
田中禅の同点弾さく裂 駒大と1-1のドロー/関東大学1部リーグ戦
後期初の敗戦となった拓大戦から中2日で迎えた第17節の相手は駒大。前半は何度かチャンスを生み出したものの決め切れないまま折り返す。迎えた後半、序盤は流れをモノにできず69分に先制を許すも、77分に田中禅のゴールで引き分けに。勝利は果たせずとも貴重な勝ち点1を獲得した。
「前節で打ち合いのゲームをしてしまったので、締まったゲームをやろう」(栗田大輔監督)。駒大のロングボールを中心としたサッカーに合わせることなく、最終ラインからつなぐサッカーの徹底をテーマに臨んだ今試合。思惑通りの試合運びを見せた前半は20分に田中禅が鋭いシュートを放ったが惜しくもポストにはじかれる。その後も26分に熊取谷がクロスからのヘディング、30分には中村がカットインから右足のシュートでゴールに迫るも枠をとらえることはできず。勝負の命運は後半に託された。
(写真:同点弾を決めた田中禅)
前半の勢いを維持すべく迎えた後半。最終ラインからのビルドアップがうまくいかず攻撃が停滞。キックミスやボールロストが相次ぎ、駒大に主導権を握られる展開となる。すると69分、自陣左サイドを崩されるとクロスに守備陣が対応できず失点。「事前に予防線を張り、味方を準備させていれば防げた失点だった」(遠藤)。1点を追う立場となった明大は72分に太田と木村を投入。再びペースをつかみ始める。そして迎えた77分。「クロスが多くなるということで、練習から意識していた形だった」(田中禅)。右サイドから藤森が上げたクロスに田中禅がニアから頭で合わせ同点に追いついた。勢いを取り戻した明大は残り時間で果敢に駒大ゴールに迫るも、逆転には至らずホイッスル。前期は6-1で大勝した相手に1-1の引き分けとなった。
(写真:フル出場を果たした林晴)
「追いついて勝ち点1を取れたことは後々に響くと思う」(栗田監督)2試合連続で勝利を逃したものの、2位との勝ち点差3で暫定首位をキープ。今節もぎ取った勝ち点1が優勝争いのカギとなることは間違いない。「明治は『守備の明治』と言われるチーム。絶対に無失点で抑えて勝つ」(遠藤)。次節の相手は順大。前期は1-0で勝利を収めた相手に、再びクリーンシートを果たし、勝利の流れを引き寄せる。
[新津颯太朗]
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