
予選通過者が続出 幸先の良いスタートに/日本学生対校選手権
今年度のトラック競技を締めくくる日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)が開幕した。初日の400メートル予選が終わった時点では3名が準決勝に進出。蒸し暑ささえも吹き飛ばす快走を見せた。残す4×100メートルR予選は3着でのフィニッシュとなるも、明大記録を更新する走りを見せタイムでの決勝進出を決めた。
◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
▼男子100メートル予選
1組 松下 3着 10秒43 準決勝進出
2組 川津 6着 10秒65
7組 木村稜 3着 10秒41 準決勝進出
▼男子400メートル予選
5組 原田 3着 47秒08 準決勝進出
▼男子4×100メートルR予選
5組 松下、木村颯、川津、中谷 3着 39秒26(明大新) 決勝進出
100メートル予選は松下かなう(法3=大分東明)、木村稜(政経4=乙訓)の2名が準決勝への切符を獲得。松下は今季5度も自己ベストを更新する快調ぶりで、先月開催された日大競技会では100メートルの明大記録を塗り替えるほどの実力の持ち主だ。今年度は3年生にして初めての日本インカレの舞台となったが、物おじすることなく後半でぐんぐんと加速し3着でフィニッシュ。今大会でもその好調ぶりは健在だ。一方で木村稜は関東学生対校選手権で足を負傷してから、これまでリハビリに取り組んできた。すでに練習はケガをする以前のものへと戻っているが、万全とはいえないのが現状である。そうした中で挑んだ今大会。華麗なスタートダッシュを決めるも、徐々に後方との距離が縮まっていく。しかしながら最後は粘り抜き、意地の準決勝進出を勝ち取った。400メートル予選には原田真聡(文1=東農大二)が出場。最後の直線に差し掛かると、トップに躍り出た友田(東京理科大)を追う白熱した展開に。横一線の争いから原田、川北(びわこ成蹊スポーツ大)が抜け出すも追い付くことはできず。それでも3着で着順通過を果たした。
個々の走力だけではなくチームの協調性も勝利のカギとなる4×100メートルR。それらがうまく合致したのが今レースであった。1走には今シーズン上り調子の松下を置き、初手からチームを勢いづける。そのまま2走の木村颯太(法4=明星学園)へスムーズにバトンがつながり、勢いは衰えることなく3走の川津靖生(法1=明星学園)へ。100メートル予選では惜しくも予選敗退に終わってしまったが、ここでは上級生から受け継いだバトンをしっかり4走の中谷颯汰(農1=相洋)へとつないでいく。そして力強い走りで最後の直線を駆け抜けると、3着でゴールイン。彼らは息の合ったバトンパスで勝利を呼び寄せただけではなく、明大記録更新という副産物をも手に入れた。
明大勢の快進撃はまだまだ序章に過ぎない。2日目には1日目で予選を通過した者たちが準決勝、決勝へとさらに駒を進めていく。ここで生き残るのは誰なのか。より過熱していく戦いから一瞬たりとも目が離せない。
[石井遥]
※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。
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200メートルで木村颯が4位入賞 明大短距離の意地見せる/日本学生対校選手権
競走 2023.09.18ついに迎えた日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)最終日。明大からは200メートル準決勝に2人が出場した。木村颯太(法4=明星学園)は自身にとって2年ぶり2度目となる200メートルの決勝に駒を進め、4位入賞を果たした。 ◆9・14~17 第92回日本学生対校選手権(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)[4日目]▼男子200メートル準決勝 1組 木村颯 1着 20秒82 決勝進出 2組 木村稜 3着 21秒04 ▼男子200メートル決勝 木村颯 4位 20秒95 最高学年として短距離部門を引っ張ってきた木村稜主将(政経4=乙訓)と木村颯。その2人が日本インカレ最終日、そろって男子200メートルに出場した。 1組目で出走した木村颯は周囲を圧倒する走りを見せた。コーナーを抜け直線に入った段階で集団から抜け出すと、勢いもそのままに他の追い上げを許すことなくフィニッシュ。最後は余裕を持ってゴールしながらも自己ベストを更新し、決勝進出を決めた。 2組目の木村稜は大会を通してこれが4本目のレース。疲労が残る中でも、昨年度の日本インカレで同種目2位入賞を果たした実力者は冷静だった。「決勝に残りたいとかトップを取りたいという思いはあったけれど、そういった気持ちは極力抑えて今までやってきたことを出そうという考えで走った」(木村稜)。スタートから、トップとは少し離れた状態でホームストレートに突入する。ただ、予選でも後半に追い上げを見せた木村稜はこのレースでも力強いスパートを発揮した。直線に入った段階で前を走っていた藤澤(岩手大)に追い付きほぼ同時にゴール。「ゴールした瞬間は勝ったと思った」(木村稜)と手応えを感じながらも3着に終わった。2着の藤澤との差はわずかに0.003秒。1000分の1秒の世界で戦う彼らの明暗が分かれた瞬間だった。 迎えた決勝の舞台。木村颯は低い姿勢から抜群のスタートダッシュを決めると得意のコーナーで周囲を引き離していく。「前半80メートルくらいまでは今できる最高の走りができた」との言葉通り、コーナーを抜けトップで直線に飛び込んできたのは木村颯だった。しかし「ハムストリングがけいれんして一度失速してしまった。そこからはうまく立て直せたけれど、その分結果は少し悪かった」(木村颯)。後半3人の選手にかわされてしまい、目標としていた表彰台獲得はかなわなかった。それでもケガが多かった4年間を踏まえ「何とか及第点くらいで終われたのでそこは自分を褒めてあげてもいいかなと思う」と悔しさをにじませつつ、充実感も口にした。 4年間を通してケガに苦しんだ木村颯と、関東学生対校選手権で肉離れを起こした木村稜。明大を代表する2人はこれまで共に苦難を味わいながらも4年間を締めくくる大舞台で結果を残してみせた。残された期間でさらなる高みを目指す彼らの姿は必ずや周囲の選手にいい影響を与えるはずだ。近年力を付けている短距離部門。その強さの理由を垣間見た最終日の戦いだった。 [松原輝] ※レース後のコメントは後日「紫魂不撓」にて掲載いたします。READ MORE -
清水ラストレース 200メートルはW木村が予選通過/日本学生対校選手権
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