 商4 栄北高出 154cm

>> 次回予告

 次回は、木村(如)とともに明治を女子春秋連覇に導いた、清水つぶら(営4)を紹介します。

【2008主力上級生特集】
第1回 – (1)次代を担う――大城弥生/2008主力上級生特集(2008/11/01)