
最終戦で専大に惜敗 2年連続のグランドスラムの夢ついえる/春季関東学生1部リーグ戦
春季リーグ戦(以下、リーグ戦)最終戦の相手は専大。明大が優勝するためには勝利が条件であった。しかし接戦を制せず惜敗し、最終結果は3位。まさかの2連敗で目標としていた2年連続のグランドスラムの夢が絶たれた。
◆5・10~21 春季関東学生1部リーグ(所沢市民体育館他)
▼5・21 専大戦(代々木第二体育館)
明大2―4専大○
まずは最上級生が背中で見せた。1番手で臨んだのは、今試合唯一の4年生である宮川昌大(情コミ4=野田学園)。序盤から連続で得点し、相手を圧倒した。失点しても冷静なプレーで流れを取り戻す。「(最上級生として)自分がチームを引っ張るということを意識した」(宮川)。その言葉通り安定したプレーでストレート勝ちを収めた。
2番手で登場したのは松田歩真(商3=野田学園)。勝利の流れに乗りたいところだったが、専大の主将・阿部との接戦の末惜しくも敗れた。流れを取り戻したい明大が3番手を託したのは櫻井倭(情コミ2=鶴岡東)。目にも見えぬ速さの強打を武器に、攻撃的なプレーを見せる。しかし相手も一歩も譲らず接戦に。ゲームカウント2―2で迎えた第5ゲーム。8―9の状態からバックハンドの打ち合いを制し、同点とする。その直後にチキータを決め逆転。勢いそのままに11点目も取り、見事白星を挙げた。次に登場したのは、宮川・飯村悠太(商1=野田学園)ペア。宮川のサーブ、飯村のスマッシュで順調に点を重ね、2―0と有利なゲームカウントに持ち込んだ。しかし、第3ゲームを相手に取られたことで主導権を握られる。「リードした場面を守り切れなかった」(宮川)。第4、第5ゲームを連取され逆転負け。櫻井に続き白星を挙げることはできなかった。
続く5番手は、今リーグ戦では唯一1年生でレギュラーを務めた飯村。ダブルスでも戦った相手と接戦を繰り広げたが、力及ばずこのセットを落としてしまう。明大はセットカウント2―3の崖っぷちの状況となった。そして、試合はここから時間の都合上2台同時進行で行われることに。優勝の行方は6番手・山本歩(商3=出雲北陵)、7番手・手塚崚馬(政経3=明徳義塾)に託された。先に試合が終了したのは手塚。途中苦しむも、見事勝ち切った。そのため、明大の運命は山本の勝敗次第に。第1ゲームの中盤では安定したプレーを見せるも、相手の流れを崩せず第1、第2ゲームを連続で落としてしまう。後に引けない山本だったが意地を見せた。第3ゲームでは9―10と追い込まれた場面で3点を連取し、続く第4ゲームでも10―10でジュースにもつれ込んだ戦いを見事フォアハンドで制した。しかし最終ゲームは序盤でポイントを重ねた相手のペースにのまれ、敗戦。2年連続グランドスラム達成とはならなかった。
優勝には手が届かなかったが、上を目指す姿勢に変わりはない。7月に行われるインカレに向けて、「(今回のリーグ戦で)中大と専大とやった時の敗因はもう一度見直さないといけない」(髙山幸信監督)。今回見つかった課題を克服し、万全の状態で王座を奪還してくれることに期待したい。
[下元天花]
試合後のコメント
髙山監督
――専大戦を振り返っていかがですか。
「どちらが勝ってもおかしくないような(対戦カードの)当たり方だったので、そこで競って負けたということに悔いはないです」
――リーグ戦の経験をどのように生かしたいですか。
「初歩的なところ(のミスが多かった)です。練習の中でも1本にこだわる練習をもっとしていかなければならないなと感じました」
宮川
――チームの雰囲気はいかがでしたか。
「明治大学はすごくいいチームだと思っています。応援してくれる方や現地まで応援に来てくれるファンの皆さん、本当に明治大学は愛されているチームだというのを改めてこのリーグ戦で感じました。ファンの皆さんのためにもインカレと秋リーグ優勝して、明治大学の意地を見せていきたいなと思います」
――リーグ戦を通して得たものはありますか。
「リーグ戦というのはみんなが勝ちにきているので、どんな相手でも接戦になりますし、その接戦をモノにできたというのは、シングルスではすごくいい(経験になった)かなと思いました」
櫻井
――自身の試合を振り返っていかがですか。
「勝負どころでは自分のプレーができて勝ちにつながって良かったです。良くなかったところは、細かいプレーでミスをしたり取れたセットも落としてしまうなど、ぎりぎりの試合になってしまったところです」
――今後の抱負を教えてください。
「自分は今回2勝2敗でした。もっとチームに貢献できるようにすれば優勝にもっと近づくと思うので、明治大学を優勝に導けるような選手になれるようにもう一度努力します」
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