五十嵐 長期戦を制しベスト4進出!/関東学生新進選手権4日目

硬式庭球 2023.03.03

 晴天が続く関東学生新進選手権(以下、新進)は4日目を迎え、男女単複の準々決勝が行われた。女子シングルスでは五十嵐唯愛(政経1=四日市商)が長丁場の試合を勝ち切り、見事準決勝に進出。一方の男子勢は、シングルスの副田温斗(営3=四日市工)とダブルスの飯田翔(商2=足利大付)・太田翔(法2=大分舞鶴)組がともにベスト8で今大会を終えた。


◆2・27〜3・6 関東学生新進選手権(大宮けんぽグラウンド)

▼3・2

[男子シングルス準々決勝]

  副田 1{6―4、2―6、3―6}2 高木(日大)〇

 

[男子ダブルス準々決勝]

  飯田・太田組 1{6―3、3―6、6―10}2 田中・吉野組(早大)〇

 

[女子シングルス準々決勝] 

 ○五十嵐 2{6―7、6―4、6―3}1 西(慶大)

 

【男子ダブルス準々決勝:飯田・太田組VS田中瑛大・吉野郁哉組(早大)】

 「優勝する気で毎日一緒に練習してきたので悔しい」(飯田)。関東学生ランキング上位者の出場制限により、今大会にダブルスのみ出場した飯田・太田組。ダブルスの練習に注力してきたからこそ、準々決勝敗退という結果に唇をかんだ。第1セット序盤、3ゲーム目でブレークしリードを奪う。「積極的にプレーすることができていた」(飯田)。鋭いコースや相手のスキをついたボレーで一貫した攻めの姿勢を見せ、6-2でこのセットを奪った。

 

 続く第2セットは両者キープを譲らず一進一退の攻防を繰り広げる。しかし6ゲーム目、4回ものジュースの末ブレークを許すとペースを握られてしまう。消極的なプレーが増え、悪い流れを断ち切れないまま3-6で第2セットを落とした。迎えたファイナルセットの10ポイントタイブレークは「(プレーが)固くなってしまった」(太田)。相手方に傾いた形勢を立て直すことができず、6-10で惜しくも敗北を喫した。

 

 「勝つチャンスはあった」(太田)。接戦だった分、味わった悔しさも大きい。「(春関では)結果を残して、明大が今年も強いということをアピールしたい」(飯田)。今大会で得たことを糧に次の舞台でのリベンジを誓った。

 

【女子シングルス準々決勝:五十嵐VS西飛奈(慶大)

 3時間を超える熱戦を制した。ベスト4進出が懸かる今試合の相手は、昨日南口亜美女子部副将(国際3=野田学園)に勝利した慶大・西。小学生の頃から知る選手で「お互いのことをよく知っている間柄での試合だった」。第1セット序盤はお互いがサービスゲームをキープし合う展開に。途中の第5ゲームで先に相手にブレークを許すも、第10ゲームではピンチを切り抜けゲームカウント5―5と追いつく粘りを見せる。両者一歩も譲らぬ攻防を見せ、試合はタイブレークへ。しかし「第1セットは取り切るべきところでポイントが取れなかった」。勝負所で決めきれず、このセットを落とした。

 

 気持ちを切り替えて臨んだ第2セットは、第1ゲームからブレークに成功。ここで勢いに乗った五十嵐は、その後もゲームカウントで常に相手よりリードを保つ。「最初の1ゲーム目のブレークが大きかった」。集中力を切らすことなくこのセットを奪取する。勝負の第3セットは、第1ゲームでまたもブレークチャンスがあったものの取り切れず。しかし攻め急がすにチャンスをうかがい、第3ゲームではブレークに成功。落ち着いたプレーでその後も試合を展開し、ゲームカウント5-1まで引き離す。最終盤では相手も意地を見せ「マッチポイント2本を落としてしまった後に、相手が強気の姿勢を崩さなかったので少し焦りはあった」。それでも着実にポイントを積み重ね、最後はゲームカウント6―3で勝利を収めた。

 

 大学1年目の昨年は、5月の関東学生トーナメント(春関)で初戦敗退、他の大会では予選敗退が続くなど苦しい戦いを強いられてきた五十嵐。「大学に入って本戦でなかなか勝てていなかったので、ベスト4はうれしい」。辛酸をなめたルーキーの実力が、今まさに花開こうとしている。

  

 4日間の試合を終えた今大会。明大勢で残るは五十嵐ただ一人となった。明日の準決勝、さらに来週の決勝へと駒を進められるか。ルーキーの快進撃に期待が懸かる。

 

[渡辺悠志郎、井手満菜]

 

試合後のコメント

副田

――今試合の振り返りをお願いします。

 「ファーストセットは先にブレークできたのでそのままいい流れで取れました。しかし相手はサーブがすごく良くて、どうしても自分のサービスが入らなくなったときにストロークで何とかしなきゃと思ってしまいました。相手より少し早くミスが出てしまったのが敗因かなと思います」

 

――今大会で得られた課題を教えてください。

 「テンポを上げて攻めに行く展開がまだ少ないです。そこを突き詰めていけば勝てるチャンスが増えていくとコーチとも話していて、今大会で出た課題かなと思います」

 

――次の大会(春関)への意気込みをお願いします。

 「学生大会最後なのでそこでしっかり勝って全日本学生選手権(インカレ)につなげられるように頑張りたいと思います」

 

飯田

――今試合の戦略を教えてください。

「相手はボレーがうまいので今までの練習を生かして、ストロークなど工夫して(相手を)崩すようにしていました。お互いのいいところを出せていたので良かったと思います」

 

――今試合の良かった点と反省点や今後の課題を教えてください。

 「どちらかが調子がいいときに片方もそれに付いていって2人で盛り上げることができて、相手にもプレッシャーをかけることができたと思うのでとても良かったなと思います。反省点は逆に少し相手の調子が良くなってきたときに僕たちが消極的になってしまって、気持ちの面で相手にプレッシャーをかけられなかったということです。技術面ではサービスゲームで前衛がリターンの後の3球目で触れるように練習したいと思います」

 

太田

――試合を終えて率直なお気持ちはいかがですか。

 「ずっとダブルスの練習を毎日やっていました。今日勝てれば、優勝できるチャンスも大きかったと思うので悔しいです」

 

――次の大会(春関)への意気込みをお願いします。

 「僕はダブルスで夏関(関東学生選手権)でもベスト8で、今大会でもベスト8だったのでベスト8の壁を感じています。表彰台にまだ上がったことがないので、ベスト8の壁を超えることが目標です」

 

五十嵐

――今日の調子はいかがでしたか。

 「昨日はファーストサーブが良かったですが、今日はあまり良くなかったです。ただサービスキープはできていたので、ファーストサーブを入れていたらもっと楽にゲームを展開できていたのかなと思います。また、ファーストセットで結構相手に勢いをつけるプレーをしてしまいタイブレークで落としてしまいました。取り切れるところで取っておけばそれもファーストセットで終わったと思うので、そういった面ではよくない流れで試合しているところが多かったなと思いました」

 

――今大会の目標を教えてください。

 「ここまで来たら優勝できるように頑張ります」


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