200メートルで木村颯が4位入賞 明大短距離の意地見せる/日本学生対校選手権

競走 2023.09.18

 ついに迎えた日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)最終日。明大からは200メートル準決勝に2人が出場した。木村颯太(法4=明星学園)は自身にとって2年ぶり2度目となる200メートルの決勝に駒を進め、4位入賞を果たした。

 

◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

[4日目]

▼男子200メートル準決勝

 組 木村颯 着 2082 決勝進出

 2組 木村稜 3着 21秒04 

 

▼男子200メートル決勝

 木村颯 4位 20秒95

 

 最高学年として短距離部門を引っ張ってきた木村稜主将(政経4=乙訓)と木村颯。その2人が日本インカレ最終日、そろって男子200メートルに出場した。

 

 1組目で出走した木村颯は周囲を圧倒する走りを見せた。コーナーを抜け直線に入った段階で集団から抜け出すと、勢いもそのままに他の追い上げを許すことなくフィニッシュ。最後は余裕を持ってゴールしながらも自己ベストを更新し、決勝進出を決めた。

 2組目の木村稜は大会を通してこれが4本目のレース。疲労が残る中でも、昨年度の日本インカレで同種目2位入賞を果たした実力者は冷静だった。「決勝に残りたいとかトップを取りたいという思いはあったけれど、そういった気持ちは極力抑えて今までやってきたことを出そうという考えで走った」(木村稜)。スタートから、トップとは少し離れた状態でホームストレートに突入する。ただ、予選でも後半に追い上げを見せた木村稜はこのレースでも力強いスパートを発揮した。直線に入った段階で前を走っていた藤澤(岩手大)に追い付きほぼ同時にゴール。「ゴールした瞬間は勝ったと思った」(木村稜)と手応えを感じながらも3着に終わった。2着の藤澤との差はわずかに0.003秒。1000分の1秒の世界で戦う彼らの明暗が分かれた瞬間だった。

 

 迎えた決勝の舞台。木村颯は低い姿勢から抜群のスタートダッシュを決めると得意のコーナーで周囲を引き離していく。「前半80メートルくらいまでは今できる最高の走りができた」との言葉通り、コーナーを抜けトップで直線に飛び込んできたのは木村颯だった。しかし「ハムストリングがけいれんして一度失速してしまった。そこからはうまく立て直せたけれど、その分結果は少し悪かった」(木村颯)。後半3人の選手にかわされてしまい、目標としていた表彰台獲得はかなわなかった。それでもケガが多かった4年間を踏まえ「何とか及第点くらいで終われたのでそこは自分を褒めてあげてもいいかなと思う」と悔しさをにじませつつ、充実感も口にした。

 

 4年間を通してケガに苦しんだ木村颯と、関東学生対校選手権で肉離れを起こした木村稜。明大を代表する2人はこれまで共に苦難を味わいながらも4年間を締めくくる大舞台で結果を残してみせた。残された期間でさらなる高みを目指す彼らの姿は必ずや周囲の選手にいい影響を与えるはずだ。近年力を付けている短距離部門。その強さの理由を垣間見た最終日の戦いだった。

 

[松原輝]

 

※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。


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