フルセットの激闘 早大・日大に粘り勝ち/春季関東学生1部リーグ戦

卓球 2023.05.13

 「試合前からとても厳しい戦いになると思っていた」(髙山幸信監督)。全勝で迎えたリーグ戦3日目は早大、日大との対決。両試合ともゲームを取り合う展開となり勝負は7番手までもつれ込んだ。それでも王者の貫禄を見せ付け、2連勝。春季リーグ戦(以下、リーグ戦)優勝に大きく近づいた。

 

◆5・10~21 春季関東学生1部リーグ戦(所沢市民体育館他)

▼5・12 対早大戦、対日大戦(所沢市民体育館)

 〇明大4-3早大

 〇明大4―3日大

 

 まさに死闘だった。リーグ戦3日目の初戦は早大。1勝1敗で迎えた3番手・手塚崚馬(政経3=明徳義塾)はまさかのストレート負けを喫する。暗雲立ち込める中、宮川昌大(情コミ4=野田学園)・飯村悠太(商1=野田学園)組が登場。第1、2ゲームを連続で落とし、崖っぷちの状況に。それでも第3、4ゲームは強烈なフォアハンドが多く決まり16―14の大激闘を制した。最終ゲームも勢い止まらず大逆転勝利を果たし、再び勝負を振り出しに戻す。5番手・宮川はダブルスの勢いそのまま勝利を収めたが6番手・櫻井倭(情コミ2=鶴岡東)は2―3で敗れてしまい、7番手・山本歩(商3=出雲北陵)に命運が託される。プレッシャーのかかる場面だったが、終始冷静な試合運びを見せ、ストレート勝ちを果たした。

 

 2戦目は全勝同士の日大との対決となった。1番手・手塚が流れをつかめず敗北するも2番手・松田歩真(商3=野田学園)がストレート勝ちを収める。3番手・宮川は現在パリ五輪日本代表の選考レースで3位に位置する強敵・吉山僚一(日大)とマッチアップ。序盤は吉山のチキータに対応できず、第1ゲームを落としてしまう。しかし「途中からチキータを狙おうと考えた」と戦法を変えた宮川は激しい打ち合いをモノにしていく。サーブから攻めるなど、様々な攻撃を繰り出していった。第2、3ゲームを奪ったが第4ゲームを取られ、迎えた最終ゲーム。「最後まで思い切って試合に臨むことができた」と格上相手に大金星を挙げ、チームに勢いをもたらした。

 

 しかし続くダブルスを落とし、セットカウント2-2となった明大。5番手として登場したのはリーグ戦でいまだ勝利のなかった櫻井。それでも「フォア主体のプレーを貫き通すことができた」と気迫の込もったラリーを見せ、白星をもぎ取った。勝利まであと一つとなったが6番手・飯村は流れをつかめず敗戦。またもや勝負の行方は7番手・山本へ。早大戦同様に安定したプレーで試合の流れを渡さずストレート勝ち。リーグ戦3日目を2連勝で終えた。

 

 計7時間に及ぶ白熱の2連戦を制し、最大のヤマ場を乗り切った王者・明大。しかし「また一からリセットして自分のプレーができるように頑張りたい」(櫻井)と全勝優勝に向け抜かりがない。来週末には中大・専大との対決が待ち受ける。「自分たちから勝利をもぎ取るという気持ちでやりたい」(髙山監督)。リーグ戦全勝優勝、そして2年連続のグランドスラム達成に向けて王者は力強く進んでいく。

 

[七海千紗]

 

試合後のコメント

髙山監督

――本日の試合を振り返っていかがですか。

 「うちは宇田幸矢(商4=大原学園)、戸上隼輔(政経4=野田学園)がいなくて向こうは吉山がいましたが、気持ちの面で全員で4セット取るというのができたので2戦とも良かったと思います」

 

宮川

――本日の試合を通して得たものはありますか。

 「自分の技術が格上の選手にも通用するなと感じました。また、団体戦なのでベンチや観客席から応援してくれる人たちのためにも勝っても負けても全力でやろうと思って試合をしました」

 

櫻井

――日大戦での勝利はリーグ戦の優勝に大きく近づいたと思いますがいかがですか。

 「自分の1勝がチームに貢献できたというのは本当にうれしいことで、今も噛み締めています」

 

飯村

――本日の試合を振り返っていかがですか。

 「緊張した場面でサーブが浮いてしまったりレシーブが甘くなったりしたので、気持ちの面でこの1週間常に緊張感を持って練習したいと思います」


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