王者に返り咲く 最強の野村メイジ、ここに大成/第68回全日本学生選手権

拳法 2023.11.30

 全日本学生選手権(以下、府立)連覇の夢途絶え、1年。明大の拳士たちが悲願の王座奪還を果たした。野村龍星主将(文4=関西福祉科学大)率いるチームで最後となる今大会。選手たちがそれぞれ力を出し切り見事王座奪還を果たした。昨年度の悔しさや反省を糧に見事返り咲き、有終の美を飾った。

 

◆11・26 第68回全日本学生選手権(エディオンアリーナ大阪)

〈男子〉

▼明大――1位

・1回戦

〇明大6-1大阪公立大(杉本)

〇井上2-0成尾

〇大谷2-0千賀

長倉0-2〇安

〇山田2-1薮田

〇土屋2-0樋口

〇野村2-0中尾

〇森川2-0織田

・2回戦

〇明大7-0龍谷大

〇土屋(不戦勝)

〇越智(不戦勝)

〇山田1-0宮澤

〇井上2-0前田

〇森川2-0西

〇大川1-0藤原

〇野村1-0小倉

・準々決勝戦

〇明大7-0慶大

〇山田2-0橘内

〇大谷2-0千葉

〇土屋2-0和手

〇井上2-0近藤

〇越智2-0岸

〇森川2-0永井

〇野村2-1北村

・準決勝戦

〇明大5-0中大

〇大川2-1松本

〇野村2-0浦窪

井上0-0倉田

〇山田2-0末兼

越智1-1竹原

〇大谷2-1田中

〇土屋2-0海堀

・決勝戦

明大6-0関大

〇井上2-0八木

大川0-0内畑谷

〇山田2-1籠谷

〇越智2-0寄川

土屋0-2後藤〇

〇森川1-0長谷川

〇野村2-0川内

 

〈女子〉

▼明大中大混成――1回戦敗退

・1回戦

明大中大混成―関学大〇

(不戦敗)石川〇

木谷0-2箕野〇

市川0-0藤上

 

 初戦から圧巻の試合展開だった。全国から猛者が集う府立で、順調に勝利を重ねる明大。そして迎えた準決勝。相手は昨年度の府立王者である中大となった。「東日本(大学選手権)の時も接戦」(野村)だった相手との一戦。先鋒の大川翔(法4=藤嶺学園藤沢)と次鋒の野村が勝ち、流れに乗る。そして続いた五将の井上晴陽(法3=三井)は、ここでの一戦を、苦戦した試合だと語った。「贅沢を言えば倉田(要・中大)に勝ちたかった」(井上)という気持ちから、互いに技を多く繰り出す激しい試合展開に。しかし「周りから『冷静に、冷静に』と聞こえた」(井上)ことで、冷静さを取り戻した井上。結果は0-0と引き分けになったものの、「最悪引き分けても他の人が勝ってくれる」(井上)とチームメイトを信じて後に託した。その期待通り、中堅の山田健斗(文2=桜丘)が1分足らずで2本を先取し勝利を収める。三将の越智通友(営3=明大中野)は、自身の得意な組の形へ持っていき一本を先取したが、残り時間1分を切ったところで相手に一本を取られ引き分けに。続く大谷琉生(法1=大商大堺)、土屋賢生(法2=関西福祉科学大)も見事試合を制し、王座奪還の舞台へと駒を進めた。

 

 昨年度は立つことが叶わなかった決勝戦の舞台。相手に関大を迎えた一戦で先鋒を任されたのは井上だった。「僕から始めないととスイッチを入れていたので、しっかり勝ってチームにいい勢いを与えられたらいいなと思って1回戦に挑めた」(井上)。堅実な攻めで相手ににじり寄ると、下からの素早い面突きで2本を先取。決勝戦で白星スタートを切ると、山田、越智もそれぞれ2-1,2-0で勝利を重ね、優勝まであと1勝する。しかし、その状況が緊張を招いたのか五将の土屋がまさかの黒星。「もうちょっと落ち着いて、試合に挑めていたら絶対勝っていたのに、もったいないミスで試合に勝てなかった」(土屋)。だが、昨年度の悔し涙の糧がここで生きる。「(試合の流れは)負けた人じゃなくて、その次のタスキを受け継いだ人が作る」(関根監督)。タスキを受け継いだのは森川。準々決勝の際に、足に9針も縫う大ケガをしたものの、本人たっての希望で決勝戦に出場。相手とのにらみ合いの最中、試合が動いたのは残り時間30秒。徐々に技を仕掛けつつ攻めの姿勢を作り、相手のスキを逃さずに抑えの形に持ち込む。そして胴突きで一本を決め見事、勝利を飾った。そして、最後の野村の大将戦。誰よりも長い礼の後に入場し、一秒一秒をかみしめる様子を見せる。試合開始から、この日一番の熱気が会場を包んだ。序盤から果敢な攻めの姿勢を崩さず開始20秒、正面への突き蹴りで一本を先取。このことが相手にも火をつけ、試合はさらにヒートアップ。チームメイトの声も飛び交い熱が増していく中、野村が徐々にコート端に追い詰められる。しかし、詰め寄られ距離が縮まったところを見事な面突きで一本。最後を飾るにふさわしい試合を見せ、見事、王者に輝いた。

 

 「チームの団結力、チーム力というのは他のどのチームよりもあったし、府立にかける思いっていうのも他のチームとは比べ物にならないものが一人一人にあった」(野村)。選手一人一人が府立優勝を見据えて走ってきた1年間。野村のケガにより、主将不在での試合もあったものの、最後に〝最強の野村メイジ〟を示して幕を閉じた。そして、井上が新主将となり新たに明大をけん引していく。「来年度は今年よりも強くなるんじゃないかという風に思う。歴代最強の明治にできるんじゃないか」(野村)と、早くも府立の連覇に期待がかかる。来年度の明大が勝ち進む姿から目が離せない。

 

[中川美怜]

 

試合後のコメントはこちら


関連記事 RELATED ENTRIES