残り1分での逆転負け リーグ開幕戦を白星で飾れず/秋季リーグ戦

アメリカンフットボール
2022.09.04

 27年ぶりの東京ドーム開催となった秋季リーグ戦初戦。対するは春季オープン戦でも顔を合わせている日大。春は20―6と勝利した相手であったが、試合終了間際に痛恨のTD(タッチダウン)を許し、逆転負けを喫する結果となった。

 

◆9・3~12・17 秋季リーグ戦(アミノバイタルフィールド他)

▼9・3 対日大戦(東京ドーム)

 明大20{10―0、0―7、3―0、7―14}21日大〇

 

 甲子園ボウル出場、そして悲願の日本一へ向けた秋季リーグ戦の初戦は、実に27年ぶりの東京ドーム開催となった。勝って勢いをつけたいこの日の相手は、春季オープン戦でも対戦し勝利を収めている日大。試合開始直後、主導権を握ったのはグリフィンズだった。第1Q6分、QB#1吉田拓郎(法4=日大鶴ケ丘)がWR#0山口翔(国際3=箕面自由学園)への約30ydのロングパスを決め敵陣10ydまで攻め込むと「OLが道を開けてくれた」(RB#39廣長晃太郎・商2=箕面自由学園)。最後は2年生RB廣長が残り1ydを押し込み貴重な先制点をもぎ取った。開始9分には「パスラッシュに自信があったので、勝負どころでは自分がいこうと思っていた」(DL#94守屋圭・政経2=佼成学園)と、DL守屋、DL#33櫛谷彰吾(文3=鎌倉学園)が連続でQBサックを決めるなど、グリフィンズDF陣も奮起。流れを日大に渡さなかった。その後、FG(フィールドゴール)も決め、第1Qを10―0で終える。第2Qでは一進一退の攻防が繰り広げられた。しかし、精度の高いパスと外のランを組み合わせ攻め上がる日大にジリジリと押し込まれる。そして開始10分にはTDを奪い返され前半を10―7で折り返す。3点差にまで追い上げられたグリフィンズであったが「事前に対策を練っていたので焦りはなかった。後半も同じ攻め方でいこうと話していた」(吉田)と、選手たちの表情に焦りは見られなかった。

 

 迎えた勝負の後半戦。グリフィンズはRB#6森川竜偉(政経4=佼成学園)、RB廣長のランを中心に攻め上がる。第3Q7分にはFG、第4Q開始直後にはRB廣長がこの日2本目となるTDを決め、20―7と点差を13点に広げた。春と同様、このままグリフィンズが試合を制するかに思われた。しかしそう簡単に勝たせてもらえるほど日大は甘くなかった。後半に入りパス中心の攻めを展開し始めた日大フェニックス。「勝負どころで止めきれなかった」(守屋)と、第4Q5分には約35ydのロングパスを決められ、そのままTD。20―14と1TDで逆転という状況にまで追い上げられた。日大の猛攻を何とか跳ね返していたグリフィンズDF陣ではあったが、第4Q残り2分、日大にビッグプレーが生まれた。日大はこの日両チーム合わせて初となるフォースダウンギャンブルを選択。時間的にも失敗すればグリフィンズの勝ちがほぼ確実となる中で、約25ydのロングパスを決め、ゴールライン1ydまで自陣を進めた。試合終了まで残り1分、勝敗の行方は1ydを巡る攻防となった。ファーストダウン、セカンドダウンを何とかしのいだグリフィンズであったが、奮闘もむなしく最後は押し込まれ痛恨のTD。「TDを奪われれば逆転されるという点差の中で、もう1本を取り切れなかった。詰めの甘さが出た」(岩崎恭之監督)。試合時間残り1分で逆転を許し、一時は13点あったリードを守り切ることができず、痛い敗戦となった。

 

 全7試合からなる今期の秋季リーグ戦。いきなりの黒星スタートとなったグリフィンズだが甲子園ボウルへの道が完全に閉ざされたわけではない。「日本一の可能性はまだ残っている。残りの試合を全て勝つ」(森川)。もう負けが許されないという状況の中、迎える次戦の相手は慶大。「偶然の負けなどない。次戦までに今回の敗因をしっかり突き詰め、受け入れ、改善して必ず勝つ」(OL#78大枝弘平主将・政経4=関西大倉)。甲子園への旅路はまだ始まったばかりだ。

 

[菅波陸哉]

 

試合後のコメント

岩崎監督

――今後の試合に向けて意気込みをお願いします。

 「日本一のチャンスがゼロになったわけではないので、気を引き締めて、まずは次の慶大戦に向けて切り替えてやっていこうと思います」

 

大枝

――試合を振り返っていかがですか。

 「オフェンス陣が攻めあぐねている中でディフェンス陣は粘ってくれていました。オフェンスであと1本が取れなかったのが相手との差なのかなと思います」

 

――1点は何の差だったと思いますか。

 「自分たちと相手の気持ちの差だったと思います」

 

吉田拓

――試合を振り返っていかがですか。

 「想定していた試合展開には持っていけましたが、勝ち切る力が相手の方が上だったのかと思います」

 

――最後のシーズンへの意気込みをお願いします。

 「まだ1試合目なので、しっかり今回の試合を振り返って良かったところは伸ばし、悪かったところは反省して勝ちにつなげたいと思います」

 

森川

――試合を振り返っていかがですか。

 「悔しいです。詰めの甘さが1点差に出たと思います」

 

――日大はいかがでしたか。

 「体も大きく、スピードも速く、カバーも速くてなかなか穴のないディフェンスだと感じました」

 

守屋

――次戦の慶大戦へ向けての意気込みをお願いします。

 「もうこれ以上は負けられないので、自分たちがやってきたことを信じてただやるだけだと思います」