ひたむきなプレー光り 慶大に勝利を飾る/関東大学ジュニア選手権
台風15号に見舞われ、不安定な天気の中関東大学ジュニア選手権2戦目が行われた。〝ひたむき〟というテーマを掲げ挑んだ今試合。前半は明大が主導権を握り、慶大に無失点で抑える。後半はミスが続くが、慶大の粘りに打ち勝ち、33-5と白星を挙げる。
◆9・24 関東大学ジュニア選手権(八幡山グラウンド)
▼対慶大
○明大33{12-0、21-5}5慶大
試合が活気づいた前半2分、自陣5メートル付近からのマイボールスクラム。スクラムを組む前の明大の掛け声で相手に圧を与え、その後のセットプレーも成功する。波に乗った10分、右にパスが展開され、右センター石塚勝己(情コミ3=桐蔭学園)が先制トライを挙げる。「外のスペースまでみんなが回してくれて、チームとしていい形でトライを取れた」(石塚)。相手のアタックに耐え続く22分、自陣ゴールライン前の相手のラインアウトで、左ロック田島貫太郎(政経2=東福岡)がスチール。「自陣に深く入られた時も、ディフェンスで粘って取り返すことができた」(フッカー金勇哲・営2=大阪朝鮮)。それを機に、明大は敵陣に入り攻め込む。30分、敵陣ゴールライン前のスクラムでチャンスをつかみ、ナンバーエイト利川桐生(政経1=大阪桐蔭)がトライにつなげる。明大の一人一人のひたむきなプレーが花を咲かせ、慶大に点数を与えることなく逃げ切った。
後半も主導権を先に握ったのは明大だった。後半2分、FW、BK共に体を張ったアタックで攻め、利川のパスから石塚がグラウンディング。相手のペナルティで好機を得た6分、自陣22メートルライン付近のマイボールスクラムから展開し、右ウイング西川賢哉(政経3=桐蔭学園)が大きくゲイン。敵陣に入ったチャンスを無駄にせず、利川がスペースを抜けてトライを決める。「(スタンドオフ)池戸さん(将太郎・政経3=東海大相模)に『もらったボールは人に走り込むのではなくて、スペースに走り込む』と言われたことを意識できた」(利川)。それから10分以上、自陣で両者譲らない粘りの戦いが続く。32分、慶大に得点を許してしまうが、試合終了間近で明大に最後のチャンスが訪れる。山村和也(商1=報徳学園)の俊足から見せるゲインから、西川がトライ。最後は山川遥之(営1=尾道)の伸びのあるキックで、コンバージョンゴールを成功させ締めくくった。
試合を通して、慶大の勢いあるプレーに苦しむ場面もあったが、明大ペースで試合を展開していった。特に印象に残ったのは、前試合に引き続き選手間のコミュニケーションだ。ミスが出ても励まし合い、チームの雰囲気の良さも感じさせる一戦となった。「前回の早稲田戦では納得いかない結果だったが、今回はしっかりチームを盛り上げつつ、自分も盛り上がるようにいっぱい声を出した」(石塚)。だが「ミスしたら主導権を握られてしまう場面で、プレーのクオリティが下がってしまっていた」(スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)、「ブレイクダウンやスクラムで、ペナルティが多かった」(利川)と課題も見つかった。関東大学ジュニア選手権の次戦は、1ヶ月後に控える東海大戦だ。明大がこの勢いに乗って、さらなる進化を遂げるのが楽しみだ。
[井垣友希]
試合後のコメント
丸尾
――今試合のMVPはどなたですか。
「利川です。相手の激しいディスタンスに対して、1対1の勝負でしっかり勝てていたところと、トライも取って、攻守にわたって存在感があったと思います」
石塚
――今試合の良かった点を教えてください。
「チーム全員がひたむきに貪欲に一つ一つのプレーができたところが点数にも結果にもつながって、テーマもしっかりできて良かったです」
金勇
――FW全体を振り返ってみて、いかがですか。
「スクラムも安定していましたし、セットプレーも良かったところもあって、敵陣入った時もFWが前に出て取り切るシーンもあったので良かったです」
利川
――次の試合に向けて意気込みを教えてください。
「ジュニアで1回早稲田さんに負けていますし、ここから負けられない戦いが続くと思うので、東海にも自分たちがチャレンジャーとしてチャレンジできたらいいなと思います」
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