服部友・豊満組が12位の好成績 他2艇も好レース見せる/全日本学生個人選手権

ヨット 2023.09.19

 全国から集まった470級、スナイプ級の各54艇が日本一の称号を懸けて8レースを走る全日本学生個人選手権(以下、全日本個選)。470級には服部友賀(法3=津工)・豊満陸(政経3=大垣東)組と成田博陽主将(政経4=明大明治)・石塚春菜(法4=磯辺)・仲 悠樹(商2=学芸大国際中教)組が、スナイプ級には服部輝海(理工1=横須賀学院)・坂田裕也(政経4=柏陽)組が出場。全艇とも1桁順位でゴールするレースがあるなど、全国の舞台でその実力を示した。

 

◆8・31~9・3 全日本学生個人選手権(豊田自動織機 海陽ヨットハーバー沖)

▼470級

 服部友・豊満組――12位

 成田・石塚・仲組――30位

▼スナイプ級

 服部輝・坂田組――27位

 

 470級で総合12位の好成績を残したのは服部友・豊満組。第1レースでいきなり4着と、最高の滑り出しを決めた。「スタートがうまく出れて、きれいな風をつかみ続けられた」(服部友)。強風が吹きにくい蒲郡は2人にとってディスアドバンテージ。それでもその後行われた7レースのうち4レースは20位以内に入った。「練習の中で微風の起こし方に気を付けてやってきたので、レースでも意識してやった」(豊満)。高い安定感を誇ったことが結果につながった。ただ「自分たちが気づけない風を、前で走っている艇は先に気づいたり、自分たちの実力不足を感じた大会だった」(服部友)と話しており、関東の上位勢と再び対戦する関東学生秋季選手権(以下、秋インカレ)に向けてさらに練習を重ねることを誓った。

 

 成田・石塚組は関東学生個人選手権で全日本個選出場圏の18位にわずかに及ばない19位だったが、繰り上げでの出場が決まり、この2人に仲が加わった3人体制で今大会に臨んだ。仲は公式戦初出場。「緊張したが普段通りの動きができたことは良かった」。第1レースこそ37位だったものの、レースを重ねるごとに順位が上昇していき、第4レースでは全体7番目でゴールする好走を見せた。「右側からコースを展開していきたいと思っていて、自分たちの思い描いているコースをしっかり走れた」(石塚)。第5・6レースもそれぞれ16、15位。好調を維持して上位に食い込みたかったが、ラスト2レースは失速し総合30位で大会を終えた。成田主将は「ブローの振れに合わせられなかったのが反省点」と振り返り、課題点の改善に取り組む。

 

 スナイプ級の服部輝・坂田組は総合27位。「基本的なところでトップ艇団から置いていかれてしまい、そうしたミスが取り返しのつかない順位になってしまうことを痛感した」(坂田)。第2・3レースで下位に沈んだことが尾を引く形となったが、全体を通して見ると全8レース中4レースで上位20艇に入り、特に最終レースでは8位でゴールする快走で大会を締めくくった。「スタート失敗直後のリカバリーがうまくでき、トップ艇団に置いて行かれないようにした」(坂田)。全日本個選には両者共に初出場。ルーキーながら全国の舞台を経験できた服部輝にとっては将来につながる貴重な経験に。昨年度、全日本個選に出場できずに悔しい思いをした坂田にとってはラストイヤーで悲願の出走となった。

 

 昨年度の同大会で、470級の最高成績は24位。スナイプ級は大会出場すらかなわなかった。着実にチームが成長している中で、次なる目標は秋インカレで上位に躍進し、全日本学生選手権の出場権を獲得すること。さらなる強化へ、470級に出場した部員たちはすぐに宮城で行われる大会に出場するため、スナイプ級は今月中旬にある秋インカレの予選シリーズ突破に向けた練習のため、それぞれ蒲郡を後にした。内容の濃いここ1カ月の経験が、秋インカレで大きな推進力となる。

 

[北原慶也]

 

試合後のコメント

服部友

――今日のレース(第8レース)を振り返ってみていかがですか。

 「実力通りの結果を出せたのかなと思います。昨日、おとといとあまりいい結果を出してなかった部分が多くてなんとか今日は昨日までの反省を踏まえた上でいけたかなと思います」

 

豊満

――関西勢と対戦してみていかがですか。

 「関西の兵庫とかで練習している人は微風が多いらしくて、微風の動作の面ですごい参考になったので、これを忘れないように練習に生かしていきたいと思います」

 

成田

――蒲郡のコンディションにどう対応しましたか。

 「普段葉山だと船を平行になるまで起こしているんですけど、パワー感を感じやすいようにちょっとヒールを残してみたりいろいろ工夫してみました」

 

石塚

――大会全体を通しての感想をお願いします。

「率直に全国はレベルが高いなと感じましたが、関東勢が前を安定して走っていて、自分たちの艇も2日目は全体的に順位が安定して取れたのでまだ改善の余地はあるなと思います」

 

――収穫と課題はありましたか。

 「微風の動作練習が圧倒的に不足していることに気づいたので、動作練習を多めにしていきたいです。また、艇数が多い中でのレースはスタートが命なのでスキッパーと心を合わせて息の合ったスタートが切れるように練習していきたいです」

 

坂田

――秋インカレに向けて目標と意気込みをお願いします。

 「秋インカレ決勝では今回見つかった課題をしっかりと克服し、個人としては総合で1桁順位に入ることがまず目標で、チームとしては目標である秋インカレ(総合)4位に入り、いいムードで全日本インカレにつなげたいです」


関連記事 RELATED ENTRIES