関西の雄・立命大に敗北喫す/春季オープン戦

アメリカンフットボール 2023.06.12

 春季オープン戦最終戦はグリフィンズの敗北に終わった。前半はテンポよく試合が進み、グリフィンズが得点を奪うとすぐさま立命大も反撃を見せた。しばらくは一進一退の攻防が続いたが、第3Q以降は立命大が攻撃の姿勢を強め、次第に流れを渡してしまう。FGなどで着実に点差を広げられると、反撃の糸口が掴めないまま試合が終了。ダブルスコアでの黒星となった。


◆4・24~6・11 春季オープン戦(アミノバイタルフィールド他)

▼6・11 対立命大戦(立命大びわこ・くさつキャンパスクインススタジアム)

明大14{7―7、7―7、0―6、0―15}35立命大〇

 

 第1Q、試合はグリフィンズの得点で動き始めた。RB#39廣長晃太郎(商3=箕面自由学園)が自陣35yd地点から約25ydを駆け上がるロングランで一気に攻め上がると、負けじとRB#21高橋周平(文2=足立学園)が15ydのゲイン。最後は「春シーズンでずっと狙っていたパスだった」(QB#15新楽圭冬・商2=都立戸山)。相手ディフェンスの間隙(かんげき)を縫い、新楽からWR#11加藤大明(営3=明大明治)へのTDパスが通りグリフィンズが先制。しかし7-0のリードもつかの間、立命大がすぐさまエンドゾーンへと迫り、反撃のTDを許してしまう。

 

 7-7で迎えた第2Q。再びグリフィンズが試合を動かした。相手が投じたパスをLB#51舘虎之介(政経2=明大中野)がフィールド中央部で見事なインターセプト。そのままランで攻め上りエンドゾーンまで残り3ydとすると、最後は高橋周がボールをねじ込みTDを決めた。しかし、立命大もグリフィンズのリードを許さず、すぐさま約20ydのロングパスなどで反攻に転じる。第2Q残り5秒というところでTDパスを通され、またしても追いつかれた。2度のリードを守りきれず同点で試合は後半へと折り返す。

 

 後半開始後、前半と同様に攻め込みたいグリフィンズであったが「アジャストされてしまった」(廣長)。時間が経過するにつれ、関西の強豪として名をはせる立命大の強さがゆっくりと見え始めた。それは、一言でいえば後半戦におけるチームの柔軟性にあった。戦術の変更はもちろん、それに対応する選手の意識の統一が感じられ、QBとしてチームをけん引する新楽は「前半まで空いていた所が全く空いていない」と話した。第3Qでは約30ydのロングパスを2度通されるなど立命大の猛攻に苦しめられ、2本のFGでリードを許す。6点差で迎えた最終第4Qもグリフィンズは防戦一方の展開を強いられた。勢いに乗った立命大のオフェンスを止められず、2本のTDを許し最終スコアは14-35。前半までとは打って変わり後半は主導権をうまく握れず、悔しい結果となった。

 

 「この春は、良くも悪くも勝つこともできて負けも味わえた良いシーズンだった」(DB#2大澤舜主将・情コミ4=都立三田)。滋賀で行われた春季オープン戦最終戦は敗戦となったが、今シーズンで得られたものは大きい。反省を忘れずに秋に臨み、関西に舞い戻ったグリフィンズの姿を是非とも目にしたい。

 

[菅波陸哉]

 

試合後のコメント

大澤

――前半は比較的明大が押していたように感じました。

 「やはり後半にかけて相手チームも僕たちのプレーに対して上手くアジャストしてきて作戦を変えるっていう点があったので、そこは関西の強いところだと思います」

 

――プレー面での具体的な課題は見つけられたでしょうか。

 「例えばディフェンスなら、今日はタックルミスが目立った印象がありますね。1対1の勝負をする状況を作れてはいるんですけど、そこで負けてしまう場面が僕自身を含めて多くありました。そういうところで勝てないと、上位のチームと対戦すればそのミスにつけこまれて負けてしまうと思うので、ディフェンスとしてはそこを詰めていかなきゃいけないですね。オフェンスではボールロストが多いなっていう印象があって、すぐにディフェンスに回ってしまわないようボールの大切さを再認識して、精度を上げていってほしいなと思います」

 

加藤大

――先制のTDについてお願いします。

 「前回の桜美林戦でも同じパスを新楽が投げてくれたので、今回も新楽の信頼を感じました。『あ、来るな』という気持ちで構えていたので、いいところに投げてくれて良かったです」

 

廣長

――後半を攻めきれなかった要因をどう考えますか。

 「前半はランプレーを中心に組み立てたので立命大はランプレーを止めに来ていたのですが、こちらがアジャストするのに遅れてしまったと思います。ランの裏のプレーに対して少し準備が足りなかったという部分は反省を感じています」

 

 

新楽

――立命大戦ではパスが通用するか試したいと伺いましたが、第1QのTDパスを振り返ってどうですか。

 「レシーバーが相手DBと1対1をして、そこに投げ込むっていうのはシーズン通しての課題だったので、そこをしっかり今回の強豪相手に決めきれたっていうのは僕自身としてもそうですし、全体の成長として良かったんじゃないかと思っています」

 

――今シーズンで成長した部分と夏への課題をお願いします。

 「成長した部分でいうと、はじめは他の選手と交代で出場していた試合を、後の早大、立命大戦ではまるまる任せてもらっているっていうところで、1試合通しての試合の作り方やメンタルの作り方は最初に比べたら見違える程じゃないかと思っています。その点、クイックスローや投球フォーム、体づくりに関してはまだまだ足りていない部分が多いと思うので、そこを詰めていきたいと考えています」


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