冬めく横浜スタジアム 早大に3年ぶり雪辱果たす/秋季リーグ戦

アメリカンフットボール 2023.11.13

 明大は第2Q、K#4近藤倫(農3=桐光学園)のFGで先制点を挙げるも、早大の反撃にあい一時逆転を許す。しかしパスやランプレーを要所で成功させ、安定した試合運びを見せた。リードを得た後半はパントブロックやインターセプトなどで早大を圧倒。好機を逃さずTDでダメ押しの追加点を手にすると、そのまま主導権を渡さずに快勝した。

 

◆9・2~11・26 秋季リーグ戦(アミノバイタルフィールド他)

▼11・12 対早大戦(横浜スタジアム)

〇明大16{0―0、6―7、10―0、0―0}7早大


 得点が動いたのは第2Q、敵陣47yd地点からの攻撃。QB#15新楽圭冬(商2=都立戸山)がランパス織り交ぜた冷静なゲームメイクでファーストダウンを着実に更新し敵陣に侵入すると、開始3分、K#4近藤倫(農3=桐光学園)が39ydのFGを決め先制した。しかし、直後の早大の攻撃。エースRB花宮にインサイドを突破されると、そのままサイドライン際を駆け上がられ、54ydのTDラン。3-7と逆転を許す。「『相手がこう動いたらこう動く』というのが何個も決まっていて、その中でもやはり走られてしまった」(LB#6深尾徹・政経3=啓明学院)。3点のリードもつかの間、これで今度は4点ビハインドと試合を追いかける展開となった。

 それでも「相手がTE#89金子航大(政経2=千葉日大一)を空けるディフェンスをしてきたので、狙っていこうという考えがあった」(新楽)とTE金子へのパスを要所で通して前進すると、今度は「『自分で走ってヤードを獲得する』という自分の持ち味を見せられた」(新楽)とスクランブルで13ydのゲイン。敵陣深くに侵入し前半終了間際に絶好機を迎える。しかし、ここは早大守備に阻まれFGの3点にとどまった。

 

(写真:安定感のあるゲームメイクを見せたQB新楽)

 

 6-7と僅差で第3Qを迎えた明大は前半同様、安定したドライブでFG圏内の敵陣19ydに突入。開始6分と確実な追加点が欲しい場面で、またしてもK近藤が堅調に決め、9-7と試合を覆した。

 このまま逃げ切りたい明大は、今季好調の守備で早大を圧倒する。敵陣50ydでDL#90森洸介(法3=佼成学園)が意地のQBサックを見せると、攻めあぐねた早大はフォースダウンでパントキックを選択するが、DL#33櫛谷彰吾(文4=鎌倉学園)が球をはじき落とす。拾ったLB#40松田光裕(営3=明大中野)がフィールド左を疾走し、敵陣3yd地点まで快足を飛ばした。今試合、なかなか攻撃をTDにつなげられなかった明大にとっての絶好機。3回の攻防の末、第3Q11分。フォースダウンギャンブルでTE#87佐藤壮真(文2=神奈川県立鎌倉)が押し込み16-7とした。

 試合終盤、早大に立て続けにミドルパスを通され猛攻も受けるも、LB深尾らのインターセプトで完全にシャットアウト。早大に流れを渡さず試合を締めくくった。

 

(写真:インターセプトで勝負を決定づけたLB深尾)

 

 最終節には中大戦が控える。この試合に勝てば昨季に続きリーグ3位が決定する。中大には昨季快勝を飾っているものの、両チーム新体制となっているだけにどのような試合展開になるか今から楽しみだ。

 

[松下日軌]

 

試合後のコメント

新楽

――敵陣深くに侵入してから、攻めあぐねているように見えました。

    「敵陣に入ると、相手がパスを警戒してディフェンスラインをかなり前に寄せてきていました。オフェンスラインがそのラッシュを止められず、うまくパスを通すことができませんでした。ですが、そのラッシュから自分で逃げてパスを決めるということが全くできないわけではなかったので。そこは今回みつけた課題かなと思います」
 

――ゲームの組み立て方、攻撃の組み方に関しては何かございますか。

    「そうですね。前回は結構ロングパスを狙っていたんですけど、今回は本当に『基本に忠実に』ですかね。内側を使ったランプレーを出したり、ショートパスを出したりして少しずつでもヤードを稼ぎ、しっかりと『長いドライブを続けること』が今回の目標だったので、その部分に関しては試合を通してできていたんじゃないかなと思っています」

 

深尾

――勝負を決めたインターセプト。真正面でのキャッチでした。

    「そうですね、狙っていました。(なかなか攻められず)結構しんどい場面で、やはりQBの目線とか色々見て、『投げてきそうだな』というところを狙っていました」

 

――早大の特徴的な攻撃に対して、準備などはありましたか。

    「やっぱり早大にはいいRBが2人いるので。ゴリゴリとランプレーで押してくることを予想して、その中でパスは要所で狙ってシャットアウトしていこうという風に考えていました」

 

――秋季リーグ戦では早大に3年ぶりの勝利でした。

    「やっぱり僕が入った時から全然勝っていなかったので、この1勝というのは大きいなという風に思っています。来年にも残せるチームの雰囲気であったり、勝ち方であったりは、これからも継続してやっていきたいと思います」


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