
最終節を前にリーグ制覇が決定 桐蔭横浜大に1―1/関東大学1部リーグ戦
2年ぶり7度目のリーグ制覇となった。東国大が引き分けたため試合開始直前に優勝が決定した明大。第21節は桐蔭横浜大と対戦した。試合は10分に先制を許すも、77分に中村のゴールで追い付きドロー決着。試合後には表彰式が行われ、選手らは優勝の喜びを爆発させた。
優勝が決まった中で行われた今節。「勝ち点50を目標にしていたので、しっかり勝とうと試合に入った」(林主将)。しかし前半10分、PA(ペナルティーエリア)付近で相手にFKを与えると、うまく頭で合わせられ先制点を許す。その後は相手陣内での攻撃が続くも、得点は生まれず。リードされたまま前半を折り返した。
後半は攻撃にスピードを持たせようと、中村と熊取谷を投入。迎えた77分、途中出場の島野のスルーパスに反応した中村がゴール前に持ち込むと「GKと禅(田中)と2―1の状態だった。禅にパスを出そうとしたが、思ったより早くGKが動いたので自分で決めに行った」(中村)。GKの動きを見極めたシュートはネットを揺らし同点に追い付いた。勢いに乗った明大だったが、終了間際に訪れた決定機を決め切れず。1―1で試合を終えた。
(写真:同点ゴールを決めた中村)
最終節を残して優勝を決めた明大だが、前途多難を繰り返したリーグ戦であったことに間違いはない。東国大を相手に0―4の大敗で幕を開けた今シーズン。さらにはケガ人が続出するなど苦しい戦いを強いられた。しかし、田中禅をはじめとする新戦力の台頭など圧巻のチーム力で立て直し前期を首位で折り返した。後期は夏のトーナメント戦の悔しさも持ち込まず、開幕3連勝。直近では大量失点での敗戦など明大らしくない試合も目立ったが「負けた後の修正力が優勝できた要因だと思う」(佐藤恵)と連敗が続くことは一度もなかった。奪った首位を一度も譲り渡すことはなく、明大の粘り強さを見せつけ栄冠を手にした。
(写真:〝やっぱり明治がナンバーワン〟と喜びを表現する選手たち)
最終節は開幕戦で大敗を喫した東国大。「自分たちが納得して東国大に勝ち、前期のリベンジを果たして終わりたい」(中村)。明大に消化試合の4文字はない。さらに12月には全日本大学選手権(以下、インカレ)での戦いを控えている。「自分たちが1年生の時に4年生が見せてくれたインカレの舞台を今度は自分たちが見せる」(福田)。リーグ制覇の勢いそのままに、有終の美を飾りたい。
[長﨑昇太]
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