
対抗戦連勝 日体大に完封勝利/関東大学対抗戦
雨が降りしきる中、終始相手を圧倒し対抗戦連勝を飾った。前半、4トライを奪い26―0で折り返す。後半はさらに攻撃が爆発し、8トライ48得点。守りでも相手の攻撃をねじ伏せ、完封。最終スコア74―0と力の差を見せつけた。
◆9・18 関東大学対抗戦(アースケア敷島サッカー・ラグビー場)
▼対日体大
○明大74{26―0、48―0}0日体大
「試合のテーマは〝ドミネート〟。アタックもディフェンスも圧倒しようと話していた」(左センター廣瀬雄也・商3=東福岡)。その言葉通りの完勝だった。試合が動いたのは前半16分。敵陣22メートルライン付近中央でラックが生まれる。そこから右に大きく展開し、左ウイング石田吉平主将(文4=常翔学園)が相手を引きつけ、スペースを作る。最後はボールを受け取った左ロック山本嶺二郎(法3=京都成章)が抜け出してトライ。「雨でミスが多い中、全員で集中して取れた」(山本)。このトライを皮切りに明大の攻撃に火が付く。22分、敵陣22メートルラインでのマイボールスクラムから始まった攻撃で左サイドから右に展開。最後はスクラムハーフ萩原周(商3=大阪桐蔭)からパスを受けた福田大晟(商2=中部大春ヶ丘)が、スクラムに集中しディフェンスに戻り遅れた相手のスキを突き、中央にトライ。「役割を果たせて良かった」(福田)。続く30分、敵陣10メートルラインでのスクラムから右に展開。パスをつないで前に出ると、最後は廣瀬がグラウンディング。36分にも右ウイング秋濱悠太(商2=桐蔭学園)がトライを奪い、26―0で前半を折り返す。
「戦い方は悪くないから我慢して継続しよう」(右センター齊藤誉哉・文4=桐生一)と話し臨んだ後半。開始早々、明大の攻撃が爆発する。後半2分。敵陣10メートルライン付近でパスを受けた秋濱が相手ディフェンス2人を振り切り、独走トライ。さらに7分、ハーフウエーライン付近でパスを受けた廣瀬がキックダミーなどで相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)し、中央にトライ。9分にもハーフウエーライン付近から齊藤が大きくゲインすると、攻撃をつなぎ、最後はフルバック安田昂平(商2=御所実)がグラウンディング。43―0と大きく相手を引き離す。「みんながつないできていたので決めることができて良かった」(安田)。その後も石田が圧巻の3トライを決めるなど明大の勢いはとどまることを知らず、合計12トライ最終スコア74―0と相手を全く寄せ付けなかった。
攻撃だけでなく守りでも相手を無得点に抑えた明大。「継続してプレッシャーをかけることができた」(廣瀬)。攻守にスキがなく、力の差を見せつけての圧勝となった。それでも「入りが固くなりミスが多い。もっと繊細にプレーしないといけない」(石田)と選手たちにおごりはない。連勝と幸先のいいスタートを切った明大が優勝に向け、次戦の立大戦ではさらに進化した姿を見せてくれるに違いない。
[廣末直希]
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