
中村がハットトリック! 流経大に5一2で快勝/関東大学1部リーグ戦
巻き返しを期した。アウェーの中、観客数が1000人を超えた今試合。開始早々相手の攻撃を受け失点するも、その後は5得点を奪う快勝ぶりで、紫紺の底力を見せた試合となった。
試合はいきなり動く。立ち上がりは相手の猛攻を受けなかなか攻撃のリズムをつくれなかった明大。4分、相手のミドルシュートで先制を許してしまう。しかしここで太田が魅せた。13分、太田は相手DFを1人で切り抜けると、ゴール左端にボールを押し込むシュートを放つ。このゴールで同点に追い付き、流れは明大のものとなった。
(写真:同点弾を決めた太田)
怒涛のゴールラッシュとなった後半。53分、中村がドリブルで突破し右足を振り抜いた。強烈なシュートはゴールに吸い込まれ逆転に成功する。72分には、インディペンデンスリーグ(以下、Iリーグ)から共に戦ってきたという田部からのパスに三品が反応。ダイレクトシュートを放ち追加点を決めた。「セカンドチームは宝。セカンドで積み上げたものはきちんと結果に出てくる」(栗田大輔監督)。この言葉通り、昨季のIリーグや先日の新人戦で活躍を見せ、今回トップチーム初スタメンとなった三品が初ゴールを挙げた。
(写真:トップチーム初スタメンとなった三品)
試合終盤でもエース・中村の勢いは止まらなかった。81分、PKを獲得すると冷静に流し込み点差を広げる。立て続けに86分、スルーパスを受け取るとゴール前を独走。GKと1対1の戦いを制し、ハットトリックを達成した。現在リーグ戦の得点ランキングで首位を争っている中村と太田を筆頭に、今試合ではシュート数15本を超えるなど攻撃陣の活躍が目立った一戦となった。
(写真:ハットトリックで勝利に貢献した中村)
前節の試合結果で筑波大の優勝が確定し、モチベーションの維持が難しい中大量得点で勝ち取った今回の戦い。この勝利によって明大はインカレ出場を確実なモノとした。残す2試合は「明治のために全てを尽くす」(三品)。紫紺の勇者が見せてくれる熱い戦いに、最後まで目が離せない。
[下元天花]
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