新チーム初陣 対抗種目に課題残す/全日本新人選手権

端艇
2022.10.24

 全日本大学選手権(以下、インカレ)から1カ月余り。明大は来期に向けての重要な試金石となる、全日本新人選手権に出場した。対抗種目の男子エイトでは、準決勝でインカレ優勝の日大に勝利する会心のレースを繰り広げたものの、決勝ではスタートから出遅れA決勝4位でフィニッシュ。覇権奪回を目指す女子舵手つきクォドルプルもA決勝の進出がかなわず。下級生のみの出場だったが、新生明大端艇部の船出は簡単にはいかなかった。

 

10・21~23 第63回全日本新人選手権(戸田ボートコース)

▼男子シングルスカルA(S近藤)――敗者復活戦A組4位

▼男子シングルスカルB(S鷺池)――敗者復活戦A組2位

▼男子シングルスカルC(S青木)――敗者復活戦H組3位

▼女子ダブルスカル(S荒川B山田)――準決勝D組4位

▼男子ダブルスカル明大A(S吉田B平田)――準決勝D組3位

▼男子ダブルスカル明大B(S市川B杉本)――準決勝A組5位

▼女子舵手つきクォドルプル(S小野寺3青山2平松B清野C岡部)――B決勝1位

▼男子エイト(S金澤7上戸6中條5大久保4佐々木剣3松川2阿部B佐々木丈C鹿川)――A決勝4位

 

 「全体的に思うようにならなかった」(星遼監督)と苦杯をなめた今大会だが、収穫を挙げるならば対抗種目の男子エイトだろう。今大会の明大は、前チームから男子エイトクルーを務める金澤遥叶(商2=米子工)や、先月のインカレで男子ペアA決勝2位の好成績を残した中條扇之介(商2=成立学園)ら、下級生ながら経験十分のクルーで男子エイトにエントリー。準決勝では2秒差をつけインカレ優勝の日大に快勝し、インカレの借りを返す格好となった。明大男子エイトが準決勝でたたき出した5分58秒90はこの種目全体トップの好記録。「スタートがうまくハマった。ストロークの金澤がうまくリズムをつくってくれた」(星監督)。新チームが持つポテンシャルを確実に示した。しかし臨んだ決勝ではスタート直後から先頭の中大に一艇身以上先行される苦しい展開に。「最初の500mで他のクルーより前に出たかった。それができなかったのは単に実力不足」(金澤)。中盤以降も大きくリードを許した明大に、前方3艇を追い抜かす力は残っておらず、最終順位は4位。「中盤勝負ができるクルー」(岡本康聖前主将・商4=宇和島東)に変貌する来期の明大に期待したい。

 

 今大会終了と同時にオフシーズンが幕を開ける。「冬はフィジカルの強化に焦点を当てていく」(星監督)。今大会で新チームの現在地を確かめることができたのは来期に向けての好材料。全日本選手権、さらには50回目を数えるインカレ記念大会に向け、次こそは時代の夢を破りたい。

 

[上瀬拓海]

 

試合後のコメント

星監督

――今大会は1、2年生のみのクルーで出場しました。

 「インカレから大きくメンバーが変わって、大会前は不安を感じていました。ですが選手たちは対抗クルーに誇りを持って臨んでくれていると感じ、頼もしい限りです」

 

――来シーズンに向けて一言お願いします。

 「引き続き対抗種目である女子舵手付きクォドルプル、男子エイトでのインカレ優勝を目指していきたいと考えています。これからそれぞれの目標に向かってどれだけ高い意識をもってやっていけるかが大事になってくるので、それをサポートしていきたいです」

 

金澤

――今大会が新チームにとっての初戦となりました。

 「自分は今年度男子エイトのクルーとして出場させてもらっています。近年の男子エイト決勝に進出した後良い結果が残せていない部分があるので、その意味で悔しさを持ちながら試合に臨みました。これから全員でレベルアップをしていきたいです」

 

――男子エイト準決勝ではライバル・日大に勝利しました。

 「初日の予選は良いタイムが出なかったのですが、今日のレースは気持ちを切り替えて試合に入ることができました。準決勝では6分以内でのゴールを達成することができましたが、決勝で継続することができなかったのが今後の課題です」