慶大に惜しくも敗北 あと一歩で優勝逃す/全日本大学選手権

ラクロス(男子) 2022.11.28

 関東制覇を果たした慶大と2度目の対戦となった今大会。格上の相手に粘りのプレーを見せたものの、関東学生リーグ戦のリベンジはかなわず。初の全日本大学選手権は準優勝で幕を閉じた。


◆11・6~27 第13回全日本大学選手権

▼11・27 対慶大戦(駒沢オリンピック公園陸上競技場)

明大3{1―2、0-2、2-0、0―0}4慶大○

 

 慶大の屈強なディフェンスに阻まれ、なかなかネットを揺らせず。膠着(こうちゃく)状態を止めたのは、AT(アタッカー)加茂下輝(商4=国学院久我山)の鋭いシュート。慶大G(ゴーリー)の一瞬のスキを突き、力強く先制点を決める。しかし明大の流れはそう長く続かなかった。慶大の怒涛(どとう)の攻めにより、立て続けに失点。残り数秒でG伊藤駿(商4=明大中野八王子)からのロングパスでシュートを放つも、時間内に間に合わず、得点にはつながらなかった。第2Q(クオーター)は終始慶大の勢いに押され、さらに2点を許す展開に。「慶大が明大は中を抜かれてしまうシーンが多いことを分析してきていて、その結果第2Q以降やられてしまった」(野田航生主将・政経4=県立明和)。

 

 焦りが見え始めた第3Q。慶大の攻めに押され、防戦一方に。虎視眈々(こしたんたん)とチャンスを伺う中、慶大が落としたボールをすかさず拾うと、一気に相手陣地へ。味方からのパスを受けたAT戸山友喜(商4=穎明館)がそのままゴールへ押し込み、チームに勢いづける。慶大も負けじと追い上げるが、G伊藤が好セーブを連発。流れに乗った明大はAT加茂下がこの日2度目のシュートを放つ。「点を取ってやるという強い気持ちが得点につながると思っていたので、試合の入りから集中してやっていた。勢いつく3点目を取れたので良かった」。1点差で迎えた第4Qは、試合の主導権が絶えず入れ替わる白熱した戦いに。互いに追加点を挙げようと奮闘するも、両チームのGが得点を許さない。最後まで逆転の機会を狙った明大だったが、ゴールネットを揺らすことなく試合は終了した。

 

 「勝つ気しかなかったので、2022年のHUSKIESが終わってしまい、虚無感を感じた」(野田)。善戦だっただけに悔しさが残る結果となったが、初出場で準優勝と輝かしい成績を残したことは事実である。来年度こそ“学生日本一”の称号を手にしたい。

 

[石井遥]

 

試合後のコメント

野田主将

――4年間を振り返っていかがですか。

 「いろいろなことがありました。1年生の頑張った時期にコロナの影響で部活ができなくなり、2年間は観客がいない中での試合でした。最後の4年生の時も観客入れないのかと思っていたら、多くの人が来てくれて良かったです。良い4年間だったと思いますし、最高の仲間に巡り会えたと思います」

 

――後輩へのメッセージをお願いします。

 「僕たち以上に頑張らないと勝てないぞということを伝えたいです。1個下が10人しかいない中でこの大所帯を支えないといけないので、何かつらいことがあれば頼って大丈夫です。僕もコーチとして残りますし、とにかく毎日必死にやること、ひたむきに頑張ることが大切だと思います。僕たちは引退になりますが、後輩はこの経験を来年に生かすことができます。どこが足りていないのか分かっていると思うので、慶大を倒して学生日本一を取って引退してもらいたいと思います」

 

加茂下

――試合を振り返っていかがですか。

 「序盤思い描いていたゲームプランとは違い、少し攻め込まれてしまいました。後半は上手く明治の形に引きずり込めました。しかし、あと一歩及ばずという感じです」

 

――決勝戦を前に緊張などはありましたか。 

 「緊張は正直あまりしていなかったです。ロッカールームで『歴史を作るぞ』とみんなで高め合っていたので、スムーズに試合に入れたと思います」

 

戸山

――準優勝の率直な感想をお願いします。

 「勝てると思っていましたし、最後もチャンスがあったので、率直に悔しいです」

 

――今大会のMVPを挙げるなら、誰だと思いますか。

 「僕ですね(笑)。特別な1点というわけではありませんが、自分が得点したところから2点取れて、4対3までいけたと思います。流れを変えたのはそこだと思っています」

 

芳村弘俊(政経4=明大中野八王子)

――試合に向けてどのような準備をしてきましたか。

  「前回慶大に負けたときから3週間でしっかり成長線を描くために、全国を戦ってきました。特にディフェンスは組織の部分を大幅に刷新して、慶大用の組織を作って臨みました。それを対策されて上手くいきませんでしたが、最後は今まで通りの組織に戻したことで、後半は無失点で抑えられました」

 

――ディフェンスのスローガンである“対人狂”は体現できましたか。

 「今までの試合はあえて打たせてG伊藤にセーブさせるという場面が多かったです。今日はディフェンスがターンオーバーできたので“対人狂”を見せられたと思います。こういったディフェンスをリーグ中盤にもやっていたらとも思いますが、最後に(対人狂を)見せられて良かったです」

 

不破直斗(政経3=県立伊奈学園)

――試合の良かった点と悪かった点を教えてください。

 「試合の入りでかなり点を取られてしまったことが良くなかったです。途中の追い上げは良かったと思います」

 

――来年度以降の意気込みをお願いします。

 「僕らの代はプレイヤーが10人と少ないので、その10人が中心となってチームを引っ張っていきたいです」

 


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