
対抗戦開幕!攻守ともに圧倒し初戦を白星で飾る/関東大学対抗戦Aグループ
廣瀬組の大学日本一への挑戦、関東大学対抗戦(以下、対抗戦)がついに開幕した。初戦の相手は青学大。白星を手にして流れに乗りたい明大は終始攻守両面で相手を圧倒し、87―7と大差をつけ勝利を手にした。
◆9・9 関東大学対抗戦Aグループ(秩父宮ラグビー場)
▼対青学大戦
○明大87{35―7、52―0}7青学大
まず先制したのは明大。前半8分、敵陣ゴール付近のマイボールスクラムからスクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)が右サイドに展開し、パスを受けた右ウイング安田昂平(商3=御所実)がトライを奪った。しかし、12分に明大のハンドリングエラーから青学大にトライを返されたちまち同点に。「自分たちのミスでトライを取り切れずに相手の流れになってしまった」(スタンドオフ伊藤耕太郎・商4=国学院栃木)と、ノックオンなどのイージーミスが重なり、得点に結びつけることができない。そんな悪い流れを変えたのは、今試合のPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた萩原だ。23分、左ウイング西川賢哉(政経4=桐蔭学園)のラインブレークで敵陣深くに攻め込むと、萩原が自ら前方の空いたスペースにボールを持ち出しインゴール中央にグラウンディング。「アタックではしっかり前を向いて、スペースを見て状況判断しようと心掛けていた」(萩原)と、持ち前の積極性を生かして突破口を開いた。このトライから、明大のアタックのギアが一気に上がる。27分、敵陣5メートルライン付近までゲインすると、パスを受けた伊藤耕が相手ディフェンスのスキを突きトライを挙げる。さらに34分には、敵陣ゴール付近マイボールラインアウトからモールで押し込み、フッカー西野帆平(文2=東福岡)がグラウンディング。39分には萩原の今試合2トライ目も飛び出し、前半終了時点で35―7と、大差をつけいい流れで後半につないだ。
後半も、明大の勢いは止まらない。後半1分、敵陣ゴール付近に攻め込むと、左サイドの狭いスペースにボールを運び、西川がインゴール中央までボールを運びトライ。5分には再び敵陣ゴール付近でマイボールラインアウトからモールを形成し、西野が今試合2トライ目を挙げた。「(ラインアウトの)スローイングをいいクオリティーでできて、モールでもトライを取れたので良かった」(西野)。さらに後半11分、敵陣ゴール付近で相手のラインアウトのミスからボールを獲得すると、空いたスペースに左センター廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が走り込みインゴールにグラウンディング。後半14分、後半22分には安田がトライを立て続けに奪い、リードをさらに広げる。試合終盤、青学大が疲れで選手の動きが鈍っていく中、明大は集中力を切らさず走り続けた。「これから強度の高い試合が増えていく中で一人一人の仕事量が大事になるので、前半から出場している選手も含めて、100パーセント出し切って終わろうと声を掛け合った」(フルバック池戸将太郎・政経4=東海大相模)と、春先から積み上げてきたフィットネスでも相手を圧倒した。明大は最後まで攻撃の手を緩めず、後半31分に富田陸(政経2=大阪桐蔭)がトライを奪うと、後半38分には平翔太(商2=東福岡)のゲインからサポートについていた登根大斗(法3=御所実)がインゴール中央にグラウンディング。試合終了間際にはルーキーの伊藤利江人(商1=報徳学園)のトライも飛び出した。終わってみれば明大は13トライを挙げ、スコアは87―7。圧倒的な強さを見せつけた。
攻守ともに圧巻の完成度を見せ、最高のスタートダッシュを切った明大。今試合特に際立ったのは、低いタックルだ。今夏からハイタックルの基準がさらに厳しくなり、タックル時の姿勢が重要になってきている。その中で明大は徹底して低い姿勢でプレーし、相手の反則も誘っていた。「練習でもロータックルを意識していたので、改善できたと思う」(中山律希・政経4=天理)。対抗戦でも、低いタックルは試合を優位に進めるためのカギとなる。次戦の相手は成蹊大。「もっと自分たちは伸びるという自信があるので、試合もそうですが日頃の練習から努力して、対抗戦の試合を重ねるごとにもっといいラグビーを見せていきたい」(池戸)。悲願の大学日本一に向けて、廣瀬組の挑戦が今、始まった。
[晴山赳生]
試合後のコメント
西野
――序盤の細かいミスをどのように修正していきましたか。
「雨上がりっていうのもあって、ちょっとボールが滑りやすかったことと、対抗戦初戦だったので、ちょっとかたい部分もあった感じで、シーズンが深まっていけば、そのかたさも取れていくと思います」
――チームの雰囲気はいかがですか。
「『獰猛(どうもう)明治』というテーマを今回掲げていましたが、最初からだいぶ声も出ていて、雰囲気的にとても良かったかなと思います」
右フランカー福田大晟(商3=中部大春日丘)
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「最初の入りの部分で、自分たちのプレーができなかったですが、徐々に自分たちのこれまでやってきた練習の成果が出て、いいアタックやディフェンスもできたと思うので、最初の試合の入りのところが今回課題かなと思いました」
――成蹊大戦の抱負をお願いします。
「自分個人としてはペナルティー0で、しっかり80分間走って、チームに勢いがつくようなプレーを、アタック、ディフェンス関係なくやっていこうと思います」
萩原
――大差での勝利でしたが、修正点があれば教えてください。
「前半みんな熱くなってしまって、ディフェンスで1人に対して2人かけるところを3人かけてしまっていたので、やはり熱くなるのはいいですが、しっかり冷静さを持ってそれを自分からしっかり発信できるようにしていきたいと思います」
――成蹊大戦の抱負をお願いします。
「前半から圧倒して、明治のスキのないラグビーを目指して頑張りたいと思います」
伊藤耕
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「比較的ずっと明大のペースでしたが、ミスやペナルティーだったり、取りきれないところで、相手の流れになってしまった部分が前半あったので、そこの取りきるところであったり、ディフェンスのところはちょっと良くなかったかなと思います」
――成蹊大戦の抱負をお願いします。
「次も明治らしくチャレンジできるように頑張っていきたいと思います」
池戸
――今試合はチームでどのような意識を持って臨みましたか。
「試合のテーマがオフザボール、ボールを持っていない人がどれだけ仕事をするかだったので、ボール持っている人だけじゃなくてキックチェイスや戻りなど、そういうところを意識しようと話していました」
――前半青学大にトライされたシーンはいかがでしたか。
「自分たちというか自分のミスから始まっていたので、そこで止めきれなきゃいけないと思いました。これからそういうことが多くなると簡単に負ける試合が多くなるので、一個のミスで一個のトライを取られているようでは勝てないと思うので、そこは我慢しきれなかったなと思います」
中山
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「そうですね、自分はリザーブでブースターという形で出させていただいたのですが、やっぱり対抗戦となったら前半の最初の方は絶対どのチームでもガツガツ来るので、最初は接戦になるなと思ったのですが、やっぱり後半になってきて、個々の違いだったりとか、明治のフィットネスの高さで、いい流れで試合ができたと思います」
――成蹊大戦の抱負をお願いします。
「青学大もそうですが、やっぱり最初の2、30分はどのチームもガツガツと来ると思うので、そこで1回、波に乗られるのではなくて、成蹊戦は最初からガツガツと、圧倒していけたらなと思います
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