女子連覇!夏の努力、成果はっきり/関東学生秋季選手権

射撃
 例年以上の意識の高さを維持し続ける明治は、選手層の厚さを見せつけ、女子は春に引き続き総合優勝を果たした。男子は総合3位に留まったものの、多くの種目で成績が上昇。男女とも夏の練習の成果が表れた。

練習環境の悪さを補った努力

 多くの大学が自前の50m射撃場を持つという状況下で、設備の充実が再三求められてきたにもかかわらず、いまだAR(エア・ライフル)用の10m射撃場のみしかない本学。SBR(スモール・ボア・ライフル=小口径火薬銃)の練習のため、往復5時間近くかかる長瀞射撃場へ週数度通ってきた。それでも自前のSBR射撃場を持つ大学には練習量ではかなわないため、「練習方法で差を埋めてみせる」(勝岡主将)べく工夫を重ねてきたという。

 合宿の回数は例年よりも増え、またレギュラー外の部員も積極的に練習に参加させるようになった。先月4日~9日にかけて行われた夏合宿では、次代を担う大城ら3年生のもと、記録会に初めて模擬戦形式を導入。部を3班に分け本番さながらに争うことで、モチベーションのさらなる向上を図った。

層の厚さと高い意識

 こうした取り組みの結果、部員の意識は春以上に高まり、力も全体的に伸びた。「今は誰がレギュラーになっても大丈夫」という三木監督の言葉通り、全員が平均的に高得点をたたき出しており、この層の厚さが女子の総合優勝に結び付いた。一方春よりも得点を伸ばしながらも総合3位に留まった男子だが、毛塚コーチは「何十点も伸ばさなくてもいい。一人一人があと3、4点伸ばすだけで優勝できるところまできている」と選手を鼓舞した。

 ここ数年で最も好調の本学だが、選手に慢心は見られない。大城はAR・SBRとも好成績だったものの「ここまでは練習がSBRに偏っていた。ARとSBRをバランスよく練習して自己新記録を目指していきたい」と新たな課題を掲げる。また中尾は1年生にしてAR個人6位入賞という活躍を見せながらも「精神面の弱さが出たと思う。緊張感を持った練習をしていきたい」と満足しきれない表情で語った。

 「レギュラー選手は次の大会でもレギュラーに入れるよう努力し、レギュラーから外れた選手は次こそ入れるように努力している」(三木監督)というモチベーションの好循環にある明治の勢いは、悲願の全日本制覇まで加速し続けるだろう。

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