リーグ最終戦 早大に敗れ入替戦への出場決まる/関東大学女子1部リーグ戦

硬式庭球 2023.09.10

 雨の上がった有明で熱戦が繰り広げられた。関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)最終戦の相手は強豪・早大。シングルスでは鈴木渚左(国際3=野田学園)が勝利を収める。吉田華奈子(法4=仁愛女子)は第3セットのタイブレークまで粘り抜くも惜敗。最終スコア1-6で敗れ、リーグ戦は5位で終了。入替戦への出場が決定した。

【D2南口亜美(国際4=野田学園)・藤永萌花(文1=野田学園)組VS金子さら紗・田邑来未組】

(写真:喜びを分かち合う南口(右)・藤永組)


 笑顔を絶やさず戦い抜いた。「亜美さん(南口)と組むのは(今試合で)最後。楽しもうというのが大前提だった」(藤永)。第1セット、相手の鋭いサーブやストロークに翻弄(ほんろう)され、開始早々2ゲームを連取される。そのような状況でも互いに明るく声を掛け合った。迎えた第3ゲームは両者の力が拮抗(きっこう)するラリー戦に。息の合った連携プレーでジュースに持ち込み、藤永のサービスエースでゲームを奪うことに成功。その後のゲームもジュースが6回連続するなど両者譲らぬ展開となる。しかし、早大のスキを突くショットや強烈なボレーにあと一歩及ばず、このセットはゲームカウント2―6で落とした。


 負ければ後がない第2セット。ゲームカウント0―2で迎えた第3ゲーム。相手のミスを誘うラリーで1ゲームを奪取した後、南口のボレーと強気のストロークが輝き攻めの姿勢で3ゲームを連取する。「ボレーにボレーで決められたところが良かったと思う」(南口)。自身の強みであるボレーで早大からリードを奪い、勝利に一歩近づいたように見えた。しかし、その後はつかみかけていた流れを手放してしまい、ゲームカウント3―6で敗戦を喫した。


 早大への敗北で、入替戦の出場が決定。それでも南口は「試合に出た選手はしっかりその仕事をやりきること、サポートメンバーになった人は元気に最後まで応援することで絶対勝てると思う」と前向きに意気込んだ。ここまで来たらもう後がない。決死の想いで1部残留を誓った。


【S3吉田華菜子(法4=仁愛女子)VS梶野桃子】

 吉田が試合に入る時点で相手は5勝していたため、既にチームとしての負けは決まっていた。だが「チームの負けは決まっていても、この試合は絶対に取る」。過去、ストレート負けを喫したことがある相手に対し、最高学年としてのプライドと誇りを胸に試合に臨んだ。しかし第1セットは最初のゲームで5回のジュースを取り切れず落としてしまう。その後も一つしかゲームを奪えず、1―6でこのセットを落とした。


 だが、吉田の強さはここからだった。「我慢しながら1球でも返し、走り負けないことを意識した」。第2セット、低い球筋での速いラリーに食らいつき、相手のミスを誘っていく。第2ゲームでは再びジュースが繰り返される展開となるも、今度は正確なライン上のショットで取り切ることに成功。次のゲームも高い打点からのサーブでキープし、ゲームカウント3―0とする。続くゲームでは狙い球をアウトとするなどミスが目立ち3―4まで持っていかれるも、意地のプレーで5―4と逆転を果たした。第10ゲームでは前に出た相手のサイドを抜く巧みなショットも披露し、6―4で第2セットを奪う。


 日没と反比例するように明るく盛り上がる応援を背に迎えた第3セット。「ここまで来たらやるしかない」と吉田自身の熱も最高潮だった。しかし相手も負けてはいられない。お互い気迫のプレーを見せ、ゲームを取り合っていく。5―5で迎えた第11ゲーム。強烈なバックハンドでの逆クロスの後にはバックハンドのストレートを見せ相手に得点を許さない。お互いが譲らぬまま、ついにタイブレーク突入。観客の男子部からも声が漏れ出てしまうほどコース抜群のショットで3連続得点を果たした。だが、その後は相手のペースだった。一気に6連続ポイントを奪われ、最終スコア1―2でゲームセット。長時間の激闘をモノにすることはできなかった。


 試合には敗れたものの「こんなたくさんの応援の中プレーできてすごく幸せ」。保護者やOBOG、先にリーグ戦が終わった男子部も応援に駆け付け、チームを鼓舞していった。結果としては振るわなかったものの、拍手あふれるコートでの試合は吉田の原動力となったはずだ。次の入替戦が吉田にとって最後の団体戦。「4年生としての役割をしっかり果たしたい」。チームメイトの応援を胸に、吉田が足を止めることはない。


 リーグ戦を5位で終え、入替戦突入が決まった明大。「1部としての意地を見せ付けたい」(吉田)。リーグ戦5試合で培ったチーム力を武器に、1部残留を目指す。


[高橋佳菜、髙橋未羽]


試合後のコメント

南口

――ゲームの間やセットの間にどのような気持ちの切り替えをしていましたか。

 「毎回毎回落ち込んでたらキリがないので、すぐ笑顔で切り替えようっていう話と、ボレーで決めていくプレースタイルなので、最後にボレーで決められるような配球を考えたりだとか、決めごとを話していました」

 

――笑顔が印象的でした。

 「そうですね。私は結構落ち込んでしまう癖がありますが、萌花(藤永)はずっと明るく強気な性格なので、そこに乗っかって、相乗効果で楽しくプレーしていました」

 

――相手のプレーはどのようなものでしたか。

 「相手はダブルスのプレーをしてくるわけではなく、それぞれストローク、サーブ、リターンをきちっとやってくるところが、強かったです。私たちは締まり切らないというか、決め切れなかったりした部分があって、その差が相手との勝敗を分けたのかなと思います」

 

藤永

――応援はどのように受け取りましたか。

 「いつも明治側は拍手が人数の関係で小さかったりするのですが、今日はどのコートよりも一番大きくて、それは自分的にもすごく力になったし、ミスをしたとしても次やるぞ、次があるぞという気持ちなれたので、応援の力というのはやっぱり大事だなと改めて感じました」

 

――入替戦へ向けて意気込みをお願いします。

 「残り1週間ほどですが、そこに向けてしっかりみんなで調整していって、試合に出る、または出ないとしても、自分の立場を全うして、必ず勝ちます」

 

吉田華

――第2セットで逆転できた理由を教えてください。

 「3―4までいってしまったのが自分の単発のミスというか、リードしているからこそ狙いすぎてしまった部分もあったので、一度我慢しながらじわじわ攻めていこうと思ってやった結果、5―4まで立て直すことができたのだと思います」

 

――入替戦に向けて、残りの期間どのような意識で過ごしますか。

 「去年に引き続き入替戦となってしまいましたが、1部としての意地をもう一度見せ付けたいと思います。今回は5位という結果でしたが、レベルアップした人もいれば悔しくて次につながる思いをした人もいると思うので、この期間を大事に使って、もう1回みんなで頑張りたいですし、私も次が本当にラストなので、4年生としての役割は果たしたいなと思います」

 

村松果奈(国際2=北陸学院)

――リーグ戦初試合に臨む前はどのような気持ちでしたか。

 「めちゃくちゃ緊張しました。でもいろんな人が思い切りやってこいと言ってくれたおかげで、気持ちは楽になりました」

 

――入替戦に向けて、チームの中でどのような立ち位置でいたいですか。

 「入替戦は絶対勝ちたいという思いが強いので、どの仕事、どの役割になったとしても周りを見て自分から行動できる存在でありたいです」


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