
秋リーグ開幕戦 完封勝利で好スタート/関東大学リーグ戦
ついに開幕した関東大学リーグ戦(以下、秋リーグ)。初戦の相手は日体大であったが夏合宿での練習の成果を発揮し、力の差を見せつけた。先発を任されたGK渡邊周(文3=武修館)は無失点。さらには2人の1年生が公式戦初ゴールを決めるなど、完璧な形でのスタートを切った。
◆9・2~11・26 関東大学リーグ戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
▼9・2 対日体大戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
〇明大8{4-0、3-0、1-0}0日体大
終始相手を圧倒した。秋リーグ初戦の相手は日体大。秩父宮杯関東大学選手権(以下、春リーグ)では7―1で勝利を収めており、今試合でも序盤から主導権を握り続けた。「毎年秋リーグの初戦は立ち上がりが悪いが、今回は1Pで4-0といい形で入ることができた」(FW丸山詳真主将・商4=北海道清水)。試合開始わずか1分43秒でFW小森佳介(文4=釧路江南)が先制。その3分後には井口藍仁(商2=埼玉栄)、村社海莉(文2=埼玉栄)のコンビネーションで2点目を挙げる。その後は膠着(こうちゃく)状態が続いたが、第1P残り4分のところでFW西脇颯(文2=武修館)のパスに抜け出した1年生FW佐々木清吉(政経1=八戸工一)。キーパーとの1対1を決め、公式戦初ゴールを記録した。
第2Pには相手の反則で得たチャンスを見逃さず3得点。7点差が付いたため、大会規定により時計を止めずに試合を行うランニングタイムへと入るなど順調に試合を進めた。第3Pに入っても相手に余裕を与えることなく攻め続ける。すると試合終了1分を切ったタイミングでDF成瀬翼(商3=埼玉栄)のシュートリバウンドを1年生のFW木村詠二(文1=埼玉栄)が押し込み、公式戦初ゴール。「佐々木くんが決めていて自分も決めたいと思っていたし、先輩からも決めろと言われていたので期待に応えられて良かった」(木村)。今試合二つ目の公式戦初ゴールにベンチも盛り上がりを見せ、そのまま試合終了。守りの面でも数少ないシュートを冷静にさばいた渡邊が完封勝利と、攻守ともに完璧な出来での開幕戦となった。
「夏合宿を終えてチームの団結力が高くなったと思う」(丸山)。今回の秋リーグに向けて2週間ほど北海道で合宿を行い、3部練や4部練といったハードなスケジュールをこなしてきたという。今試合でも終盤まで足を止めることなく攻め続ける姿勢が見られるなど、合宿での成果を感じさせた。「どんどん厳しい戦いになってくると思うので、昨年度のようにチーム力を見せて勝っていきたい」(DF竹谷莉央人・営4=白樺学園)。今年度の春リーグ、さらには昨年度秋リーグ準優勝という雪辱を果たすための挑戦が幕を開けた。
[倉田泰]
試合後のコメント
丸山
――チームの目標と個人の目標を教えてください。
「チームとしては、一戦一戦目的を持って試合に勝つことと、優勝することが最終目標なので、その目標達成のために全員が全力でやっていきたいなと思います。個人としては秋リーグも最後なので、一戦一戦悔いがないようにプレーすることと、昨年度ポイント王を取らせてもらったので、2年連続で取れるように意識しつつ、チームが勝てることを第一にやっていきたいなと思います」
竹谷
――無失点で終えた守りについてはいかがでしたか。
「1Pは全員共通でショートシフトっていう指示もあったので、テンポ良くいけたかなと。たまにカウンターとかで攻め込まれた時にバタバタするところもあったのでそこは課題かなと思います」
木村
――ベンチ入りしている1年生として意識していることはありますか。
「セット争いが激しくて、試合になると結果が求められるのでそれに応えられるように得点だったり、数字にこだわってやることを意識しています」
佐々木
――公式戦初ゴールのシーンを振り返っていかがですか。
「同じセットの木村くんと西脇さんのパスがあってノーマークを取ることができました。練習では決めるけど試合では決められないことが続いていたので、初ゴールを決めることができたしこれからどんどん点数を決めたいなと思います」
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