
打線沈黙 ENEOSに完封負け/春季オープン戦
社会人野球の強豪・ENEOSに完敗を喫した。先発の村田賢一投手(商3=春日部共栄)は立ち上がりに苦しみ2回までに4点を失う。その後はゼロを並べるも、先発として課題を残す投球となった。一方の打線は相手先発・阿部の前に沈黙。コーナーを突いた投球術に苦戦し攻撃の糸口を見いだせなかった。
先発の村田は序盤に苦しむ。初回に先制されると、2回表には初球のストライクを狙い打ちされ連打を浴び、一挙に3失点。3回以降はリズムを取り戻し得点は許さなかったが、1カ月を切った開幕に向けもう一つ状態を上げたいところだ。
対して中継ぎ陣は好投を見せた。2番手で登板した左腕の渡部慎之介投手(情コミ3=桐蔭学園)はサイドスローから放たれるスライダーを軸に左打者から2三振を奪う完璧な投球を披露。〝左封じ〟が求められる変則投手はリーグ戦へ向け順調な仕上がりを見せた。
また9回表には蒔田稔投手(商3=九州学院)も登板。「低めに集めることを意識した」と先発登板を見据えた投球で打者3人をしっかり封じた。
野手では激しい外野手争いの中で斉藤勇人外野手(文3=常総学院)が見せ場をつくった。1打席目に中前打を放つと、3打席目には「塁に出ようと思ってバットを少し短く持った」とチームバッティングを心掛け、この打席も中前打でアピールに成功。ラストシーズンへの強い思いを見事に結果で示した。しかしチームはランナーを出すも、併殺打などで好機を広げられず完封負け。最後まで流れをつかむことができなかった。
多くのポジションで熾烈(しれつ)な競争が繰り広げられている明大。生き残りを懸けて戦う選手から目が離せない。
[久和野寛人]
試合後のコメント
斉藤
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「社会人の中でも強豪の相手だったので勝って自信をつけていきたかったんですが、やはり打撃陣はレベルが高くて、そのレベルの高さを痛感して自分もまだまだと思いました」
――リーグ戦に向けて目標や意気込みはございますか。
「チームとしてはしっかりリーグ戦優勝して、全日本大学選手権でも優勝することがチームとしての目標なので、その目標に少しでも貢献できるように。4年生として自覚ある行動をしていきたいと思います」
蒔田
――どのようなことを意識して登板されましたか。
「リリーフでの登板ですが、自分は立ち上がりが悪いので立ち上がりの練習だと思って、ボールを低めに集めることを意識しました」
――現在の仕上がりはいかがですか。
「ストレートのノビが出てきて空振りとかフライを打ち上げてもらえるようになったのでいい感じです」
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