今シーズン最後となるリレーへの出場 決勝進出ならず/日本選手権・リレー競技
2年ぶりの開催となった日本選手権・リレー競技。リレー種目の頂点を決める大会に高校生、大学生から社会人まで多くの選手がエントリーした。明大は4×100メートルに出場したが惜しくも決勝進出には届かなかった。
◆10・1~2 第106回日本選手権・リレー競技(国立競技場)
[1日目]
▼男子4×100メートルR予選
1組 木村颯、木村稜、小林枚、松下 3着 40秒00
全国から名だたる名門校や社会人が集い、リレーの日本一を争う今大会。明大は4×100メートルRに出場した。同じ組には先月開催された日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)で2位入賞を果たした早大がエントリーし、レベルの高い戦いになることが予想された。明大は関東学生対校選手権(以下、関東インカレ)で7位入賞を果たしたメンバーが名を連ねる万全の布陣で臨む。
普段とは異なる走順でオーダーを組み立てたことにより、木村颯太(法3=明星学園)が自身にとって初めてとなる1走を務めた。慣れない走順に加え、足に疲労がたまっていたこともあり不安を抱えながらのスタートに。それでも、早大とほぼ同時にバトンをつないで見事にその役割を果たした。
そのバトンを受け取ったのは木村稜(政経3=乙訓)。日本インカレで200メートルの明大記録を更新し、2位に入った実力の持ち主が直線区間を任された。バトンパスには大きなミスがなかったものの「追い風を生かし切ることができなかった」と満足のいく走りができずに終わってしまう。
3走には、最上級生としてリレーチームをけん引してきた小林枚也(法4=八王子)が出走。今レースが自身の出場するリレーとしては最後となる中で、懸命にバトンをつなぐも早大、大東大に差をつけられる展開に。レース後には「もっと良い走りをしたかった」と悔しさをにじませた。
松下かなう(法2=大分東明)が4走として最後の直線を駆け抜けた。これまでにさまざまな大会で4走を務めてきた松下だが、これまでの課題だった「後半の失速を直すことができたと思う」とこれまでの練習の積み重ねから確かな手応えをつかんだ。
今大会は思うようなレースをすることができなかったが、これまでチームを見つめてきた4年生の言葉からは下級生に対する期待が感じられた。「今後の明大には伸びしろがあるし、それを生かすことができるのは後輩たち次第」(小林枚)。その思いを引き継ぎ、高みを目指していくのが新チームの役目である。冬を乗り越え、強くなった明大のリレーを目の前にする日はそう遠くないはずだ。
[松原輝]
※レース後のコメントは後日「明鏡紫水」にて掲載いたします。
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