明大勢敗退 最高成績はベスト8/関東学生トーナメント5日目
関東学生トーナメント(以下、春関)の準々決勝に進出したのは男子シングルスの鈴木久統(政経3=湘南工科大付)、男子ダブルスの副田温斗(営4=四日市工)・山中朝陽(文2=四日市工)組、女子シングルスの鈴木渚左(国際3=野田学園)。それぞれベスト4に向け奮闘したが、力及ばず。明大勢はベスト8を最高成績とし、有明の舞台を去った。
◆5・1〜7 関東学生トーナメント(有明テニスの森)
▼5・5
[男子シングルス準々決勝]
鈴木久 0{1―6、1―6}2 山口(早大)○
[男子ダブルス準々決勝]
副田・山中組 1{7―5、4―6、8―10}2 角田・時岡組(立大)○
[女子シングルス準々決勝]
鈴木渚 1{2―6、6―4、5―7}2 神鳥(早大)○
【男子シングルス準々決勝:鈴木久統VS山口柚希(早大)】
大躍進の春となった。予選2次セミファイナル敗退という昨年度の成績を大きく上回り、見事ベスト8入りを果たした鈴木久。準決勝進出を懸けた今試合の相手は山口(早大)だ。「対抗戦で勝ったことのある相手。俺なら勝てる、勝つぞという気持ちで試合に臨んだ」。しかし相手も一筋縄ではいかせない。速いテンポのショット展開が得意な鈴木久に対し、ペースを落とし高い打点でボールを打たせることでミスを誘ってくる。「自分のプレーを徹底的に分析されているのが分かった」。終始試合の主導権を握られ、1―6で第1セットを落としてしまう。続く第2セット、1―4とまさに背水の陣で迎えた第6ゲーム。相手の強烈なサーブに翻弄(ほんろう)されながらも、必死にボールに食らいつく。しかし、5度ものジュースの末、ブレークチャンスをモノにすることはできなかった。このゲームを落とすと、そのまま流れは相手方に傾いたまま、敗北を喫した。
腰のケガにより、大学1年次はテニスができていなかった鈴木久。昨年度から徐々に回復に向かい、今年2月に行われた関東学生新進選手権ではベスト16の成績を残した。「ずっと努力してきた」。辛酸をなめた時期があったからこそ、勝ちへのこだわりは誰よりも強い。「(今大会で)ベスト8は最低目標だった。インカレでの目標はベスト4」。新エースの誕生だ。この春関の舞台で見事な復活劇を遂げた鈴木久はとどまるところを知らない。
【女子シングルス準々決勝:鈴木渚VS神鳥舞(早大)】
実力者相手にあと一歩及ばなかった。相手は昨年度全日本学生室内選手権の単複王者である神鳥。対する鈴木渚は「勝つ気しかなかった」と強気な姿勢で挑んだ。しかし試合序盤は相手の勢いに圧倒され、先制ブレークを許してしまう。「自分のポジションが後ろで、相手に前に入られてしまう展開が多かった」。流れを覆すことができず、第1セットを2―6で奪われた。
「セカンドはポジションを上げて、自分から攻められるように意識した」。第2セットでは気持ちを切り替えて前へ攻め入る。また安定したストロークでロブを誘い、さらに鋭くコースを突くショットで決め切る。この戦略が功を奏し、先攻の鈴木渚が常にリードした状態でゲームを進めていく。最後はブレークに成功し6―4で第2セットをモノにした。勢いそのままに迎えたファイナルセット。ポイントを決めるごとに上がる仲間の声援に対して深いうなずきで答え、粘り強いプレーを見せる。しかし流れが変わってしまったのはゲームカウント5―4で迎えた相手のサービスゲーム。「相手が風上というのもあり、もったいないリターンミスを何本もしてしまった」。ゲームの始めにサービスエースを取られ、ストレートで5―5に。試合終盤に主導権を奪われてしまった。最後はジュースまで粘ったものの、5―7で準々決勝敗退となった。
「シングルスは春関前に自信をなくしていて、不安で仕方なかった」という鈴木渚。しかし、準々決勝まで勝ち上がり、試合を重ねるごとに自信をつけてきた。春関で得た自信とプレー面での反省を生かし、全日本学生選手権(以下、インカレ)では日本一を目指す。
昨年度、男子シングルス準優勝、男子ダブルスベスト4入りという快挙を成し遂げた明大。今大会では準決勝進出者を出すことはできず、昨年度の成績には及ばなかった。次の舞台は8月に行われるインカレだ。今大会で得た足掛かりを糧に選手たちはさらなる進化を遂げるだろう。明大は今年度も強いということを証明したい。
[春木花穂、井手満菜]
試合後のコメント
副田
――今大会全体を振り返っていかがですか。
「僕自身はシングルスでも本戦に上がることができて、負けてしまったのですが、シングルスも頑張ればいけると感じました。ダブルスは去年、村田英夢(理工2=麗澤瑞浪)・山中組に1回戦で負けているのでベスト8で終われたのは良い経験になったのかなと思います。最後の春関だったので良い経験で終われたという感じです」
――インカレへの意気込みをお願いします。
「去年インカレとインカレインドアでベスト4という成績を残すことができたので、今年は春関で入賞することはできなかったのですが、インカレでは借りを返すつもりで、しっかり自分たちのプレーを出し切っていい形で終わりたいと思います」
鈴木久
――今試合の良かった点と反省点を教えてください。
「応援の力もあり、最後のラスト1本までガッツのあるプレーができて、声もしっかり出せたことが良かったです。反省点は相手が準備や分析を僕よりもしっかりしていて、そういう面では負けていたかなと思います」
――インカレへの意気込みをお願いします。
「少し期間が空くので春関で得た課題を克服して、さらに自分のいいところを伸ばしていきたいです。夏なので今よりも体力が必要だと思うので、走り込みをするなど、身体づくりもしっかり行っていきたいと思います」
山中
――今大会全体を振り返っていかがですか。
「去年はベスト4で今年はベスト8で結果は落ちてしまったのですが、いい経験にはなったなと思っています。インカレ、リーグ(関東大学1部リーグ戦)とこれから続くので、この大会を生かして結果残せたらなと思います」
――副田・山中組の強みを教えてください。
「自分はリターンとストロークという自分の武器を使って、副田さんは前で動いてくれることが自分たちの強みです」
鈴木渚
――相手は実力のある選手ですがいかがでしたか。
「対抗戦でいい勝負もできていましたし、リードした状態で終わっていたので、勝つ気しかなかったです」
――大会全体を振り返っていかがでしたか。
「シングルスは春関前に自信をなくしていて、不安で仕方なかったんですけど、自分に自信を持っていいのかなと今大会で思いました。6―0とかで取るつもりはなかったのに、まとめてセットを取れることが多かったので、自信を持ってインカレにも臨みたいと思います。でも負けは負けなので、今回で足りなかった部分や反省点を次に生かせるように、今日中にちゃんと反省をして、次は何をしたらいいか考えていきたいと思います」
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