3時間半の熱戦制す! 鈴木渚が決勝の舞台へ/関東学生選手権6日目

硬式庭球 2023.11.19

 関東学生選手権(以下、夏関)6日目に登場した鈴木渚左主将(国際3=野田学園)。監督陣や女子部のメンバーに見守られながら準決勝の舞台で躍動した。第1セットは落とすも、第2、3セットは前に出るプレーで得点を重ね、大学公式戦自身初の決勝進出を決めた。

 

◆11・13~20 関東学生選手権(大宮けんぽグラウンド他)

▼11・19

[女子シングルス準決勝]

○鈴木 2{4―6、7―5、6―3}1 齋藤(早大)

 

【女子シングルス準決勝:鈴木VS齋藤優寧(早大)】

 明大対決から一夜、コートを大宮から立川の日大コートへ移して行われた夏関準決勝は序盤から激しいラリーが続く。ゲームカウント1―2で迎えた第4ゲームは互いに磨き抜かれたコントロールを武器に点を取り合う展開も「どんどん攻撃されて、あと少しのところで取り切れなかった」。2度のジュースをモノにできずブレークを許す。しかしそこからクロスへの鋭いショットなどでポイントを重ね3ゲーム連取し逆転に成功。流れは鈴木に傾いたかと思われたが、全国屈指である関東地区の相手は一筋縄ではいかない。ゲームカウント4―3とリードしていたが、第8ゲームに再びブレークを許すと今度は相手のサーブに対応できず。今度は相手に3ゲーム連取され、第1セットを4―6で落とした。

 

 第2セットは「ポジションを下げないように、前で打つと決めていた」。その言葉通り積極的に足を動かし前へ出るスタイルに切り替えることで、相手の強打にも打ち負けず対応。さらに正確なクロスへのフォアハンドで5度のジュースを制し、第1ゲームからブレークに成功した。その後も安定したサーブやバックストレートで得点を重ね、ゲームカウント5―2まで持っていく。このセットは圧倒したかに思われたが「夏はリードしていても追い付かれることが多かった」とあと1ゲームを決め切ることができず5―5まで追い上げられてしまう。その後互いにゲームを奪い合いタイブレークに突入。しかしここから「切り替えができた」。強烈なサーブから破竹の勢いで7ポイント連取し7―5でこのセットを奪った。

 

 お互いに絶対に落とせない最終セット。気温が上がる中、試合時間はこの時点で既に2時間を超え、体力的にもつらい状況に。それでも今年度多くの試合を乗り越えてきた鈴木は一味違う。強烈なサーブと左右へのストロークで1点も取らせることなく第1ゲームを先取。2―1で迎えた第4ゲームは「スピンとスライスをうまく使って」相手の体勢を崩すと、逃さずスマッシュを決めブレークを果たした。その後も得意の「少しでも甘く入ったら前へ」のプレースタイルでミスを誘い、ゲームカウント5―1と差を広げる。試合は決まったと思われたが、ここから相手の粘りで決め切ることができない。カウント5―3まで追い上げられるも「自分もくじけることなくもっと頑張ろう」とさらにギアを上げた鈴木。第9ゲームも速いラリー戦が続く中、冷静さを失うことはなかった。わずかなチャンスを見極め、見事なクロスで得点を奪う。最後は疲れ知らずの鋭いサーブで相手にボールを返させず試合終了。3時間半の熱戦を制し、大学公式戦自身初の決勝へ駒を進めた。

 

 試合後、緊張がほどけたように笑顔を見せた鈴木。決勝に向けては「自分のやってきたことを信じて戦うだけ」と力強く語った。鈴木、そして今年度で創部20周年を迎える女子部初の優勝なるか。女子部の悲願は新主将に託された。

 

[高橋佳菜]

 

試合後のコメント

鈴木

――第3セットは相手の追い上げがありましたが、どのように対応しましたか。

 「相手の調子も良くなっていたので2ゲームは取られてしまいましたが、5―3の時に自分も引かないで気持ち強くいくことができたのでそれは良かったです。その先に展開することを意識してやっていました」

 

――終盤、相手が強打で攻めてくる中で冷静に見えましたが、いかがでしたか。

 「相手も最後まで諦めないよなと思ってて、ずっとやってきた相手で強さも知っていたので、そこは自分もくじけることなく逆にもっと頑張ろうというつもりでやっていました」


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