年度初の団体戦 国士大を破りベスト4/東京学生優勝大会

柔道
2023.05.29

 新体制となって初めて迎えた団体戦。シードで迎えた2、3回戦はほとんど相手にポイントを取らせず、勝利を挙げた。準々決勝では昨年同大会で敗れた国士大との死闘を制す。続く準決勝は日大と接戦の末、惜しくも1-2で敗北。それでも全日本学生優勝大会(以下、全日本)に向けて勢い付く試合となった。

 

◆5・28 第72回東京学生優勝大会(日本武道館)

▼男子

明大――ベスト4

 

 来月行われる全日本へつながる今大会。シード権を得て迎えた2、3回戦。日本文化大、帝京大と対峙するも、ルーキーを当用するなどして順当に勝ち進めた。そして、準々決勝で立ちはだかったのは、昨年3回戦で敗れた国士大だった。

 

 「国士館を倒すのが目標だった」と森健心主将(政経4=大牟田)。先鋒の福永夏生(政経4=崇徳)、次鋒の朝廣隆翔(商4=延岡学園)は激しい攻防をしたが、引き分けに終わる。続く五将の高橋麟大郎(商2=延岡学園)が残り1分45秒、ビデオ判定で相手に技ありを与え、そのまま敗北。そんな悪い雰囲気を断ち切ったのは、中堅の竹村虎之(政経3=大成)だった。「自分が取り返したことによって、流れがまた明治に回ってくる」(竹村)。その発言の通り、試合では粘り強く攻撃的なプレーで畳を支配する。そして遂に相手に3度目の指導を与え、見事に反則勝ちをつかみ取った。流れをつかみ出した明大の三将は黒川響(政経3=習志野)。相手の高橋翼(国士館大)は今年の全日本選手権で5位の実力者。それでも4分間の激しい攻防の末、引き分けに持ち込むことに成功した。副将戦は3回戦までは大将だった森を登用し見事勝利を収める。「作戦ですね。ずっと大将で来ていて、向こうも大将をぶつけてくると思っていたので、こちらが1つずらしました」(中濱真吾監督)。大将戦では徳持英隼(政経3=崇徳)が引き分けに持ち込み、2―1で国士大に勝利した。

 

 決勝を懸けて挑んだ準決勝の相手は日大。先鋒の高橋、五将の黒川が技あり一本でポイントを取られる中、中堅の徳持が反則勝ちを収める。流れが明大に来たようにも思えたが、福永、朝廣、森と3人連続の引き分けで1-2の惜敗に終わった。しかし、この結果について森は「自分の内容的には、次に生かせる内容だったと思う」と前向きに捉えていた。

 

 宿敵・国士大に勝利したとはいえ、ベスト4という結果で終わった今大会。来月の全日本に向けては「1カ月しかないので、あまり大きなことは変えられない。やはり小さなミスを減らすための練習をしていく必要があると思う」(森)。全日本に向けてより一層の期待がかかる。

 

[大橋英晃]

 

試合後のコメント

中濱監督

――全体を振り返っていかがですか。

 「一つの山は国士舘大だと思っていました。国士舘大に勝てて、チームが勢い付くかなと思ったのですけど、そう甘くはありませんでした。日大戦も2失点して、追いつけなかったので、そこでは力不足を感じました」

 

――1年生も起用していたことについてはいかがですか。

 「全日本に向けてやっぱ経験を積ませたいという思いがありました。練習でやっていたことをそのまま出せていたので、負けることはないだろうと思って見ていました」

 

――帝京大戦を振り返ってどう思いますか。              

 「自分の柔道のスタイル的に投げることが得意ではないで、立技から寝技の移行を中心にやってきました」

 

――新主将としての立場として一言お願いします。

 「大学は強制できない部分があるので、みんなの意見を尊重しつつ、その中でもメリハリをつけてチームを引っ張っていきたいです」

 

竹村

――大会全体を振り返っていかがでしたか。

 「全体的に、団体戦では流れを作るのが大事です。やっぱ自分とか黒川と徳持、この3年生メンバーが流れを作って、試合に勝っているというのが、ここ最近の試合でよく多いです。今回で団体1、2、3回戦と、自分たちの学年で流れを作って勝つことができています。全日本も、3年生を筆頭に、4年生は支えてくれているので、このまま全国も頑張りたいなと思います」

 

――開始直後に大声を上げる姿が印象的でした。

 「自分は、今までの柔道人生で、一つとしては、自分を奮い立たせる気持ちでやります。それぞれの大学にはいろんなルーティンを持つ人がいたり、応援からルーティンがあったりするんですけど、やっぱり自分は自分の中で(奮い立たせる気持ちを)作るしかないです」