【瓦版】鳩スタ1周年! 芹澤徹郎選手インタビュー拡大版

明大スポーツ新聞 2022.11.27

 2021年に鎌倉市にとって初めての人工芝グラウンドである「みんなの鳩サブレースタジアム」(以下、鳩スタ)を完成させた鎌倉インターナショナルFC(以下、鎌倉インテル)。神奈川県社会人リーグ2部に所属する一方で、地域密着型クラブとして地域住民との交流を画したイベントを積極的に行っている。

 今回は明大サッカー部OBとして活躍中の芹澤徹郎選手(20年営卒)に取材を行った。

 

――鎌倉インテルに入団したきっかけは何ですか。

 「まず僕が小中学校のときの選抜チームに一緒にいた友人がインテルに所属していて、彼は設立当初からいたので結構話を聞いていました。面白そうなチームだなということと、僕が小さい頃から鎌倉にグラウンドがなかったので、そこに芝のグラウンドを作るということは結構ワクワクして注目していました。大学卒業のときに神川さんからお話をいただいて、サッカーしない?と聞いていただいて、社会人で未知でしたが、やりますということで入団しました」

 

――地元民として鎌倉にサッカークラブができる意義は何ですか。

 「サッカーを介して、いろんな人が集まって、サッカー見てなくてもここに来てくれて、子供たちが遊んだり、親御さんがコミュニケーションを取って、おじいちゃんおばあちゃんが元気に喋ったりできることがすごい意義あることかなと思っています。そういうことを言葉では聞いて、なるほどと思っていたのですが、実際に昨シーズンから何度もそういう場面に立ち会うことができて、改めて意義深いなと感じています」

 

――県2部がスタジアムを所有する効果はどのようなものがあると考えられますか。

 「人を呼べるということと、その人のためにクラブとして価値をダイレクトに提供できるというか、それが自分たちのグラウンドだからこそできることです。これが借りているグラウンドだったら、こんなにたくさんイベントもできないですし、来てくれる人たちに対して還元できることが限られてくると思います。自分たちのグラウンドがあることによって、その人たちに自分たちが出せる価値をどんどん発信していけることはとても効果があります」

 

――具体的にはどのような価値ですか。

 「やはり笑顔だとか幸せな空気というところ、そこに尽きるのではないかと思います。サッカーの試合もそうですが、点が決まって全員で喜ぶこともそうですし、鳩スタを開放して子供たちが自由に遊ぶこともそうですし、おじいちゃんおばあちゃんが体動かして世間話して楽しく過ごすこともそうです。笑顔や幸せの時間というものがここのグラウンドの価値なのではないかと思います」

 

――明大サッカー部と鎌倉インテルに通ずる部分は何でしょうか。

 「クラブとして、組織として、譲れない軸があるというところだと思います。鎌倉インテルだったら分かりやすく「club without borders」というものがありますし、明治の場合は譲れないものが多すぎているかもしれないですが、譲れないものがあるということは、立ち返る場所がある、という意味でとても通じるし、組織としても強さになっていくのではないかと思います」

 

――明大サッカー部で学んだことが、今の人生で生かされていることはありますか。

 「上には上がいるということを、より強く理解した4年間だったなということがあります。自分がどれだけやっても届かない場所や、仮にこれもできて、あれもできてといろいろ想像しても、なかなか辿り着けないなという距離感を測れました。その後の自分の人生で何か成し遂げたいと思った時に、実現可能性のようなものを感じられるようなったのは大きかったです」

 

――ご自身のサッカーに対する向き合い方を教えてください。

 「喜怒哀楽を全て全力で表現していきたいと思っています。そこは僕が社会人になって一番感じることで、やはり感情を爆発させる機会がなかなかなくて、それが怒りだろうか悲しみだろうが、喜びだろうが何でもよくて、人生を生きている内に、それをどれだけ爆発させるかが自分の人生観の中でとても大事だなと感じています。サッカーは怒りを全力で表現していい場所だし、喜びを全力で表現していい場所なので、一回でも多く全力で喜んだり怒ったり泣いたりするということを意識していきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

【長崎昇太】


関連記事 RELATED ENTRIES