
武良の劇的逆転弾 順大下し2勝目/関東学生秋季1部リーグ
秋季リーグ戦(以下、秋リーグ)6戦目は順大と対戦した。試合は終始順大を追いかける展開が続いたが、武良悠希(政経4=北陸)が終盤に3連続得点を決め、残り5秒で逆転。劇的勝利で順大を沈め、秋リーグ2勝目を挙げた。
◆8・26~10・1 関東学生秋季1部リーグ戦(明大和泉体育館他)
▼9・16 対順大戦(日大八幡山体育館)
○明大26{12―17、14―8}25順大
秋リーグは後半戦に突入した。この日の相手は暫定順位で6位に位置する順大。試合は谷口尊主将(商4=北陸)の得点で幕を開けたが、前半の主導権を握ったのは順大だった。明大は決定力を欠き、そのスキをつかれ順大の速攻で失点を重ねてしまう。「セットオフェンスでシュートを決め切れず、そこから次のディフェンスで失点してしまった」(加藤良典監督)。苦しい展開が続き、12―17の5点ビハインドで前半を終える。
逆転勝利へ向け、勝負の後半戦が始まった。開始23秒で尾谷浩希(法3=愛知県私立愛知)が得点。途中相手に2点を許すも12分までに計6点を追加し、1点差まで追い上げた。だが順大も粘り、なかなか追い付くことができない。リードを許したまま試合は残り4分となり、点差は3点。しかしここから4年生が踏ん張った。谷口のシュートで2点差に詰め寄り、相手の攻撃もゴールキーパーの荒田隼弥(法4=洛北)がセーブし、速攻へつなぐ。それを武良が決め、スコアを24―25とする。さらに残り56秒でまたも武良が得点。試合全体を通して終始リードされていたが、土壇場で追い付いた。この後の、絶対に失点したくないディフェンスの場面でもしっかり守り切り攻撃へ転じる。「ディフェンスで守ったら、自分たちの攻めが来ると分かっていたので集中し続けられた」(谷口)。そして残り5秒。谷口からのパスを受け取った武良がシュートモーションに入る。「キャプテンの谷口選手からパスが来ると感じていたので、絶対決めてやろうと思っていた」(武良)。武良の放ったボールは相手ゴールを破り、見事逆転。直後に試合は終了し、劇的勝利で待望の2勝目を手にした。
苦しい試合を強いられたが、最後まで諦めず見事逆転勝利を収めた明大。秋リーグは残り3試合だ。「法大、東海大、早大に全部勝って、勝ち越して終われるように頑張りたい」(武良)。順大戦の勢いそのままに、残り3戦3勝をつかみ取る。
[末吉祐貴]
試合後のコメント
加藤監督
――試合全体を振り返っていかがですか。
「60分通して相手にリードされるゲーム展開だったので、最後そこをひっくり返して勝てたのは良かったです。ただ、前半30分がオフェンスディフェンス含め良くなかったのでそこが課題です」
――試合終盤の武良選手の連続得点についてはいかがですか。
「前半シュートミスが続いていた中で、後半思い切っていたことがシュートを決め切れた要因なのかなと思います。4年生の最後の意地が出ていました」
谷口
――ハーフタイムにはどんなことを話しましたか。
「チームの雰囲気が前半悪かったので、もっと雰囲気よくみんなで声出して楽しんでやろうと話しました」
武良
――後半はどう立て直しましたか。
「4年生が気持ちと雰囲気つくってやるしかないと意識して、4年生でゲームをつくることを考えてやりました」
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか。
「最後決め切れたのは良かったですが、前半もっと自分が決めていたら楽な展開になっていたと思うので、そこは反省です」
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