女子団体準優勝 笑顔で有終の美を飾る/全日本学生選手権

バドミントン 2023.10.10

 昨年度は3回戦敗退と悔しい結果に終わった全日本学生選手権(以下、インカレ)。今年度は大会1日目の3試合を全てストレートで勝ち抜き、2日目の準決勝へと進んだ。前回王者である法大を倒し、迎えた決勝・筑波大戦。必死に食らいつき戦うも1―3で敗れ、今年度最後の団体戦を準優勝で終えた。

 

◆10・6~12 第74回全日本学生選手権(パロマ瑞穂アリーナ他)

▼女子団体

・1回戦○明大3―0熊本学園大

○高橋2―0境

○田代2―0山口

○中村・本田組2―0橋本・金澤組

 

・2回戦○明大3―0関西学大

○高橋2―0三嶋

○杉山2―1中西

○中村・本田組2―0三嶋・土井組

 

・3回戦○明大3―0作新学大

○杉山2―0高橋

○高橋2―1島倉

○中村・本田組2―0齋藤・小早谷組

 

・準決勝○明大3―2法大

 高橋0―2内田○

○杉山2―0中澤

○中村・本田組2―0八角・堤組

 松本・宮下組0―2三輪・牧野組○

○田代2―1宮﨑

 

・決勝 明大1―3筑波大○

 田代0―2染谷○

 高橋1―2矢島○

○中村・本田組2―1栗原・長廻組

 松本・宮下組0―2青木・広瀬組○

 

 3回戦で相まみえることになったのは、直前の2回戦で強豪・日体大を下して勝ち上がってきた作新学大。東日本学生選手権(以下、東インカレ)でも対戦し、苦戦を強いられながらも勝利した相手だ。第1シングルスの杉山凛(文2=西武台千葉)はジュースにもつれ込むも第1ゲームを奪い、その勢いのまま第2ゲームを21-7で勝利した。「相手のラリーの特徴を捉えてしっかりと対応できた」(杉山)。第2シングルスの高橋千夏主将(商4=甲斐清和)は第1ゲームを19-21と接戦で落とすも、粘り強く戦い続く2ゲームを連取した。第1ダブルスの中村優希(文4=青森山田)・本田胡桃(政経3=埼玉栄)組はここでも2-0で勝利。「リードして迎えた2ゲーム目で点差が詰められても勝ち切れるようになった」(本田)。この日の3試合全てを3-0で勝利し準決勝へと駒を進めた。

 

 準決勝は前回王者である法大との対戦。昨年度3回戦で敗北し、準決勝進出を絶たれた相手でもある。第2ダブルスまでの4戦を終えた時点で2-2と互角の争いに。決勝進出への切符は第3シングルスの田代葵楓(商2=埼玉栄)へと託された。相手の猛攻に対応しきれず第1ゲームを落としてしまうものの「チームのみんながつないでくれた2本を無駄にしないために、ここで自分が絶対に取る」(田代)と強い気持ちで第2ゲームに臨む。相手にリードされながらも徐々に点差を縮め、ついに18-18と同点に追いつく。試合も終盤に差し掛かる中、互いに譲らない展開が続きジュースに突入。ここで負けたら終わりのプレッシャーの中で「点数は気にせず、とにかく集中して気持ちを強く持った」(田代)。1点を取れば1点を落とす緊張の瞬間は続き、最終的に相手のミスが決め手となり26-24で勝利。会場の盛り上がりは最高潮に。流れをつかみ第3ゲームも死守し逆転勝利、決勝進出を決めた。

 

 決勝の対戦相手は言わずと知れた強豪・筑波大。しかし直近の東インカレ、関東大学秋季リーグ戦(以下、秋季リーグ)では白星を重ねてきた相手でもある。序盤から厳しい展開が続き、第1シングルスを落としてしまう。第2シングルスの高橋は序盤から接戦が続くも、ミスが響き17-21で第1ゲームを落とす。第2ゲームでもリードされる展開が続くが、相手のミスを契機に連続で得点。同点に追いつき、そのままジュースに突入。緊張のジュースは続き、最後に鋭いスマッシュが相手のミスを誘い26-24で第2ゲームを奪う。第3ゲームは序盤リードを守ったもののじわじわと点差を詰められ逆転、最後は16-21で敗れた。「4年生として最後に、しっかり勝ち切りたいところで勝ち切れなくて悔しい」(高橋)。ダブルス2組に優勝の命運が託された。ここまで1ゲームも落とさず勝ち上がってきた中村・本田組は、ここで初めて第1ゲームを落とす。ここで負けたら終わりの第2ゲームでは互いに譲らない接戦が続くも、長いラリーの末相手ペアの間にシャトルを押し込み21-19で勝利。第3ゲームでは足の疲れがうかがえながらも、最後は本田のスマッシュが決まり、団体戦で戦った5戦全てを白星で飾った。「先に2本取られていていい意味で吹っ切れたというか、変に固くなくならずリラックスしてできた」(中村)。松本みなみ(文3=柳井商工)・宮下彩奈(農3=聖ウルスラ学院英智)組は格上相手に必死に食らいつくも、相手のプレーに押され2ゲームを落とし敗戦。準優勝で団体戦を終えた。

 

 今大会が4年生を含めた現体制のチームで戦う最後の団体戦となった。「最後まで楽しむことは絶対に忘れないという気持ちで、1回戦から最後の決勝戦までずっと笑ってできた」(中村)。笑顔でプレーする選手たちの姿や、これまでにないほどの熱量での応援が印象的だった今大会。引き続き個人戦が行われているが、楽しむ気持ちを忘れずにいい結果が残せるよう期待したい。


[増田杏]

 

試合後のコメント

高橋

――チーム全体として2日間いかがでしたか。

 「正直ここまで来られるとは思っていなくて、試合に出ていない人も応援などでチーム一丸となってみんなが戦えていたのが良かったと思います。1日目の時点で全て3-0といういい勝ち方をしていて、そこから明治の波というか、勝つ感じが見えていたので、準決勝も簡単には勝たせてくれなかったんですけど、そこでもしっかり勝ち切って、2日間ともみんなでよく頑張れたなと思います」

 

――良かった点を教えてください。

 「みんな気持ちの部分では引いていなくて、自分たちから自分たちからっていう姿勢が出ていたのがすごく良かったと思います。プレー的にも春から見ていて、ちょっとしたミスというのが減って、相手に渡す1点というのが仕方ないミスに変わっているのがすごく良かったです」

 

――東インカレでは90点とおっしゃっていましたが、このインカレには何点をつけますか。

 「100点です!」

 

中村

――良かった点を教えてください。

 「自分たちは去年のインカレの団体戦では1勝もできていなくて、正直チームの足を引っ張ってしまう立場になってしまいました。でも今年は最後まで負けずにチームの1本を取れたのが良かったです。あと、いつもファイナルゲームだったり、1ゲーム取って2ゲーム目に入る時、大体取られることが多かったんですけど、今大会はしっかり焦ったところでも勝ち切れて良かったと思います」

 

――個人戦に向けて意気込みをお願いします。

 「団体戦が終わってすぐ次の日から個人戦が始まるんですけど、自分たちの最大の目標はやはりインカレで上位に入って全日本総合選手権に出ることなので、もう1回ここでしっかり切り替えて一戦一戦大事にしながら頑張っていきたいなと思います」

 

本田

――みなさん笑顔でプレーされていたのが印象的でしたが楽しくできた理由はありますか。

 「インカレという大会が4年生の最後の試合で『もう泣いても笑っても最後だから自分たちの力を出し切るだけだ』という気持ちでやっていたら、自然と笑顔になっていました。不安になった時とか、ベンチのみんなを見ると笑顔で声出してくれていたりとか、1年生の亀井菜杏(農1=聖ウルスラ学院英智)とか小原陽夏(農2=とわの森三愛)とかが先頭切って明るくしてくれているのですごく心強いなと思いました」

 

――個人戦に向けて意気込みをお願いします。

 「体もかなりきつくていい状態ではないのですが、そこから勝つことができれば本物だと思うので、本物になれるように個人戦も全力で頑張ります」

 

田代

――試合を振り返っていかがですか。

 「準決勝は2-2で回ってきて、自分が絶対に取るという気持ちでいたんですけど、試合を冷静に分析すると、2ゲーム目は正直厳しいかなという思いもありました。応援の力もあって流れが来てくれたんで、もうこれはいけるなと思って、その流れから最後まで行くことができました。応援というか、みんなのサポートに感謝しかないです」

 

――2-2で回ってきた緊張やプレッシャーはありましたか。

 「緊張はもちろんするんですけど、 勝負がかかった場面とか絶対負けられない場面の方がいつもよりいい緊張に変わるというか、自分は緊張を力に変えられるタイプだなと思うので、みんなのベンチからの応援もより自分の力に変わるというか、ああいった雰囲気がすごく好きなので頑張れたかなという感じです」

 

杉山

――インカレまでに準備してきたことはありますか。

 「東インカレで優勝してから秋季リーグを挟んだのですが、あまりそこで自分の納得できる試合ができませんでした。東インカレは調子が良くて、 その分リーグで少し調子が落ちてしまって、自分の中で気持ちの面で少しあがってしまっていた部分があったんですけど、今回のインカレでは『自分のプレーをしっかりしよう』っていう意識でできていたかなと思います」

 

――どんな気持ちで試合に臨みましたか。

 「個人戦と違って団体戦だとみんな後ろについてくれているので、気持ちが落ちることがあまりないのが団体戦のいいところかなと思います。あと隣のコートでチームの先輩が頑張っている中で、自分も頑張ろうと思えました」


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