
敵地で国士大に無念の敗北/関東大学1部リーグ戦
今年度も〝リーグ王者の座〟をつかみ取りたい明大にとって、絶対に負けられない一戦は無失点で前半を終える。後半に入り、国士大に先制を許すとそのままPKを献上してしまう。89分には得点するも直後に追加点を許す。その後PKをモノにしたがあと一歩及ばず連勝は5でストップした。
現在5連勝中と好調の中迎えた今節は、敵地で国士大との一戦となった。「立ち上がりを意識して入ろうと言っていたが、相手にのみ込まれた」(多久島)。序盤からPA(ペナルティエリア)に攻め込まれる回数が多く、国士大が試合の主導権を握る。それでも26分、田中克のロングパスに反応した内田がゴールを割るが、オフサイドで惜しくも得点にならず。「決定力が問題だった」(松尾)。その後も太田や中村が立て続けに決定機をつくるが、国士大の守備ラインを突破することができずに、無得点で前半を折り返した。
(写真:6試合連続ゴールを決めた太田)
運命の後半。試合が動いたのは62分、カウンターから切り込んだ国士大を井上が阻むもパスを通してしまい、カバーしようとした多久島もわずかにボールに届かず。上林も1対1を制することができずに、先制を許した。87分にはPKを献上し失点。それでも直後の89分、ゴール前のこぼれ球を途中出場の藤森が冷静に流し込む。「チームとして後がない状況で、ゴールにどん欲にいって、あのゴールが生まれたことは良かった」(多久島)。しかし試合の流れは変わらない。多久島のヘディングパスが乱れたところに守備陣が追い付かず、追加点を与える。95分、獲得したPKをモノにして追い上げを図るが一歩届かず。2―3で試合終了のホイッスルが鳴った。
(写真:パスを供給する中村)
「明治のサッカーができていなかったところに大きな問題がある」(栗田大輔監督)。多くの課題が浮き彫りとなる試合展開だった。「リスク管理とボールの奪われ方が悪かった。守備陣の責任で申し訳ない」(多久島)。残すは3戦となり、優勝を果たすためには一戦の負けも許されない。「(首位の筑波大の試合結果次第では2位でも)優勝の可能性は残されていると思うので、勝ち続けることにこだわってやっていく」(松尾)。ひたすら勝利に向かって走り続ける紫紺の戦士たちから、今後も目が離せない。
[田上愛子]
関連記事 RELATED ENTRIES
-
2大会連続優勝! 早大に3一0で有終の美を飾る/関東大学リーグ新人戦
サッカー 2023.11.245月から始まった今大会が閉幕した。決勝トーナメントを順調に勝ち進み、いよいよ迎えた決勝の相手は早大。三品のミドルシュートで先制し前半を折り返すと、勢いに乗った後半は林、坂上がゴール。3一0という結果で2大会連続優勝を果たした。 「素晴らしい、スーパーゴールだった」(栗田大輔監督)。監督をもうならせるゴールを決めたのは、5日の関東大学1部リーグ流経大戦でトップチーム初スタメン&初ゴールを果たした三品。序盤は相手のリズムに合わせるプレーで、なかなか自分たちのサッカーができなかった明大。しかし、三品が流れを変えた。33分、左サイドからのボールを中央にいた三品が突き刺すようなシュートを放ち、ネットを揺らす。「思い切りの良さが出た」(三品)。この強烈なゴールでつかんだペースをそのまま揺るがすことなく、1-0で前半を折り返した。(写真:最近の活躍が光る三品) 後半からは完全に明大のペースに。67分にはカウンターから林が冷静に右足を振り追加点を挙げる。直後の70分にも、カウンターから上がってきたボールで相手のミスを誘う。「奪ってからシュートというのを常にイメージしていた」という坂上がダメ押しの3点目。ゲームキャプテンを務めた藤井は「ディフェンスラインがしっかり体を張っていた。シュートを打たさないというところは今日は特に良くできた」。無失点で相手を完封し、有終の美を飾った。(写真:3点目を決めた坂上) 今大会では一度も負け無しで優勝をつかみ取った若き明大イレブン。栗田大輔監督も「将来非常にいいチームになるのではないかと、期待を持たせてくれるチーム」と太鼓判を押す。次なる舞台は、来月行われる全日本大学新人戦。昨年度は準優勝に終わった悔しい舞台で、屈辱を晴らして欲しい。 [下元天花]試合後のコメントはこちら READ MORE -
今季リーグ王者・筑波大に0ー1 リーグ戦3位で閉幕/関東大学1部リーグ戦
サッカー 2023.11.20最終節は、すでに今季の関東大学1部リーグ戦優勝を決めた筑波大との大一番。2626人が、大学サッカーの聖地・西が丘でその勝敗を見守った。前半を0ー0で折り返すも、後半53分に失点。そのまま試合終了となり、明大は勝ち点38の3位で今季リーグ戦を終えた。 優勝が確定している筑波大に「絶対に勝ちたい」(太田)と意気込んで臨んだ最終節。前期は、今季のベストイレブンを受賞した角昂志郎(筑波大)と同賞を受賞した太田がP Kを沈め、1―1と互角の戦いを繰り広げた。総得点数51点でリーグ最多を誇る明大と、失点数20点でリーグ最少の筑波大。命運を分けたのは〝攻撃の質〟であった。(写真:主将としてチームをけん引した井上) 筑波大の「鉄壁の守備」を前にしながら立ち上がりからボールを持ったのは明大。12分に林の果敢の攻めが功を奏しFKを獲得する。田中克のクロスに反応した太田が右足を振るも得点には至らず。今季リーグ戦14得点を挙げ、得点ランキング2位につけた実力者に対するマークはひときわ厚かった。その後も林と太田が立て続けに決定機をつくるも、筑波大の守備ラインを突破できず、0―0で前半を折り返す。 (写真:毎試合、応援に駆けつけた選手たち) 試合が動いたのは50分。ゴール前の混戦から、P Kを献上してしまう。守護神・上林がコースをよむも、わずかに届かずこれを決められた。この失点をきっかけに試合は筑波大ペースに。そこで、セカンドチームで培った実力をかわれた三品を含む5選手が新たに投入される。その後も果敢にチャンスを伺うが「最終的にクロスをあげて、中にボールが入ってきてほしかったが、そこを弾かれて自分たちの実力のなさを感じた」(中村)と、明大が得意の武器を封じられる。16得点を挙げた今季得点王への徹底マークは、チームの痛手となった。「後半、前線の選手の質が足りなかったところが勝ちきれなかった原因だと思う」(岡)。0―1で試合終了となり、3位でリーグ戦を終えた。 (写真:得点王とアシスト王の同時受賞を果たした中村) 今季の明大は決して順風満帆ではなかった。開幕直後、規約違反による勝ち点はく奪で最下位に。7月には副主将・佐藤恵允(文4=実践学園)をブレーメン電撃加入で欠いた。それでもチームが倒れることなく3位まで浮上したのは紛れもなく、選手たちの努力の賜物だろう。今季明大からは岡、太田、中村がベストイレブン賞を獲得。特に2005年以降初の、得点王とアシスト王の同時受賞を果たした新エース・中村と、2点差で得点ランク2位につけた太田の活躍なくしては今季のリーグ戦は語れない。さらに、三品や松尾を筆頭にセカンドチームでトップレベルの実力をつけた選手もチームを支える存在に。「どんな局面でも実直に、ひたむきに、明治のサッカーをやり続ける」(栗田大輔監督)。今季リーグの支えとなったこの言葉を胸に、紫紺の戦士たちは14年連続出場を決めた全日本大学選手権(インカレ)に駒を進める。 [田上愛子]試合後のコメントはこちら READ MORE -
常盤の同点弾 八幡山最終戦をドローで終える/関東大学1部リーグ戦
サッカー 2023.11.12今季の八幡山での最終節は中大と対戦。明大は立ち上がりに苦しみ、前半に失点を許してしまう。後半はセットプレーでチャンスをつくり出し、78分に常盤がこぼれ球を押し込み同点に。追加点を狙うも決定打を放てず同点で試合終了となった。 「勝ち点3を取れたゲームだった」(栗田大輔監督)。明大がボールを支配するも、中大の引いた守備に苦しむ試合になった。前半の立ち上がり、6分に失点を許してしまう。「立ち上がりが課題だった中で点を入れられてしまった」(永田)。ゲームの入りが流経大戦からの反省点だったが、今節も相手を追うゲーム展開となる。失点後は、前節初出場、初ゴールの三品がパスからチャンスをつくる。しかし、シュートまで持ち込むことができず、前半はスコアレスで終了した。 (写真:サイド攻撃の起点となった三品) 前半で苦戦を強いられた明大。「バックパスが多かったからもっとクロスを上げたりシュートを打ったりするところ」(栗田監督)をハーフタイムでは修正。65分には前線へ配球する役割として常盤を投入する。今季の常盤は苦しい時間を過ごしていた。出場した10試合のうち先発はわずか3試合。途中からの7試合以外は全試合ベンチから試合を眺めていた。「自信を失ってた自分もいた。でもそこで自信とか失うんじゃなくて、自分の練習や身につけてることに自信を持って、ただスタメンになりたいと考えていた」。すると78分、常盤が同点を演出する。「今日のような途中交代のチャンスを狙って、日々自分と向き合ってきた」。コーナーキックのこぼれ球を押し込み、桐蔭横浜大戦以来の今季2ゴール目で起用に応える復活弾を見せた。同点に追いつき果敢に攻め込む明大。得点後も常盤は積極的なくさびのパスやサイドからの攻撃で敵陣へ侵入し、チャンスをつくり出す。「チームを勝たせるプレーを練習から心がけた」(常盤)。だが、最後まで中大のブロックを崩し切ることができず試合終了を迎えた。 (写真:体を張った守備でチームに貢献した永田) ホームである明大八幡山グラウンドでの最終節が終了し、残されたラストマッチは大学サッカーの聖地・西が丘で行われる筑波大戦だ。「チャレンジャーと気持ちで絶対にたたきつぶしたいと思う」(常盤)。相手はすでに優勝を決めた好敵手・筑波大。最後まで首位を脅かし続けた明大が、どこまで戦うことができるのか見ものだ。 [岩田英佑]試合後のコメントはこちらREAD MORE