金野のひと振りで決着! 走者一掃勝ち越し打で早大破り勝ち点獲得/東京六大学秋季リーグ戦

準硬式野球 2023.09.12


 1勝1敗で迎えた早大3回戦は白熱の投手戦となった。近藤吏矩投手(営3=札幌一)が5回1失点の好投を見せると、続いてマウンドに上がった上井健太朗投手(農4=札幌一)が気迫のこもった熱投でチームに流れを呼び寄せる。2―2の同点で迎えた9回表には代打・金野慎ノ介外野手(政経3=明大中野)の右翼への走者一掃適時二塁打で3点を追加し見事勝ち越しに成功。9回裏は松浦寿和投手(法3=明大中野八王子)が締め5―2で勝利し勝ち点1を獲得した。

 

◆9・2~10・22 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)

▼9・11 対早大3回戦(早大東伏見グラウンド)

 〇明大5―2早大

 

 3回戦

 明大

 早大

 

 早大1回戦では劇的な逆転勝利を収めたが、2回戦では投手陣が打ち込まれ計14失点と悔しい完敗。勝ち点獲得を懸けた早大戦は3回戦までもつれ込んだ。

 

 中1日でマウンドに立った先発・近藤。2回裏、1死から投じた初球を右翼手の頭上を越える本塁打とされ先制点を奪われた。「疲労感はかなりあってやばいなと思ったけれど、チームのために勝ちたいという気持ちが強かったのでなんとか気持ちで投げた」。その言葉通りそれ以降は走者を出すことなくこの回を本塁打の1失点のみにとどめると、3回裏は見事な三者凡退で明大に流れを引き寄せた。

 

 追い付きたい明大は4回表、チーム初安打で前國藤海斗外野手(政経2=明大中野)が出塁。盗塁も成功させ無死二塁の好機をつくり出した。続く打者が犠打と四球を選びさらに1死一、三塁と好機を広げると、ここで打席に立ったのは4番・金澤永輝主将(法4=花巻東)。「昨日は調子が良くなくて1本も打てなかったので試合後グラウンドに戻って練習した。夜は素振りもしたので今日は打てる気しかしなかった」と4球目を力強く振り抜くとセンター方向に伸びた当たりは適時二塁打に。すぐさま1点を返し、なおも2死三塁の場面。宇津木一朗内野手(営3=川越東)が初球スクイズで勝ち越しに成功。2―1とリードした状態で前半を終えた。

 

 4回以降も近藤は好投を続けるも5回でマウンドを降りた。7回までが理想とした投球プランだったというが「疲労もあって無理だと思ったので上井さんにバトンを渡したほうがいいと思った」(近藤)。変わった上井は先頭打者の二塁打や暴投が絡み1失点。2―2の同点とされるも、抜群の制球力とキレのある変化球で空振り三振を奪い要所を締めた。「一昨日投げた時は調子が良くなかったのでそれを修正したおかげで今日は調子が良かった」とその後も厳しいコースを突き相手打線を封じ込める投球。相手に流れを渡さなかった。

 

 2―2で迎えた勝負の9回表。代打・菅野悠次郎内野手(情コミ4=日大二)が内野安打で出塁すると、続く吉原瑠人捕手(法3=仙台育英)の初球から鋭く振り抜いた打球が中安打に。大きなガッツポーズを見せると、訪れた無死一、二塁の好機に明大ベンチも沸き立った。その後犠打と四球で1死満塁と勝ち越しの最大の好機を迎え、代打で打席に入ったのは金野。「ダブルプレーが一番最悪な場面だったので、外野フライを意識した」と打ったはなんと右翼手の頭上を越える走者一掃の適時二塁打に。一挙3人の走者の生還に選手たちはベンチを飛び出し喜びに沸いた。ここで明大は5―2と大きくリード。抑えとして9回裏に登板した松浦が最後のアウトを取ると歓喜の輪に包まれた。「なかなか9回に投げることがなくて、これまではリードしてたり点差が離れている場面の登板が多かった。中心に入れたというか、自分で決めれたっていうのがものすごいうれしかった。初めての経験だった」と勝利の後には笑顔を見せた。

 

 圧巻の投手陣と、終盤の攻撃の粘りが明大に勝利をもたらした。ここまでの5戦、いずれも試合後半に強さを発揮。春は勝ち切れなかった早大相手にも見事な試合運びで勝ち点を獲得してみせた。春から一段とパワーアップした明大の今後の戦いぶりにも注目だ。

 

[布袋和音]

 

試合後のコメント

金澤

――どのような意識で試合に臨みましたか。

 「相手も負けられない試合で自分たちも負けられない中で、終盤までどうなるか分からない展開。最後にはやはり全員の力が必要になってくるので、とにかく全員で一つになって戦おうということをミーティングで話しました」

 

近藤

――今回の試合はどのような意気込みでマウンドに立ちましたか。

 「勝ちたいっていう気持ちが強かったですし、昨日は後輩が先発して負けてしまったんですけど、あまり気負わせずに先輩がいい姿見せるようにっていう気持ちで頑張りました」

 

松浦

――今回の試合を振り返っていかがですか。

 「同点で終盤まで行って、春だったらあのまま負ける展開が多かったので、9回に勝ち切れたっていうのは、夏に練習やってきて秋変わったかなという印象があります」

 

上井

――今回の投球はご自身でどのように見ていますか。

 「もう今日は100点です。チームが勝ったので」


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