秋季リーグ戦初白星! 1点差の接戦を制す/関東学生秋季1部リーグ戦

ハンドボール 2023.09.10

 秋季リーグ戦4戦目にしてついに明大が勝利の喜びを味わった。前半からこれまで課題に挙がっていたディフェンスを克服し、積極的な攻撃で日大との点差を離していく。試合終了間際に相手の猛追を受けるも冷静なプレーでピンチを乗り切り、今リーグ初の白星を挙げた。

 

◆8・26~10・1 関東学生秋季1部リーグ戦(明大和泉体育館他)

▼9・9 対日大戦(明大和泉体育館)

 ○明大33{19―15、14―17}32日大

 

 今リーグの明大は苦しい戦いを強いられてきた。いずれの試合もディフェンスの乱れから相手に流れを明け渡してしまう展開が目立っていたが、この日の明大は今までとは違った。「ディフェンスから流れを作って攻撃できていたことが良かった」(加藤良典監督)。その言葉通り、前半1分30秒に最初の得点を挙げると相手のミスを逃すことなく着実に得点を重ねていく。さらに今リーグからキーパーとしてスタメン出場を続けている紅出勘太郎(政経3=氷見)の好セーブや、ゴール前での徹底したディフェンスで相手のシュートを封じた。ディフェンスだけでなく、谷口尊主将(商4=北陸)が相手のルーズボールにも飛び付くなど積極的な姿勢を見せる。「ルーズボールをキャプテンの自分が体を盾にして取るとチームが勢いづくと思った」(谷口)。キャプテンの気迫あふれるプレーもあり、明大は前半を、4点差をつけて折り返す。リードした状態で前半を折り返すのは今リーグ初めてのこと。明大はこの時点で確実に試合の流れを引き寄せていた。

 

 迎えた後半。3連続得点で幸先のいい滑り出しを見せると後半3分過ぎには今試合最大となる7点差をつけて日大を突き放す。しかし「ディフェンスで後半に足が止まってしまう時間があった」(加藤監督)と振り返るように日大に攻撃のペースを握られる時間が次第に増えていった。3点差にまで詰め寄られた18分過ぎに武良悠希(政経4=北陸)が「流れが悪く、一度試合を止めないと逆転されると思った」とタイムを要求。その直後に谷口がジャンプシュートを決め、明大に流れが傾いたように思われた。しかし、試合終了間際の28分40秒過ぎ。相手に32点目となるシュートを許し、1点差に迫られてしまう。それでも谷口は「追い上げられてはいたけれど、ずっと勝っている状態。自分が焦ることなくチームを落ち着かせてプレーすることを心がけた」と冷静だった。ラストプレーではゴール前に迫った日大の攻撃を徹底したディフェンスで封じ、1点を守り切った。

 

 次戦の相手は春季リーグ戦覇者である中大。初の白星を挙げた明大が勝利の余韻に浸っている時間はない。それでも「気持ちを前面に出した試合をすることができたので、残り5戦もいい流れで試合ができると思う」(谷口)と手応えをつかんだことも事実だ。この勝利を次の戦いにつなげることができるか。明大の底力が試される時がやってきた。

 

[松原輝]

 

試合後のコメント

加藤監督

――今リーグ初勝利を挙げたことについてはいかがですか。

 「3連敗をしている中で一番欲しかったのは勝つことでした。その意味では1点差ではありますが、勝ち切ることができたのはチームの自信になったと思うので良かったです」

 

谷口

――今日のチームのプレーで良かった部分はどこですか。

 「これまでの試合だと点差を詰められたりすると焦ってプレーしていたのですが、今日は点差を詰められても一人一人が役割をこなしてプレーできたと思います」

 

武良

――自身のプレーを振り返っていかがですか。

 「先週は1本もシュートを決められなくてチームに迷惑をかけたので、今日は絶対に貢献してやろうという気持ちでやりました」

 

紅出

――最後点差を詰められた場面ではどのようなことを心がけていましたか。

 「焦る気持ちはありましたが、自分がメンタルを崩してはいけないので、しっかり最後まで自分が止めるという気持ちでした」


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